中学受験で夫婦の意見が合わない…「受験する・しない」の前に夫婦で話し合いたい【3つのこと】

家族・人間関係

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2026.08.15

臨床心理士・公認心理師のyukoです。中学受験を考え始めると夫婦の価値観の違いが表面化することがあります。「受験させたい親」と「受験を急がなくてもいいと考える親」は対立しているように見えて、実は守りたいものが違うだけかもしれません。子どもを板挟みにしないための話し合い方や、家庭で意識したい関わり方を考えていきます。

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子どもの受験話が夫婦喧嘩に

息子ももう小3。周りでは中学受験を考え始める家庭が増え、教育系のSNSや説明会を見るたびに「そろそろ塾を探した方がいいのかな」と考えるようになってきた。しかし夫は「本人がやりたいなら応援するけど、まだ小3だし、そこまで急がなくても」と乗り気でない。息子に「受験してみたい?」と聞くと、「どっちでもいい」と一言。その答えをきっかけに、「危機感がなさすぎる」、「受験ありきで考えすぎじゃない?」と夫婦で言い合いになっているとき、どう決めていけばよい?

夫婦喧嘩の様子出典:stock.adobe.com

幼稚園や小学校受験は、親が先導して決める家庭が多いですが、中学受験は難しいところ。
小学生になると、自分なりの考えや意思も持つようになりますが、受験をするかしないか子どもだけに決断を委ねるのは難しいもの。

夫婦で意見が異なるとき、どう考えていけばよいのでしょうか。

まずは夫婦が守りたいものを話し合う

夫婦が、「子どもに受験させるかどうか」で対立しているとき、背景には「それぞれが守りたいもの」が隠れています。

たとえば、一方の親は

「中高一貫校で自分の好きなことを時間をかけて思いきり楽しんでほしい。」
「受験した子を見て、あとからやっておけばよかったと後悔してほしくない。」

もう一方の親は

「小学生の今しかできない経験を大切にしてほしい。」
「厳しい受験勉強で自己肯定感を失ってほしくない。」

どちらも子どもを思っているからこその考えです。
ただ、その「守りたいもの」を共有しないまま「受験する・しない」だけを話し合うと、お互いに「心配しすぎ」「無責任」と受け取ってしまいます。

だからこそ、受験方針を決める前に、"自分は子どもの何を守りたいのか"を言葉にして伝えるのが、夫婦の話し合いの第一歩になります。

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「受験する・しない」を決める前に夫婦で話したいこと

「この子に何を大切にしてほしいか」を話す

守りたいものを確認したあとは、「私たちはこれから、この子の何を大切にしたいんだろう」と考えてみるのが大切です。

たとえば、

  • 「選択肢を広げてあげたい。」
  • 「友達と遊ぶ時間を残してあげたい。」
  • 「努力する経験をしてほしい。」
  • 「自信を失わないでほしい。」

会話する夫婦出典:stock.adobe.com

夫婦の考えが一致していること、それぞれが大切にしたいこと、譲れないことを整理してみると、「受験」という一つの手段だけにとらわれず、話し合いやすくなります。

「受験の話をしない時間」を意識的につくる

受験を考え始めると、家庭の会話は一気に勉強中心になりがちです。
「塾のカリキュラムはどうするか」「今の偏差値は?」「習い事はどうしていく?」など、一気に受験モードに入ってしまいます。

そこでおすすめなのは、受験や勉強、進路について話さない時間を設けること。

  • 週末の夜は今まで通り家族でゲームをする。
  • 夜ごはんのときは、最近ハマっていることや友達の話を聞く。
  • ドライブしているときは、家族全員楽しめる話題にする。

受験から意識的に距離を置く時間を作ることで、「この子は受験生である前に、一人の子どもなんだ」という視点を保ちやすくなります。

子どもの前で、相手の教育方針を否定しない

夫婦で考えが違うと、「お父さんは勉強なんてしなくていいって言うけどね」、「お母さんは受験のことばかり考えてるから」と、つい相手の考えを子どもの前で評価してしまうことがあります。

すると子どもは、「どちらの味方をすればいいんだろう」という立場に置かれます。
親に気を遣い始めると、「受験したい」「やっぱり受験しなくていい」と、自分の本音ではなく、親が喜びそうな答えを選びやすくなります。

夫婦で意見が違うことを隠す必要はありません。
大切なのは、その違いを子どもに背負わせないこと。

  • 「お父さんは、小学生らしい時間を大事にしたいと思っているんだよね」
  • 「お母さんは、将来の選択肢を増やしたいと思っているんだ」
  • 「だから今はちょっと考える時間だね」

などと、親がどういう気持ちを持っているのかを伝えておくくらいの距離感がおすすめです。

会話する親子出典:stock.adobe.com

子どもに「どちらが正しいか」を考えさせるのではなく、「今はこういう状況なんだ」くらいに留めるのが大切なんですね。

受験は数年間の出来事ですが、受験が終わったあとも、親子関係や夫婦関係は続いていきます。
だからこそ、「どちらが正しいか」を決めるのではなく、「何を大切にしていきたいか」を共有することが重要。
「受験をする、しない」の決断以上に、「うちは大事なことを家族で話し合えている」という経験こそが、子どもにとって長く残る財産になるのではないでしょうか。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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