教えてくれたのは……伊藤香織さん
旭化成ホームズ株式会社 LONGLIFE総合研究所主席研究員。収納・片づけ研究20年に基づく、生活者の声と実態を見つめ、変化を続けるくらしに寄り添う収納計画を提案し、イマドキのくらしの悩みを解決するヒントを提供している。
部屋が散らかる原因は「3つの◯◯っぱなし」
リビング・ダイニングは家族が集まる場所なので、モノも集まりやすく散らかった印象になりがちです。ほかのお部屋にも言えることですが、散らかりの原因になるのは「3つの“ぱなし”」。「だしっぱなし」「おきっぱなし」「かけっぱなし」を防ぐことが、キレイなリビング・ダイニングを実現するポイントになります。
「だしっぱなし」
棚、椅子、ソファ、テーブルなど、すべての家具がモノの置き場所になり、モノが出しっぱなしになっている状態です。ダイニングテーブルの上、ダイニングチェアの上、ソファの上、対面キッチンカウンターの上、窓枠や出窓の上、買い足したカラーボックスの上などに、家族全員のモノであふれやすい傾向があります。リビング・ダイニングで多く見られる現象です。
「おきっぱなし」
箱買いした飲料水、根菜やお米などの食料品、古新聞、空きビンやペットボトルなど、ゴミや不用品がそのまま床に定着して置きっぱなしになっている状態です。置きっぱなしのモノが通路の障害物になっていることも。特にキッチンに多く見られる現象です。
「かけっぱなし」
手すりや椅子、コート掛けなどに雑多にモノが掛けっぱなしになっている状態です。何枚も重ねてかけると、下のモノが見えなくなってしまいます。リビング・ダイニングや玄関で多く見られる現象です。
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リビング・ダイニングがきれいな人が「置かないもの3選」
上記の「3つのぱなし」を踏まえて、今回は子育て世代のリビング・ダイニングで散らかりがちなアイテムを3つ、解決策と併せてご紹介します。どのアイテムも、「置く場所を定位置に決める」ことがポイントです。
1.子どものおもちゃ
乳幼児のお子さんがいるご家庭では、おもちゃや絵本の収納に悩む方も多いのではないでしょうか。もしまとまった収納スペースがない場合には、一時的におもちゃボックスを用意するのがおすすめです。お子さんが小さいうちだけと割りきって、部屋の片隅に置くとよいでしょう。お子さんが好む柄つきのデザインや、シンプルで使いやすい大きなボックスなど、種類も豊富です。
2.ランドセルや学用品
ダイニングテーブルで勉強をする習慣があるお子さんの場合、学校から帰ってくるとリビング・ダイニングにランドセルを置きがちですが、そのままではお部屋がスッキリ見えなくなってしまいます。
そこでおすすめなのが、収納できるスペースがある椅子やランドセル専用のスタンドなどのアイテムです。専用スタンドは大手通販サイトで数千円程度で購入できるものも多く、学校グッズをまとめてかけられるようになります。手軽に置くことができて便利なので、上手に取り入れてみてくださいね。
3.衣類やバッグ
お客さまからは「ソファまわりに家族が衣類やバッグを置いてしまい、片づけに困っている」という声をよく耳にします。ジャケットやコート、マフラー、帽子、大人がよく使っているバッグなども、専用の収納場所を設けることで散らかりを防ぎやすくなります。
玄関や廊下にハンガーパイプを設置して上着を掛けるスペースをつくったり、リビング・ダイニングにバッグ専用の収納スペースを設けたりするのが理想的です。出かける際にすぐ手に取れる、帰宅時に戻しやすい場所を意識すると、スムーズな生活動線を確保できます。
子どものおもちゃや衣類、バッグなどの収納場所があると、リビング・ダイニングをスッキリ保つことにもつながります。ぜひ参考にしてみてくださいね。