「読書感想文が書けない…」今年は大丈夫!“好き”から始める3つのステップ

家族・人間関係

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2025.07.13

夏休みになると毎年のように聞こえてくる「読書感想文に何を書けばいいのかわからない」という子どもたちの悩み。親としても、毎年頭を悩ませていませんか。そこで今回は、『自分の「好き」をことばにできるノート』の著者の三宅香帆さんに「読書感想文の書き方のコツ」についてお話を伺いました。

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教えてくれたのは……三宅香帆さん

三宅香帆

文芸評論家。京都市立芸術大学非常勤講師。1994年生まれ。京都大学大学院卒。京都天狼院書店元店長。著作に『人生を狂わす名著50』(ライツ社)『(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法』(笠間書院)『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』(サンクチュアリ出版)『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書)『「好き」を言語化する技術 推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない』(ディスカヴァー)など多数。

書影

自分の「好き」をことばにできるノート
著者:三宅香帆
イラスト・マンガ:伊藤ハムスター
価格:1,540円(税込)
発行所:ディスカヴァー・トゥエンティワン

読書感想文が苦手な子でも書けるようになる「3ステップ」

前回の記事では、「AI時代だからこそ磨きたい、子どもの言語化能力」についてお話を伺いました。言語化が苦手な子どもが直面する課題のひとつが、読書感想文。夏休みの宿題になることも多く「何を書いていいのかわからない」と言われて困った経験がある方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、三宅さんに読書感想文を書くコツを伺いました。以下の「3つのステップ」で、ぐんと書きやすくなるそうですよ。

読書感想文出典:stock.adobe.com

1.好きなところを見つける

三宅さん「始めから『あらすじを要約しよう』とか、『全体的な感想をとりあえず書こう』とすると、難しさを感じてしまいますよね。読書感想文を書くのが苦手なお子さんは、まずは、その本の“好きなところ”を見つけることから始めるのをおすすめします。 まずは一番好きなセリフや場面がどこかを選んでみるといいですよ。」

2.好きなところについての感想を自由に出す

三宅さん「1で選んだ好きなところに対して、自分がどう感じたかを自由に書いてみましょう。『どんなふうに思っているか』『どんなふうに感じるか』など、詳しく書いてみてください。」

3.好きなところが「共感」なのか「驚き」なのかを考える

三宅さん「好きなところが、自分にとって『共感すること』なのか『驚いたこと』なのか、どちらかに分類します。自分と近い部分があるから好きなのか(=共感)、遠いから好きなのか(=驚き)のどちらに当てはまるのかを考えて、感じたことをふくらませて書いてみましょう。」 

本は子どもの興味があるものを選んで

三宅さん「興味があるものだと書きやすいので、自分が好きな題材の本を選ぶこともポイントです。好きな本から好きなところを見つけて深掘りしていくと、読書感想文が書きやすくなりますよ。」

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三宅さんが子どもの頃によく読んでいた「お気に入りの2冊」

最後に、子どもの頃に三宅さんが何度も読み返すほどお気に入りだった本について伺いました。本選びの参考にしてみてくださいね。

本を読む子ども出典:stock.adobe.com

『そして五人がいなくなる 名探偵夢水清志郎事件ノート』はやみねかおる著/講談社

三宅さん「『自分の「好き」をことばにできるノート』の中でも、小学生のみなさんの読書感想文におすすめの本としてご紹介しましたが、はやみねかおるさんの『そして五人がいなくなる』がすごく面白くて。自分の名前や役職やごはんを食べたかどうかさえ忘れてしまう名探偵と、小学生の三つ子が繰り広げる、あるひと夏の冒険を描いたミステリー小説です。夢水清志郎シリーズは、何度も読み返しましたね。私が『本ってすごく面白いな』と思うきっかけになった1冊です。」 

『クローディアの秘密』E.L.カニグズバーグ作、松永ふみ子訳/岩波書店

三宅さん「家出をしたお姉ちゃんと弟が、メトロポリタン美術館で過ごす日々を描いたアメリカの児童文学作品です。 美術館の中で寝泊まりする中で描かれる、お姉ちゃんのリアルな気持ちがとても印象的で。児童文学の主人公はいい子ばかりなイメージでしたが、このお姉ちゃんの等身大で着飾っていない感じにすごく共感できましたね。こちらの本もすごく好きで、何度も読み返していました。」

童心にかえって、子どもと一緒に同じ本を読んで感想を伝え合ってみるのも面白そうです。読書感想文が、子どもの言語化能力を磨くひとつのきっかけになるといいですね。次回の記事では「大人が読書を習慣化するためにできること」について、お話を伺います。

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著者

shukana

shukana

小学生、幼稚園児の男の子のママ。出産前まで紳士服業界に携わり、TES(繊維製品品質管理士)の資格を取得。 暮らしをより楽しく、よりラクに過ごすための方法を日々模索中です。

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