ノートの枠を超えた「人生の相棒」
ノートを開くと、自分と向き合う時間が生まれる。
「トラベラーズノート」は、単なるスケジュール管理やメモの道具ではない。
もうひとつ加えて言うなら「旅行記録のためのノート」でもない。
「毎日を旅するように過ごす」というコンセプトのもと、使い手をやさしく受け止める1冊だ。
独特の世界観

中目黒や京都の専門店「トラベラーズファクトリー」には、外国人のお客さんも多く、海外ブランドだと思われることも多いのだとか。
デザインフィル広報担当の中村雅美さんは、そんなブランドイメージについて
「タイ製の革カバーが持つプリミティブなたたずまいと、日本製の高品質なリフィルが醸し出す雰囲気が相まって、どこか『無国籍』な海外ブランドのように捉えられているのかもしれません」
高価なノートが果たして売れるのか?

今でこそ世界中にファンを持つプロダクトに成長したものの、その誕生の裏には意外なストーリーが潜んでいた。
ネックとなったのは、当時1冊100円程度のノートが主流だった時代に、革カバーとリフィルのセットが約3,000円という価格設定。
しかし、企業向けの展示会イベントでは予想外の注目を浴びたのだという。

「売れる確証はどこにもなかったのに、結果はありがたいことに完売でした」と、中村さん。この成果を受け、「トラベラーズノート」は、2006年に一般発売された。
「カスタマイズ」の楽しさ

「トラベラーズノート」の大きな魅力は、「何でも受け止めてくれるところ」。
「書く人」たち、ひとりひとりのニーズに合わせて、画用紙や軽量紙、ジャバラリフィルなど25種類以上が揃う。それに加えて豊富なアイテムやチャームを組み合わせると無限の「カスタマイズ」の楽しさが味わえる。
手帳好きのひとに人気の2027年版ダイアリーリフィルも今月発売された。
「旅と絵の記録」

広報として、日々「ものづくり」とユーザーをつなぐ役割に情熱を注ぐ中村さんも、愛用者のひとり。
気ままなひとり旅や裏路地散策、山登りを趣味とする彼女は、旅先で見かけた風景や職人の姿をパスポートサイズの「トラベラーズノート」に描き留めている。

ブラスボールペンで下描きをし、水彩絵の具で色を乗せるひとときは、旅の思い出をより鮮明に刻む時間。「自社のプロダクトを通じて、誰かがしあわせな気持ちになったり、笑顔になったりしてほしい」という想いのもと、自身もノートを通じて日常と旅をより充実させている。
シンプルだからこそ、旅先のチケットを挟んだり、日々の出来事を走り書きするだけでもカッコいい。
自らの1冊を手にして「革カバーに刻まれる傷すらも、自分だけの歴史だと思うと愛おしくて」と、語る姿が印象的だった。
歴史を刻む「トラベラーズファクトリー京都」

関西初のフラッグシップショップとして新風館にオープンした「トラベラーズファクトリー京都」は、まさにものづくりの原点を感じさせる空間。
旧京都中央電話局の美しい建物を活かした店内には、味わい深い素材が随所に活用されている。

レジカウンターには京都の神社仏閣専門のとび職から提供された足場材が使用され、歴史を重ねてきた素材たちの温かみと職人たちの仕事に懸けるスピリッツが、訪れる人を迎えてくれる。
ここでしか出会えない時間
店内には限定の「KYOTO EDITION」だけでなく、自分だけの物語を紡ぐための贅沢な空間が用意されている。 心地よいソファでゆったりとノートと向き合う時間は、慌ただしい日常を解きほぐす至福のひととき。 使い込むほどに手に馴染む革の温もりを感じながら、今日はどんな言葉や想いを綴ろうか——そんな愛おしい空想がふくらんでいく。
◆トラベラーズカンパニー https://www.travelers-company.com/
◆トラベラーズファクトリー https://www.travelers-factory.com/


