教えてくれたのは……マインドトレーナー 田中よしこさん

株式会社コレット代表取締役。心理学、脳科学、コーチングの知見を取り入れ、「自分を本当に知る」ことをメソッド化。個人セッションやセミナーなどを中心に、潜在意識を整え、本心と「未来の理想の思考」を引き出す方法を伝えている。『モヤモヤしない考え方』(ワニブックス)/最新刊『私は私を幸せにできる』(KADOKAWA)がある。
自己肯定感を下げない「ひとり時間の使い方」4つの秘訣
「お誘いを断ってしまった」「誰とも話さず一日が終わってしまった」。 梅雨の湿り気とともに、ふとそんな孤独感や罪悪感に襲われることはありませんか?
人生の時間の中でそんなときがあるのは、とても自然なこと。むしろ、自分の内側を整えるきっかけになることさえあります。今回は、ひとり時間を楽しみながら、自己肯定感を高めていくための4つの秘訣をお伝えします。
1.「孤独」を「内省という贅沢」に変換する
「誰にも会いたくない」という気持ちは、心が“外の世界へのサービス”を一時停止し、自分自身のケアを優先したがっているサインかもしれません。そのサインを社会性の欠如と責めるのではなく、自分との対話を楽しむ贅沢な時間と捉え直してみましょう。
誰にも邪魔されず、自分の好きな温度の飲み物を用意し、自分のペースで思考を巡らせる。この“孤独を楽しむ力”は、大人だからこそ味わえる成熟した幸福感ではないでしょうか。
実際、自分らしい成功を手にしている人ほど、意識的にひとり時間をつくり、大切にしています。「私も成熟しているな」と、誰にも会いたくない時間を慈しんで過ごしてください。
2.「孤独」と「孤立」を切り離して考える
「ひとり=寂しい、みじめ」と感じてしまうのは、孤独と孤立を混同してしまっているからです。孤立は社会から切り離されてしまう状態のことを指しますが、孤独は“自分の意志で選べる状態”です。
幸福度が高い人は、「今はあえて、つながりをオフにしているだけ」という主体性を持っています。たとえ誰とも会わない日があっても、心の中で誰かを大切に思っていたり、好きな本や音楽とつながっていたりすれば、それは豊かな孤独です。「つながりを選べる自由を楽しんでいる」「無理をしない自分が好き」。こうした感情も、丁寧に受け止めてあげてくださいね。
3.五感を満たす「デトックス時間」を意識する
人と会うことは、視覚や聴覚など多くのエネルギーを消費します。ひとり時間は、その疲れた五感をそっとリセットする絶好の機会です。
「お気に入りの精油を垂らしてゆっくり入浴する」「肌触りのいいパジャマに着替える」「窓を打つ雨音だけをじっと聴く」。誰かに見せるためではなく、“自分が心地よいと感じること”だけに全神経を向けてみてください。五感が満たされると、脳は「自分を大切に扱っている」と認識し、内側からじんわりと潤いを満たしてくれますよ。
4.過去でも未来でもなく「今」に没頭する
ひとりでいると、つい「あのとき〇〇すればよかった」「やっぱり〇〇だったかも」といった後悔や、将来への不安が浮かびやすくなります。そんなときこそ、写経のように文字をなぞる、無心で野菜を刻む、植物の手入れをするなど、「今、この瞬間」に集中できる作業を取り入れてみましょう。
“今”に没頭する時間は、脳を休息させ、自己否定的な思考のループを止めてくれます。そもそも、私たちが実際に対処できるのは、“今できること”だけ。だからこそ、「今、気持ちが軽くなるためにできることは何だろう?」と視点を切り替え、何かひとつ作業をしてみてください。終わった後のスッキリとした感覚は、「自分で思考を切り替えて、自分の時間を有意義に過ごせた」という解釈に変えていくことができます。
心のシャッターは「守るため」にある
「人に会いたくない」と感じるのは、それだけあなたが普段から周囲に気を配り、一生懸命に生きてきた証拠です。 そして、どこか無理をしていることに気づかせてくれているサインでもあります。心のシャッターを下ろすのは、大切な自分を守るための正当な防衛反応。無理に開ける必要はありません。
雨が降る日は、大地が水分を蓄える時間。あなたにとっても、今のひとり時間は、次に誰かと笑顔で会うための“心の貯水”をしている大切なひとときです。 その静かな時間を、自分への一番のプレゼントとして、丁寧に過ごしてくださいね。





