利用できる制度を教えてあげよう
まず、親が入院や手術、長期にわたる通院をすることになった場合、どんな制度が利用できるのか、分かりやすく教えてあげましょう。医療費の負担を軽くすることができる制度として、以下のような制度を利用することができます。
1.高額療養費制度
1ヶ月にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額を超えた分が後から払い戻される制度です。
医療費が高額になることが事前にわかっている場合には、事前に手続きをすることで、医療機関の窓口で支払う金額を減らすことができる「限度額適用認定証」を提示する方法もあります。
2.医療費控除
1年間に支払った医療費が一定額を超えるときは、その医療費の額を基に計算される金額の所得控除を受けることができます。
自分だけではなく、自分と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費を合算して計算することができます。
3.傷病手当
病気やけがのために会社を休み、会社からお金がもらえなかった場合に支給されます。
具体的には、会社を休んだ日が連続して3日間あったうえで、4日目以降休んだ日に対して支給されます。 ただし、休んだ期間に会社から傷病手当金の額より多い報酬額の支給を受けた場合には、傷病手当金は支給されません。
4.介護保険
介護保険は、基本的に65歳以上の保険加入者がさまざまなサービスを受けることができる制度です。手術や入院後のリハビリや、自宅で受けられる家事援助等のサービスなどもあります。サービスを受けるためには、基本的に「要介護」の認定を受ける必要があります。
こんなアドバイスも大切
そして、入院や手術をする親には、以下のようなアドバイスをしてあげると良いでしょう。
1.個室を希望して利用するとお金がかかる
入院で希望して個室を利用すると、多くの場合差額ベット代というお金を支払わなければなりません。差額ベット代は、高額療養費制度の支払い対象にはならず、全て自己負担となります。親が金銭的に余裕がない場合などは、個室を利用しないよう提案してみましょう。
2.ローンに手を出さない
手術費用が払えないなどお金に困った時に、医療ローンやカードローンなどの借金にむやみやたらに手を出さないようにアドバイスしましょう。
これらのローンは高い金利を支払わなければなりません。結果的には、金銭的な負担が大きくなるので、ローンに頼らずに医療費を支払う方法を考える方が賢明です。
3.保険の見直し
入院や手術に伴い、親が加入している保険の内容を確認しましょう。支払事由をしっかり確認して、忘れずに保険金を請求することが大切です。
また、現在加入している生命保険等の保険の見直しを行いましょう。不必要な保険に加入している場合は、よいタイミングで解約した方が、無駄な保険料を支払わなくて済みます。加入したまま忘れてしまっていることもあるので、家族が一緒にチェックしてあげましょう。
いざという時は協力しよう!
親が入院や手術をする場合、その家族も精神的に不安になりますね。医療費など経済的な不安をなくし治療に専念できるように、家族で協力することが大切です。今回ご紹介した内容を参考にしながら、親にアドバイスしてあげられることがないか、ぜひチェックしてみましょう。