雑多な情報に対する複雑な気持ち
報道番組では今もつらい状況が続く被災地域の映像が流れた直後に、芸能人のスキャンダルについて報じられる。
SNSでは、被災地へ行く人へのバッシング、飛行機事故の対応に対する様々な論争、国の対応に対する非難など、様々な人の感情的な投稿。
ネットニュースや報道番組、SNSでは雑多でカオスな情報が次々に流れてきますよね。
感情的でセンシティブな情報であればあるほど目を向けてしまうものですが、知らず知らずのうちに心が疲弊してしまっている人も多いよう。
悲痛な情報とはどのように付き合っていけばよいか。また、子どもへの伝え方について。距離の取り方を考えていきます。
まずは親自身が「平常心」を
何かしなければいけない気持ちと、何もできないやるせなさ。日常が一変する怖さや不安を想像したり、似た境遇の方に自分を重ね合わせたり。
このような時期、「日常は変わりなく過ごせているけど夢見が悪く疲れが取れない」と悩む方も増えてきます。大人であっても不安定になりやすい時期、まずは親自身が平穏な心、普段通りの状態であることが大切。
- なんとなくネットニュースやSNSを見るのをやめる。
- SNSで見ていて辛い情報が流れてくる場合は、NGワードを設定し、目にしないようにする。
- 職場や家族など、話題を耳にするのが辛い場合は、聞くだけに留めて会話に参加しすぎない。
辛い状況に対して、大人であっても受け止め方は人それぞれ。
どのような姿勢であれば誠実かを意識するのではなく、まずは「自身の心を平常に保つ」のが大切です。
子どもと「心の守り方」を共有する
大人でさえ、知らず知らずのうちに悲痛なニュースに触れ、心を疲弊させやすい時期。
スマホを持ち始めた子も、何気なくセンシティブな動画や画像を見続け、無意識のうちに心が傷ついている子が多いです。
距離を取って心を休める必要もあること、センシティブな動画を見続けると知らず知らずのうちに心が揺さぶられることをしっかり共有するのが大切なんですね。
子どもが知りたい情報を伝える
大人が逐一伝えずとも、子ども自身で情報を取り入れられる時代。明日は我が身となりうる大切な出来事ですが、今子どもに無理に伝えていくのが最善とは限りません。
子どもがニュースを見ていなかったり、話題に出さない場合は無理に触れず、子どもが日常を送る手助けを行いましょう。
また、子どもが一部の情報のみ興味を持つ場合も多いです。
例えば、
- なぜ被災地に赴く人と、そうでない人がいるのか?どうするのが正しいのか。
- 避難している人はどうやって生活しているのかな。
- 家族と一緒にいないときに災害に見舞われたら、どうしたらいい?
このような大切な質問がなされるときもあるでしょう。
親としては、一つの質問から派生していろんな側面についてじっくり話したいと感じるかもしれません。ですが、必要以上に情報が溢れている今は、「プラスα」を考えるのではなく、子どもが求めている量だけを伝えるのがおすすめ。
子どもが知りたい情報を伝え、あとは子どもに任せる姿勢も求められるんですね。
大人の「~すべき」を押し付けない
今回の出来事を経て、被災地域へ支援をしたり、防災について考え直す方は多いでしょう。
親自身が不安を感じていると、「今対策しておかないといけない」「被災について、支援について、考えないといけない」などの「~すべき」を子どもに伝えやすくなります。
しかし、子どもには子どものキャパシティやタイミングがあります。
家族全員で一体になるのではなく、今できること・したいことを各々こなしていくのが大切です。
子どもが何かしたいと自発的に伝えられたら、募金などの支援や被災地域についての情報収集など、できる範囲で考えていけるとよいでしょう。
まずは自分、その次に家族の健康を守っていくことが、最も求められています。
心身ともに健康を維持したうえで、今できる支援について心を配れるといいですよね。