その子は本当に「よい友達」?
最近娘がよく話題にするAちゃん。娘は「その子すごく優しいんだよ」と話すものの、時折違和感を覚える。髪を切った次の日に、「髪型かわいいね」と言われたあと「でも私だったらしないかな」と笑われた。またある日は「一緒に帰ろう」と誘われたので待っていたのに、気づけば娘だけ置いて先に行かれていた。親として「その子と距離を置いたら?」と言うのも違う気がする。この違和感はなんだろう。
いじめられているわけではないし、はっきりと嫌われているわけでもなさそう。しかし、違和感が積み重なる。
その違和感の背景には、「フレネミー」と呼ばれるような関係性があるのかもしれません。
「フレネミー」とはどのような関係なのかを知り、子どもを守る方法を考えます。
「違和感が積み重なる関係」に目を向ける
「フレネミー(friend+enemy)」とは、友達のように接しながら、相手を傷つけたり支配したりする人や、そのような関係を表す言葉です。
たとえば、
- 褒められているはずなのに、なぜか傷つく。
- 一緒にいる日は楽しいのに、帰るとどっと疲れる。
- 仲間に入れてくれる日もあれば、急に冷たくなる。
- 「冗談だよ」と言われると、何も返せなくなる。
ひとつひとつは小さな出来事で、相手を嫌いになるほどではないけど違和感が積み重なっていく関係。
優しい子ほど「私が気にしすぎなのかな」「悪い子じゃないし」と、自分の感じた違和感を打ち消そうとします。
ここで大切なのは、「相手が悪い子かどうか」を見極めることではありません。
自分がその関係の中で、どんな気持ちになっているかに気づけることです。
子どもが違和感を感じているとき、家庭でできる関わりを考えてみます。
「違和感に気づく力」を育てるために家庭でできる3つのこと
1. 「その子はどんな子?」ではなく「一緒にいる自分はどんな感じ?」と聞く
子どもが友達の話をしたとき、親はつい「その子って優しい子なの?」「また嫌なこと言われたの?」など、相手を評価する質問をしてしまいがち。
しかし、それよりも大切なのは、相手を評価することよりも、子ども自身の感覚に目を向けることです。
たとえば、
- 「その子と遊んだ帰りはどんな気持ち?」
- 「その子といると、自分らしく話せてる感じはある?」
- 「一緒にいるとホッとする? 気を遣う?」
このような聞き方で、子どもが自分の心を観察できるよう促せるとよいでしょう。
2. 違和感があった瞬間を一緒に探す
なんとなく嫌だったと感じても、理由が整理できていないケースも多いです。
そんなときは、
- 「いつから楽しくないなあって感じてた?」
- 「引っかかる一言があって気持ちが変わった?」
- 「帰る頃にはどんな気分だった?」
と、一緒にそのときの出来事を振り返ってみます。
すると、「そういえば、その一言を言われてからだった」「みんなで笑っていたけど、自分だけ笑えなかった」などと、子ども自身も違和感の正体に気づき始めます。
曖昧なモヤモヤを言語化することで、自分の気持ちに気づいていけるんですね。
3. 「その子以外の世界」も一緒に広げる
特定の友達との関係が苦しくなる子ほど、その友達との関係が、子どもの中で大きな割合を占めてしまうことがあります。
だからこそ親が意識したいのは、「その子とどう付き合うか」だけを考え続けないこと。
たとえば、
- 「久しぶりに〇〇ちゃん親子と遊ぶのはどうかな」
- 「習い事の友達とはどう?」
- 「いとこと遊ぶ予定を入れてみようか」
など、少しずつ別の人間関係にも目を向けられる機会をつくります。
特定の友達との関係だけが、自分の世界のすべてにならないことで、子どもの心に余裕が生まれるんですね。
フレネミーのような関係性は、外からは見抜きにくいものです。
単に「性格の悪い子」ではなく、関係性の中で、相手を傷つける言動が生まれているケースもあるからです。
だからこそ、「悪い友達を見つける力」を育てようとするよりも、「自分の違和感を大切にする力」を育てることが、子ども自身を守っていきます。
自分の心が送ってくれる小さなサインに気づき、言葉にし、必要なときには周囲に相談する力を育てていけるといいですよね。



