教えてくれたのは…株式会社ベネクス 商品企画部 井口さん
商品企画部の生地開発担当として生地の開発・品質管理を担当し、「心地いい」をキーワードに生地の開発に取り組む。常にお客様の声に耳を傾け、改善を繰り返しながら長く愛されるモノづくりを目指している。
パジャマは「体質に合わせて選ぶ」が正解!
みなさんは、パジャマを購入するときに何を重視して選んでいますか?
色やデザイン、価格で選ぶ方も多いかもしれませんが、快眠のためには寝室の環境や体質に合わせて、パジャマを使いわけることが大切です。
今回は、「暑がりで汗をかきやすい」「冷え性」「敏感肌」の方のパジャマの選び方のポイントについてご紹介します。
1.「暑がりで汗をかきやすい人」向きのパジャマ
素材
おすすめの素材は麻や、リヨセル、テンセルなどのセルロース混です。清涼感のある着ごこちで汗も吸ってくれるため、暑がりの方に最適です。汗をかきやすい場合は、こまめに洗濯して皮脂汚れを落とすことが望ましいので、速乾性を重視する方は、化学繊維を含む生地を選ぶのもよいと思います。化学繊維は、乾きやすいといったメリットがあります。品質表示でいうと、たとえば「リヨセル60%/ポリエステル40%」「ポリエステル50%/麻50%」などです。汚れを吸着しやすい綿は強撚糸と呼ばれる強く撚られたシャリ感のある素材であれば、暑さを感じにくいでしょう。
前回の記事でもご紹介しましたが、汗をかいて肌に張りつくのを防ぐために、サッカー・楊柳(ようりゅう)・リップルなど、凹凸感があり、サラッとした生地を選ぶことも◎です。
スタイルやデザイン
暑さで寝苦しい方には、「半袖と半ズボン」の組み合わせをおすすめします。暑がりであれば首周りは開いているのもおすすめですが、首回りに汗をかいて痒くなる方は、汗を吸収する襟つきのデザインがよいかもしれません。
また、長ズボンでも幅広のものやゆったりしたサイズを選ぶことで通気性がアップし、涼しさを感じやすくなりますよ。
2.「冷え性の人」向きのパジャマ
素材
おすすめの素材は、ダブルガーゼや夏用のシングルガーゼ素材です。通気性が高い一方で、ほかの素材と比べると生地にふっくら感があり、肌との間にすき間風を感じにくいと思います。
触れるとひんやり感を与える接触冷感の生地は、冷えにつながる可能性も考えられます。冷えが気になる場合には控えてもよいかもしれません。
スタイルやデザイン
冷えは睡眠の質を低下させてしまうので、「冷えが気になる部位を覆っていること」を意識してパジャマを選ぶとよいと思います。たとえば、足先が冷える方は「長ズボン」を履く、手や腕が冷える方は「長袖」を着るなど、自分の体質に合わせたスタイルを選びましょう。
夏用のパジャマには襟ぐりが開いたデザインが多いですが、開き過ぎると首や肩が冷えることがあります。冷え性の方には、襟ぐりが詰まったデザインのものを選ぶことをおすすめします。
レッグウォーマーや靴下を選ぶときの注意ポイント
足の冷え対策としてレッグウォーマーや靴下などを履く方もいらっしゃるかもしれません。睡眠中は足の指先から熱が放出されるため、覆われていると熱がこもりやすくなり、睡眠の質が低下する可能性が考えられます。選ぶ際には足先が開いているものを選ぶのがベストです。
3.「敏感肌の人」向きのパジャマ
素材
おすすめの素材は、綿素材のガーゼやダブルガーゼです。触ったときにシャリ感やザラつき感を感じにくいものを選ぶとよいと思います。店頭で自分で実際に触って確認してから購入するほうが、より安心です。
生地の内側の肌触りをチェック
店頭で販売されているパジャマは、多くが上下セットで束ねられており、購入前には外側の感触しか確かめない方が多いかもしれません。しかし、敏感肌の人にとっては、内側の肌触りが重要なポイント。肌に直接あたる内側の肌触りをチェックしてから購入することをおすすめします。
スタイルやデザイン
汗をかいて肌荒れしやすい方は、「長袖×長ズボン」のスタイルがおすすめです。パジャマが汗を吸収してくれるので、体の表面に汗が残りにくくなります。
締めつけ感の強いウエストゴムだと肌への刺激があるかもしれないので、肌あたりのやわらかいものを選ぶことも意識するとよいですよ。
自分の体質に合った夏用のパジャマを選び、睡眠の環境をよりよい状態に整えてみてはいかがでしょうか。ぜひ参考にされてみてくださいね!