会話はあるのに、一人の感じがする。
小5の娘。家では、「学校どうだった?」「宿題終わった?」「今日の給食何だった?」などの質問に答えたり、習い事や友達の話もしている。しかし保護者面談で、「家にいてもなんだか一人の感じがする」と先生に話していたと言われた。会話は普通にしているつもりだし、家族仲も悪くない。なぜ、娘はそんな風に感じてしまったのだろう。
家族といるのに、会話はあるのに、なぜか満たされず孤独を感じる。
そのように感じる子どもは少なくありません。
その背景には、会話の量ではなく、「どんな会話をしているか」が大きく関係しています。
子どもが感じている気持ち、家族の会話の見直し方を考えてみます。
会話はあるのに孤独を感じる子どもたち
高学年になると、親子の会話は自然と「情報交換」が中心になります。
学校の予定、宿題、習い事、友達との約束、テスト。
親子にとって必要な会話ですし、決して悪いことではありません。
ただ、この時期に見落としがちなのが、子どもの頭の中に広がる世界です。
「なんで人は仲良くなったり嫌いになったりするんだろう」
「自分ってどんな人なんだろう」
「うちの家族は普通なのかな? 普通ってそもそもなんだ?」
このような‟子どもの内側の世界”が豊かになっていく時期なんですね。
そんな時期に家庭で、事実ベースの会話(何をしたか、今後のスケジュール、情報交換)しかないと、気持ちが取り残されているような孤独感に繋がることがあるんです。
子どもの「内側の世界」とつながるために家庭でできること
「今日何があった?」ではなく「今日どんなことを考えていた?」
出来事だけではなく、頭の中を共有するためには、どんな聞き方がよいのでしょうか。
たとえば、
- 「最近、なんでだろうって思ったことある?」
- 「ちょっとぼんやりしてるとき、どんなこと考えてる?」
- 「クラスの友達とはどんなこと話してる?」
と聞いてみる。
すると、
- 「6年生になると急に、もう6年生だからってなんで言われるんだろうって思ってた」
- 「雨、いやだなって。早く外でサッカーしたいな」
- 「今度新しく出るゲームソフトの話とか」
など、その子らしい世界が見えてきます。
「何をしたか」という会話だけでは、出来事を確認して終わってしまいがちですが、「何を考えていたか」を共有できるとさらに話が広がることも多いんです。
「答えがない話」をする
- 宿題をどうするか
- スマホをどうするか
- 塾をどうするか
忙しく過ごしていると、家庭の会話は、現実的で解決を目指す話が増えがちに。
週末のちょっとゆったりした時間や、車での移動中に、
- 「大人と子ども、どっちが楽しそう?」
- 「お友達には、どんな推しがいるの?」
- 「もし世界のどこでも行けるとしたらどこに行きたい?」
など、答えのない会話をしてみてください。
単なる雑談に思えますが、学校でも家庭でも正解を求められる場面が多い子どもたちにとって、こうした余白のある会話が意外と貴重なのです。
「相談される」のを待つより、「意見募集」をする
子どもに、「何かあったら相談してね」と伝えている親御さんは多いと思います。
もちろん大切なことです。
一方で、親子が「相談する子ども」と「相談にのる親」だけではない関係を築けると、思春期以降も関わりやすくなります。
そこでおすすめなのが、親の方から意見を聞いてみること。
たとえば、
- 「会社の偉い人と会うんだけど、服どっちがいいと思う?」
- 「職場でこんなことがあったんだけど、どう思う?」
- 「このニュース見て、ママは少し悲しくなっちゃった。〇〇はどう感じた?」
など、意見を求められることで、家族の中で一人の人として扱われている感覚が生まれます。
対等に扱われ始めていること、考えを言葉にする機会が作れることは、自己理解や自己肯定感にもつながる大切な経験にもなってくるんですね。
孤独を減らすのは会話量ではなく「内側の共有」
大人になっても、「家族といるのに寂しい」「友達といるのに孤独」と感じる場面はあるでしょう。
そんなときに足りていないのは会話量ではなく、「内側の共有」かもしれません。
子どもの内側の世界が、家族との会話の中に少しずつ登場すること。
高学年の子どもにとって、それは「自分はここにいていい」と感じられる大切な安心感に繋がっていくんですね。



