教えてくれたのは……マインドトレーナー 田中よしこさん

株式会社コレット代表取締役。心理学、脳科学、コーチングの知見を取り入れ、「自分を本当に知る」ことをメソッド化。個人セッションやセミナーなどを中心に、潜在意識を整え、本心と「未来の理想の思考」を引き出す方法を伝えている。『モヤモヤしない考え方』(ワニブックス)/最新刊『私は私を幸せにできる』(KADOKAWA)がある。
幸福度が高い人が年末年始に実践している「5つの習慣」
年末年始は、一年をリセットし、これからの自分を整える絶好のタイミングです。今回は、自分軸を立て直すために、幸福度が高い人がこの時期に実践している「5つの習慣」をご紹介します。
1.「やりきったこと」を書き出して一年を締めくくる
私たちはつい、“できなかったこと”に意識を向けがちです。脳は、意識を向けたものを拡大する性質があると言われています。だからこそ、“できたこと”を振り返ることが、自分軸を整える第一歩になります。
「苦手なことに挑戦した」「感謝を伝えた」「無事に一年を過ごすことができた」など、些細なことでもOKです。書き出して、「頑張ったこと」「できたこと」を確認してみましょう。達成感と自己効力感が高まり、新しい年を前向きな気持ちで迎えられます。
2.「感情の棚卸し」で心をリセットする
新しい年に向けて、心の中のモヤモヤを“書き出して手放す”ことも大切です。怒り、不安、悲しみ、焦り——どんな感情も、あなたを守るために生まれたサインであり、大切な気づきを含んでいます。
心理学では、感情を言語化するだけでストレスホルモンが減少し、思考の整理が進むと言われています。「この気持ちは、もう来年にはいらない」と宣言して手放すことで、心のスペースが空き、軽やかに前へ進むことができます。
3.「人間関係のリセット」で心のスペースを空ける
年末は、モノだけでなく、人との関わりも見直すチャンスです。一緒にいると疲れる相手や、気を遣いすぎてしまう相手との関係を無理に続けると、知らないうちにエネルギーを消耗してしまいます。
大切なのは、「関係を断つ」ことではなく、「距離を整える」こと。返信を少し遅らせる、会う頻度を減らす、SNSをミュートするなど、ちょっとした工夫で心はぐっと軽くなります。その分の時間を、あなたを応援してくれる人との関係に注ぐことで、安心と信頼を感じられるつながりが育まれていきます。
脳は、ポジティブな会話によって幸せホルモンであるオキシトシンを分泌し、自分軸をしっかり支えてくれるのです。
4.「小さな目標リスト」で未来を可視化する
大きな夢を描くことも大切ですが、行動を起こすためには“小さな目標”を設定することが効果的です。たとえば、「月に1回好きな場所へ出かける」「1日10分、自分のための時間を取る」など、実現しやすい行動をリスト化してみましょう。
小さな成功体験を積み重ねるたびに、脳に「私はできる」という記憶が刻まれ、自己肯定感と行動力が自然に高まっていきます。
5.「静かな時間」を味わう
予定を詰め込みすぎず、半日だけでも“何もしない日”をつくってみてください。情報から離れて静寂の中で過ごす時間は、脳の“デフォルト・モード・ネットワーク(何もしていないときに活性化する脳の働き)”を刺激し、自己理解や創造性を高めると言われています。お風呂にゆっくり浸かるなどの過ごし方も、おすすめです。
何も予定のない静かな時間は、自分を整える最も大切な時間であり、ときに思いがけない気づきをもたらしてくれる、かけがえのないひとときになります。
「わたし」を整えて、新しい始まりを迎える
やりきった自分を認め、感情を整え、関係を見直し、小さな目標と静かな時間を大切にする。それが、“自分軸”を立て直す新年の迎え方です。
他人ではなく、自分の心が喜ぶ選択を重ねていくことで、2026年はきっと、あなた史上もっとも穏やかで幸せな一年になるはずですよ。





