教えてくれたのは……小林青果株式会社
創業以来70年以上にわたり、北九州中央卸市場にて青果の生産者と小売店舗のバイヤーを結ぶ仲卸業を営む小林青果株式会社。九州各県だけでなく、全国各地から旬の食材や特性の強い商品を仕入れ、お客様へお届けしている。安全で安心できる食品の提供はもちろん、作り手の思いや熱量、消費者の期待、販売店の信頼を大切にしている。
葉物野菜は、切った後からビタミンCが減る……!?
キャベツや白菜などの「葉物野菜」は、ビタミンCやビタミンKなどの水溶性ビタミンが豊富です。しかし、カットしたり刻んだりすると、酸化や溶出によってビタミンが減少してしまいます。
その理由は、水溶性ビタミンは、水に溶けやすい性質を持っているため。
カットするなどして野菜の細胞が壊れると、細胞内にあったビタミンが細胞外に流れ出してしまいます。水溶性ビタミンは酸化に弱いため、空気に触れると分解されてしまいます。特にビタミンCは、酵素や金属イオンによって酸化されやすいです。
“カットする=野菜の表面積を増やす”ことになるので、細胞が壊れる量も増え、水や空気に触れる面積も増えます。その結果、水溶性ビタミンは酸化や溶出によって、どんどん減っていくのです。
ビタミンの損失を防ぐためにできる「5つの方法」
では、どうすればカット後の葉物野菜のビタミン損失を防ぐことができるでしょうか?
葉物野菜は栄養価が高い食材ですが、カットするとその一部が失われてしまいます。ビタミンを余すことなく摂りたい方は、下記の5つの方法を参考にしてみてくださいね。
1.カットする直前まで冷蔵庫で保存する
2.カットしたら、すぐに食べるか調理する
3.カットする際は、包丁をよく洗ってサビや汚れを落とす
4.カットする際は、刃先を下にして切る
5.カットしたら、レモン汁などの酸性物質をかける
これらの方法は、水溶性ビタミンの酸化や溶出を抑える効果があります。
特にレモン汁などの酸性物質は、ビタミンCの酸化を防ぐ働きがあるので、おすすめの方法です。また、刃先を下にして切ることで、金属イオンの接触面積を減らすことができます。
葉物野菜の栄養を逃がさない「正しい保存法」
キャベツや白菜などの葉物野菜には、ビタミンCをはじめ、カルシウムなどの栄養素も豊富に含まれていますが、保存の方法次第では栄養を逃してしまう可能性もあります。
葉物野菜の「正しい保存方法」のポイントを3つご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
ポイント1.水洗いの有無
〇……水洗いせずにそのまま冷蔵庫に入れる。
×……水洗いする。
葉物野菜を買ってきたら、水洗いせずに「そのまま冷蔵庫に入れる」のが正解です。
水洗いすると水分が葉に残ってしまい、栄養素が流れ出したり、カビが生えたりする原因になります。
ポイント2.包み方
〇……新聞紙やキッチンペーパーで包む。
×……ビニール袋やラップで包む。
冷蔵庫に入れる際は「新聞紙やキッチンペーパーで」包みましょう。ビニール袋やラップで包むと密閉されて水分が蒸発しなくなってしまいます。新聞紙やキッチンペーパーなら、適度に水分を吸収してくれるので、葉物野菜がしなびたり傷んだりしにくくなります。
ポイント3.冷蔵庫での収納場所
〇……冷蔵庫の一番下の棚やドアの奥の方に入れる
×……野菜室に入れる
野菜は一般的には野菜室に入れると思いますが、実は野菜室は温度が高く湿度が低いので、葉物野菜には不向きな場所です。
葉物野菜は、温度が低く湿度が高い方が長持ちするため、「冷蔵庫の一番下の棚やドアの奥の方に入れる」のがベスト。これらの場所は、冷気が下に落ちてくるので温度が低くなります。また、ドアの奥の方は開け閉めするたびに空気が入れ替わらないので酸化しにくくなります。
3つのうち、〇がついたのは何個ありましたか?
この方法を実践すれば、葉物野菜を新鮮でおいしく食べることができますよ!