「わが子の友だち問題」仲間外れ、万引きする子との付き合い…“親ができるサポート”とは

家族・人間関係

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2024.07.26

臨床心理士・公認心理師のyukoです。大人同士でも難しい人間関係。子どもの世界でも付き合い方に悩むときは多いでしょう。子どもが友だち付き合いで悩んでいるとき、親から見て付き合い方が心配なとき、どんな風にサポートしていけばよいのでしょうか。

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関わり方が難しい友だちとの関係。どう支えていけばいい?

子育ての難しさには「わが子と周囲の関わりをどう支えるか」という課題もあります。
友だちと喧嘩したとき、友だちの悪口を言っているとき、些細なすれ違いがあったとき。親として、どこまで口を出して、どのように支えていくのが望ましいのか、悩む方も多いよう。

特に、友だちに難しい特徴があるとき、関わり方やその助言はさらに難しくなってきます。
理解の仕方とわが子への伝え方について、考えていきます。

大人でも理解が難しい、子どもと友だちのかかわり方について

距離感が難しい子との付き合い方

距離感がつかめず、遊びにしつこく誘ってくるAちゃん。わが子はAちゃんを疎ましく思い、別の子(Bちゃん)と一緒に避けているという。「Bちゃんと一緒に逃げてるのに、Aちゃんは私たちが嫌がってること全然気づいてないんだよね」と話している。わが子がしている対応はしょうがないことなのかな?

会話する女の子たち出典:stock.adobe.com

「はっきり伝えるのはよくない」と考えるか、「嫌なことははっきり嫌と伝える」のがよいと考えるかは大人の中でも意見が分かれるところ。

子どもの間で起きる仲間外れにおいてはこのケースのように、「嫌がっているのにわかってくれなかったから」と避けたり仲間から外したりするのは多いです。

しかし、いくら相手のことが嫌だったとしても複数対一人の構図で相手を避けたら、それはいじめになりかねません。そして、困ったとき誰かを自分の味方につければ大丈夫と考える癖を身に着けてしまうのも適切ではありませんよね。

まずは、できる限り相手に自分の気持ちを伝える、どうしても伝わらない場合は先生に相談して調整を図ってもらうのもひとつと伝えるのがおすすめです。

また、親子でも「自分が苦手な子と仲良くし続けなければいけないのか」という点について考えていくのがよいでしょう。状況や関係性を踏まえてじっくり話し合いながら距離の取り方を考えていく必要があるんですね。

よく嘘をつく子との付き合い方

「Cちゃんはパパが芸能人と知り合いで、しょっちゅう家に来てるって。サインもらったり、コンサートのチケットも特別にもらえるって言ってるんだよね。でも絶対嘘ってみんなわかってるの。だから今度Cちゃんの家にみんなで行って確かめようってなってるの。」明らかに嘘をついていそうな友だち。でもわが子がやろうとしていることは正しいのかな? 何をどう伝えたらいいんだろう。

悩む親出典:stock.adobe.com

子どもはときに、大人が聞けばすぐにばれるような嘘をつくこともあります。
嘘をつく心理は様々ありますが、明確な理由はわかっていません。
ただ、心の隙間を埋めるための嘘、満たされない気持ちや不満を補償するための嘘をつく子は多いです。

子ども同士でそのような複雑さを理解していくのは難しいもの。
しかし大人は「嘘をつくのは悪いこと」と一面的にとらえるのではなく、複数の側面があることを理解しておく必要があるでしょう。

相手の嘘を突き詰めて暴くことばかりがよいわけではないこと、「そうなんだ」と言って受け流す力も少しずつ身に着けていけるとよいのではないでしょうか。

社会的なルールを守るのが難しい子との付き合い方

「ねえママ、怒らないで聞いてほしいんだけど」と打ち明ける娘。「この間Dちゃんとコンビニ行ったとき、Dちゃんが『ばれないから大丈夫』と言ってカード付きのお菓子をこっそり盗ってたの。私はやってないけど、Dちゃんが盗ったカードで遊んだり、お菓子をちょっともらったりしちゃった。」娘の友だちが万引きしていたと聞いたとき、わが子へどう注意したらいい? Dちゃんには何か言うべき?

子どもと向き合う母親出典:stock.adobe.com

社会的なルールを守りにくい子もいます。
そのような子とは「これから付き合っちゃだめ」と言い、関係を禁じる親御さんもいるでしょう。
しかし、禁止しても子ども同士の関係性をコントロールしきるのは難しく、親VS子どもの構図に陥ってしまうときもあります。

その子と付き合っていく中でどのような問題があるのか、親として何を心配しているのか、子どもに伝わる言葉で丁寧に説明していく必要があります。
また、直接その子に注意をすると家庭同士のトラブルになりやすいので、先生やスクールカウンセラーに相談するのがよいでしょう。

子ども同士の関係性を頭から否定するのではなく、一緒に悩みながら「ちょうどいい付き合い方」を模索していけるといいですよね。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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