教えてくれたのは……伊藤香織さん
旭化成ホームズ株式会社 LONGLIFE総合研究所主席研究員。収納・片づけ研究20年に基づく、生活者の声と実態を見つめ、変化を続けるくらしに寄り添う収納計画を提案し、イマドキのくらしの悩みを解決するヒントを提供している。
多くの人が収納に困っている「キッチン」
ヘーベルハウスにお住まいの方へのアンケート結果でも、片づかなくて困っている場所ベスト5のうち、1位に「キッチン周辺」がランクインしました。買い置きの材料やレトルト食品、箱買いした飲料水など、たくさんのモノが集まるキッチンは、つい置きっぱなしが増えてしまい、散らかった印象になりがちです。
そこで押さえておきたいのが、収納方法のコツです。今回は、パントリーがない場合でも取り入れやすいコツを5つご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
1.収納スペースの「奥行」を確認する
いきなり収納グッズを買ってしまうと、サイズが合わずに使えなかったり、無理に設置してはみ出してしまい落下の危険を招いたりすることもあります。収納は「奥行」が命です。基本的なことにはなりますが、収納スペースの「奥行」をしっかり測り、サイズに合ったグッズを選ぶことが重要です。
2.「モノ」の定位置を決める
食器棚などの高さのある棚の場合は、重さや使用頻度に合わせて定位置を決めることが大切です。まずは「重いモノは下に、軽いモノは上に」収納するのが基本ルール。箱買いの飲料、ボトル調味料、お米などは最下段に置くようにしてください。中段には使用頻度が高いモノを、上段には年1回しか使わないような使用頻度が低いモノや軽いモノを収納しましょう。
3.「取り出しやすさ」「見やすさ」をポイントにする
大袋のお菓子など、かさばるものは高さがある大きめのボックスやカゴに入れるのがおすすめです。高い場所に置く場合は、持ち手つきのものを選ぶと安全に取り出しやすくなります。中身を分かりやすくしたい方は、カゴや半透明のタイプを選ぶのもおすすめです。多くの通販サイトなどで、さまざまな便利な収納グッズがあります。ご自宅に合ったものを選んでくださいね。
4.「立てて」収納する
シンク下の浅い引き出しは、缶詰、レトルト、インスタント食品など、高さがないものをストックするのに最適な場所です。中を見やすくするために、ちょうどいいサイズのカゴなどで仕切りをつくりましょう。重ねて収納すると何が入っているのかがわかりにくくなるので、立てて収納するのがおすすめ。食品ロス防止にもつながるので、賞味・消費期限を見えるようにしまうのが理想的です。
5.「ローリングストック」を意識する
奥行があるスペースで手前と奥で二重にボックスやカゴを置く場合、手前には先に使う食品を、奥側にはストック用の食品を配置すると便利です。同じ種類の食品であれば、手前が空になったタイミングで手前と奥を入れ替えることで効率的に使えます。ローリングストック方式で管理がしやすくなり、食品の回転もスムーズです。
さらに、キッチンを快適にするためには「冷蔵庫の収納」も大切です。次回の記事で詳しくご紹介します。