「また感情的に怒っちゃった…」が減る。子どもを叱るときの“NG言葉”と“ただしい伝え方”

家族・人間関係

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2024.04.25

子どもの困った行動に「なんで〜してるの!」「あなたはいつもこうなんだから!」などと叱っていませんか? それは子どもに本来伝えたいことが伝わっていないと言うのは、自らを「モンスター三つ子男子の母ちゃん」と呼び、親子カウンセラー・言葉がけコーチとしてご活躍中の島谷留美さん。子どもに伝わる話し方を教えていただきました。

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教えてくれたのは…島谷留美さん

島谷留美さん

親子カウンセラー、言葉がけコーチ。「ママの学校」主宰。やんちゃな男子3人を育てる壮絶な育児期間中に、アメリカ発祥の心理学「親業」を学び、2017年「親業」をベースに自らの子育て経験から編み出した独自の言葉がけプログラムを開発。著書は『モンスター三つ子男子の母ちゃんが見つけた 子どもに伝わる魔法の「ほめ方」「叱り方」』。

魔法の褒め方叱り方

『モンスター三つ子男子の母ちゃんが見つけた 子どもに伝わる魔法の「ほめ方」「叱り方」』
著者:島谷留美
定価:1,540円(税込)

「ま、いっか」という気持ちで気持ちがラクになる

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――島谷さんのもとには子育てについて悩んでいる保護者の方からの声が届くと思います。最近はどのような悩みが多いでしょうか。

子育ての悩みはお子さんの年齢によってもさまざまですが、多いのはタブレットやパソコンを使った勉強方法についての相談です。「勉強をしていると思っていたら、YouTubeを見ていたりゲームをしたりしている。こういう場合どうしたら良いですか?」というもの。

もう一つは、ママ友や先生からの自分の評価を気にしすぎてしまうことです。これは、長くカウンセリングをさせていただく中でようやく出てくる悩みではあるのですが、親としての自分の評価を気にして、子どもに「ちゃんとしなさい」と怒ってしまうというもの。自分自身の評価と子どもの評価が一致しているので、そこを分けて考えられるようになると子育てはラクになると思うのですが、この悩みは根が深いと思います。

――お母さん自身の問題をクリアにすることで、子育てに対しポジティブに向き合えるってことですよね。

その通りです。私は相談に来るお母さんたちに、よく「ま、いっか」って思おうよと伝えるのですが、「子どもがずっとYouTubeを見ていても、ま、いっかなんですか?」「成績が悪くても、ま、いっかなんですか?」と聞かれます。

私が言う「ま、いっか」は、「今はできないかもしれないけど、いつかできるようになる」と子どもを信頼するということです。今はできなくても子どもはいつかできるようになるから、あなたの将来を見守っていくよという想いを込めた「ま、いっか」なんです。この考え方ができると、子育てだけではなく、お母さん自身の人生がラクになるんじゃないかなと思います。

――いつかできるようになるまで待つことも大事ですが、どうしても伝えたいことがあるときはどうしたらいいでしょうか?

放任するわけでも放置するわけでもなくて、子どもに伝えたいことがあるときには、言葉やタイミングを選んで、自分の想いを伝えます。例えば、明日提出の宿題があるのにゲームを長時間している場合、「またゲームして! いつもゲームばかりしてるんだから!」と叱ってしまうことも多いですよね。けれどこういう叱り方をしても、なかなか子どもの行動は変わらないと感じている方も多いと思います。

子どもに伝えるときには、主語を「私」にして、“子どもの行動”、“叱りたい理由”、“自分の気持ち”を伝えるのです。例えば「宿題の時間にゲームをしているのを見ると(子どもの行動)、宿題が終わらないんじゃないかって(叱りたい理由)、ママが焦っちゃうんだよね(自分の気持ち)」という要領です。

こんな伝え方ができるようになると、率直な想いや本当の欲求も出せるようになるので、ママ自身もストレスなくスッキリするんです。これは子育てだけではなくて、職場の人とのコミュニケーションや旦那さんに対しても使えますよ。

レッテル用語はNG

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――なるほど、自分の率直な想いが伝えられるようになると、人間関係はよくなりそうですね。

お父さん、お母さんが怒るときって、どうしても怒りの部分だけを伝えがちですよね。子どもからすると、怖いなとかまた怒られたという感覚になるけど、その怒りの元にあるのは心配や愛情です。

たとえば門限を過ぎて帰ってきたら、玄関に仁王立ちになって「遅い! 時間が守れないならスマホ取り上げるぞ!」となりがちですが、その怒りの第一次感情は「何かあったんじゃないかと思って探しに行くところだった。無事に帰ってきて安心した」ですよね。子どもにはまずそれを伝えると、「そんなに心配かけたんだ」とストレートにその気持ちが伝わります。

――第一次感情を先に伝えるのは難しいですね!

難しいですが意識していくうちにできるようになります。絶対にNGなのは、「お前はいつも時間を守らない!」とか、「あなたはいつも約束を守らない」というような、子どもを判断して伝える“レッテル用語”です。子どもはそう言われるとどんどん心を閉ざしてしまいます。第一次感情を伝えるって、親が子どもに対して赤裸々に自分を出さなきゃいけないので怖い部分もあるんですけれど、私はそれを言葉にする練習をしようと伝えています。

――それが身につくと、親子関係はどのように変わりますか?

怒りが込み上がってきても「私、今何に怒ってるんだろう。私の本当の欲求ってなんだろう」と考えるだけで、怒りのトーンが下がっていきます。そうすると、子どもに不要な言葉をかけてしまうことなく、自分の気持ちを伝えられるようになって、ママの気持ちが子どもにも伝わりやすくなりますよ。

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子育てに悩むのも、子どもを怒ってしまうのも、子どもへの愛があるからこそ。それが伝わらずにどんどん悩みが深くなっている方もいるかもしれません。今回のお話にあったように、「あなたが大切だから心配している」ことが子どもにも伝われば、子育ての悩みが軽くなりそうです。

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著者

山田かほり

山田かほり

フリーライター歴10年。読んだ人の心にふわっとした空気が流れるような記事や情報をお届けできるよう心がけています。

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