「老害と言われたくない人」が知っておきたい“相手から煙たがられているサイン”

家族・人間関係

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2024.08.09

職場の部下や年下のママ友と話しているときに先輩風を吹かせて、後から「もしかして“老害”って思われたかも……」と不安がよぎったことはありませんか? 自分で自分の行いに気づくのは難しいものですが、相手のリアクションから自分の行動に気づくことはできるのでしょうか? コミュニケーション心理にまつわる人気書籍シリーズが100万部を突破している“話し方のプロ”五百田達成さんに、「老害と思われているときのサイン」について教えていただきます。

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教えてくれたのは……五百田達成さん

五百田達成さん

心理カウンセラー。米国CCE,Inc.認定 GCDFキャリアカウンセラー。
東京大学教養学部卒業後、角川書店、博報堂、博報堂生活総合研究所を経て、五百田達成事務所を設立。サラリーマンとしての実体験と豊富なカウンセリング実績に裏打ちされた、人間関係、コミュニケーションにまつわるアドバイスが好評。個人カウンセリング、セミナー、講演、執筆など、多岐にわたって活躍中。

書影

『話し方で老害になる人尊敬される人』
著者:五百田達成
価格:1,760円(税込)
発行所:ディスカヴァー・トゥエンティワン

自分の中にある「ソフト老害」に気づくには?

数々の人気テレビ番組を制作してきた放送作家・脚本家の鈴木おさむさんは、2024年3月末に引退した理由について、自分が「ソフト老害」になっていると思ったからと話しているそうです。いまや「老害」は、高齢者に限ったことではありません。年下と接する際には自分の言動には気をつけたいもの。40代ごろから自分の中にある「ソフト老害」に、自ら気づくことはできるのでしょうか?

コミュニケーション心理に関する人気書籍シリーズが100万部を突破している“話し方のプロ”五百田達成さんは、「自分で気づくのはなかなか難しい」としたうえで、次のようにおっしゃいます。

五百田さん 「相手から『ちょっとやめてください』と言われたり、周囲の人から『そういうことはあまり言わないほうが……』と指摘されたりすれば、わかりやすく気づけますよね。『ごめんごめん』と謝ったり、『何か気に障った?』とフォローしたりすることもできるでしょう。でも、言われた側からは、なかなか言い出しにくいものです。相手が発する“サイン”を、できるだけ見逃さないようにしたいものですね」

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もし年下と会話をしているときに、次のようなリアクションをされたときは、相手とのあいだに『距離感のバグ』を起こしてしまっている可能性が考えられます。

老害と思われているときのサイン

  • 目を逸らされる
  • 相手が言葉に詰まったり、無言になったりする
  • 相手が嫌そうな顔をする、イラっとしている
  • 自分のまわりから人が減っていくような感覚がある
  • 「やめてください」と言われる

老害・ハラスメントの原因「距離感のバグ」2つのパターン

五百田さんは、老害やハラスメントが起きるのは、「『距離感のバグ』がすべての原因」と解説します。

五百田さん 「『距離感のバグ』には2パターンあります。ひとつは、相手との距離が近すぎるパターンです。先輩風を吹かせすぎてぐいぐいアドバイスしたり、相手のプライベートな部分にもズケズケと踏み込んだり。どちらも若者から煙たがられ、うざがられることうけあいです」

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五百田さん 「『距離感のバグ』のもうひとつのパターンが、相手との距離が遠すぎるケースです。『いまって、こういうこと言っちゃいけないんでしょ』『こんなご時世だから』と若者を遠ざけて、仕事で指示するときもビシッと言えず遠回し。若者が悩んでいそうなときも決して立ち入らない。その結果、意思疎通ができずに行き違いや誤解が生まれ、相手が孤独を抱えたり、トラブルに発展したりすることもあります」

若者との適切な距離感の目安は「ワンフロア上の住人」

では、若者との「適切な距離感」とは、どのように考えたらいいのでしょうか? 五百田さんは、「同年代の取引先と話すような距離感で話すといい」とおっしゃいます。

五百田さん 「もしくは、『住んでいるマンションのワンフロア上の住人』や『よく行くお店の店員さん』と考えてみてもいいですね。そういう人たちに言わない・しないことは、若者にも言わない・しない。これを若者との接し方の目安にしてみてください。自然と、ある程度節度が保てると思います」

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五百田さん 「こういう話をすると、『若い世代は文句を言うだけ』『大変なのは年長者や上の立場の人ばかり』『もうやってられないよ!』と感じるかもしれません。そういう気持ちもわかりますが、パワーの上下構造がある以上、年長者が配慮するしかない。若者だって、年長者には敬語を使って日々気を遣っているわけですから、『私が若かったころは、もっと年長者に気を配っていたのに……』ではなく、自分から気持ちよく若者に手を差し伸べる大人でありたいものですよね」

近すぎず、遠すぎず、ちょうどいい距離感を保つことが、老害やハラスメントと言われない秘訣なのですね。次回は、「年下のママ友と接するときに気をつけたいこと」について、五百田さんに教えていただきます!

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