成長期に父親と多くの時間を過ごした子の特徴。知らなきゃ損する「お父さん効果」とは?

家族・人間関係

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2024.09.23

「うちはパパが積極的に育児を楽しんでる!」……おめでとうございます。ぜひこの記事を読んで、それがどれだけ素晴らしいことか、そしてよりよくするにはどうすればいいかを学びましょう。 「うちはパパがあんまり育児得意じゃなくて」……大丈夫。今からでも遅くありません。全力で父親と子どもが関わる時間をつくりましょう。その中でもとくにオススメな育児もご紹介します!

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知らなきゃモッタイナイ「お父さん効果」

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こんにちは。家事シェア研究家の三木です。じつは家事育児論文を日々読み漁るのがぼくのライフワークなんです。
育児についての論文は国内外問わず数え切れないほどあるのですが、「パパが育児することのメリット」を研究している論文も色々とあります。

このパパ育児のメリットのことを「お父さん効果」というのですが、これがめちゃくちゃすごい。

では一つずつ紹介していきましょう!

パパ育児で子どものIQ向上&社会的地位も向上!?

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イギリスのニューカッスル大学で行われた調査によれば、成長期に父親と多くの時間を過ごすことでそうでない子よりもIQが高くなり、父親といっしょに読書する、父親と一緒に旅行にいく経験が多い子の方が、社会的な地位が向上する傾向があるとのこと。

子どものコミュニケーション能力が爆上がりする!?

これも有名な研究ですが、アメリカの発達心理学者のカルデラ博士が、父親が育児をした幼児を調査。
その結果、

  • 我慢強く癇癪(かんしゃく)をおこしにくい
  • お願い事をよく聞いてくれるようになる
  • 人見知りせず他者と仲良くなりやすい
  • 会話への対応が早い

などの傾向がみられたとのこと。
コミュニケーションが爆上がりしてますね。さらに父親だけじゃなく、母親との関係も良好になるとのこと。家族仲がよくなるってことですね。

自尊心が高く、前向きに生きていく!?

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「お父さん効果」と言えばこの研究、というのがこれ。
アメリカ・シカゴのアン・アンド・ロバート・H・ルーリー小児病院の主治医ガーフィールド博士と、ハーバード大学医学部の臨床小児科学准教授のマイケル・ヨグマン博士による研究です。

父親が育児にかかわっている子どもの場合、

  • 言語能力が優れている
  • 自尊心が高い
  • うつや不安性になりにくい
  • 学校の成績が良い
  • 学校をズル休みしにくい
  • 10代で親になる割合が低い

との結果が。他の研究と合わせて見ても、自尊心を高く保ち、うつなどになりにくいという前向きに生きる力が高まるのはうれしい効果です。
さらに学力の向上まで見込めるのだからすごすぎます。

女の子は「変な男」に引っかかりにくくなる!

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つぎは父親と娘の育児についての研究です。ぼくも娘がいる父親なので、この研究結果は見逃せません。

アメリカ・ウェイクフォレスト大学の、リンダ・ニールセン教授の研究によると父親との関係が娘の3Mに影響を及ぼすとのこと。
3Mとは。

・お金
自分に自信が持てるようになる、主体性が高まる、自己主張ができるようになる。また起業などキャリアへのリスクへの挑戦も積極的にできるようになる、という傾向が見られ、結果的に高い収入へとつながっている。

・男性のパートナー
2歳を過ぎるころに、娘が「自分は愛されている」と実感できていることで、しきりに周囲の注目を集めようとしたり、隙間を埋めるための愛着を求めようとしなくなるとのこと。

・メンタルヘルス
父親と大騒ぎしたり、「高い高い」をしてもらったりすることで「リスクへの耐性」が育まれるという。それが自分自身をコントロールする方法を学ぶことへとつながっているとのこと。

パパは子どもとどう接すればいい?

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では、パパはどうやって子どもと接すればいいのでしょうか。オススメの接し方をご紹介します。

・一緒に旅に出よう!
ニューカッスル大学での研究結果にもあったように、パパと子が旅行に行くことは素晴らしい体験となるはずです。

・絵本を読んであげよう!
じつは、父親が子どもに絵本の読み聞かせをすると、母親の3倍の効果がある。という研究もあります(※ 米ハーバード大学のElisabeth Duursma博士研究)。とくに、言語能力の向上に効果的とのことです。

・男性ならではのパワフルな遊び!
授乳以外のほとんどの育児は、パパでもママでも同じようにできます。でも、ママよりもパパの方が(どちらかと言うと)得意な遊びと言えばやっぱりパワフルな遊びでしょう。
先に紹介した「高い高い」だったり、公園でのスポーツやかけっこ遊び、アスレチックなど。他にもキャンプなどの自然と触れ合う機会をつくるのもいいかもしれません。
こうした遊びを通して子どもは「リスク」との向き合い方を学んでいきます。


これだけ素晴らしい「お父さん効果」ですが、こうした研究結果がなくても、父母関係なく子どもと接することが家族にとって大切であることに疑いの余地はありません。

ぜひ家族みんなで育児をめいっぱい楽しみましょう!!

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著者

三木智有

三木智有

NPO法人tadaima!代表 日本唯一の家事シェア研究家/子育て家庭のためのモヨウ替えコンサルタント。著書に『家族全員自分で動く チーム家事』がある。

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