「わが家は何万円減税されるの?」6月以降の“定額減税の基本”をわかりやすく解説!

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2024.02.17

令和6年度税制改正の大綱が決定し、令和6年6月から定額減税がスタートします。定額減税とはどんな制度なのでしょうか。対象の家庭では、どのくらい税金が減るのでしょうか。今回は、新しく始まる定額減税制度について分かりやすく解説します。

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定額減税の対象者

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税制改正により、令和6年6月から定額減税が実施されます。これは、所得税と住民税が一定額減る制度。納税者本人と、同一生計配偶者および扶養親族が対象となります。

ただし、定額減税には所得制限があります。所得税額の特別控除の適用を受けることができる人は以下のとおりです。

  • 令和6年分所得税の納税者である日本の居住者
  • 令和6年分の所得税に係る合計所得金額が1,805万円以下

給与収入のみの人は、2,000万円以下の人。障がい者を扶養されており「子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除の適用」を受ける人は、所得が2,015万円以下が対象になります。

収入約2,000万円以下という所得制限があるものの、多くの世帯が定額減税の対象となります。ここ数年の物価高等で経済的に苦しかった家庭にとっては、大変ありがたい制度ですね。

税金はどのくらい減る?

では、具体的にどのくらい税金が減るのか確認していきましょう。定額減税で控除となる金額は、所得税3万円と住民税1万円で、合計4万円です。

4万円出典:stock.adobe.com

例えば、夫が会社員として働き、専業主婦の妻と小学生の子どもが2人いる家庭の場合、納税者本人と、配偶者と扶養家族3人分が対象となります。1人4万円の減税となるので、この場合、合計16万円が減税となります。

年金の受給者の方も対象となります。年金をもらっている夫と妻の家庭では、合計8万円が減税となります。

必要な手続きは?

4万円出典:stock.adobe.com

定額減税の処理は自動的に行われるため、私たち納税者は基本的に特別な手続きは必要ありません。

会社などで働く給与所得者の場合、毎月のお給与から所得税などが源泉徴収されていますよね。6月からは、源泉徴収をされる所得税や住民税の金額が減ります。

また、公的年金を受け取っている方も同様に、支払われる公的年金等から源泉徴収される所得税や住民税の金額が減ります。つまり、源泉徴収される税金が減るため、毎月もらう給与や、振り込まれる年金の金額が増えるということです。

なお、個人でお仕事をしている個人事業所得者等の場合は、原則として、令和6年分の所得税の確定申告(令和7年1月以降)の際に、所得税の額が減額されます。

日雇いでお仕事をしている方の場合も、令和6年分の所得税の確定申告(令和7年1月以降)の際に、所得税の額が減ります。

給与所得者は、年末調整により確定申告が不要な方も多いですが、個人事業主や日雇いで働いている方などは、来年に忘れずに確定申告をする必要があります。

増えた収入は有効活用しよう!

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定額減税は、ここ数年の物価高の影響を考慮し行われる、1年間限定の減税政策です。

税金が減り、手取りの収入が増えるのはありがたいですね。しかし、給与所得者や年金受給者の方など、なんとなく過ごしていると、毎月振り込まれるお給与や年金が増えていること(源泉徴収される税金が減っていること)に気が付かないかもしれません。

ぜひ6月以降の給与明細や年金の金額に注目し、増えた収入分は、貯金や資産運用など有効に活用してみてはいかがでしょうか。

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著者

下中英恵

下中英恵

東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています。

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