「諦めた」人だけが、時間と上手に付き合えるようになる
まず最初にお伝えしたいのが「諦めよう」ということ。
一昔前に「諦めないで!」と宝塚女優さんが笑顔で訴えるCMが話題になりましたが、まったく逆。
そもそも「諦める」とは、「やらない」「逃げる」という意味ではありません。
「諦(てい)」とは、真実を明らかにするという意味の言葉。また、もともと仏教用語でもあった「あきらめる」とは諦の字のごとく観察を持ってはっきりとさせることや、真理を意味すると言います。
時間と上手に付き合うためには、この「諦める」こそが大事。そしてそれには2つの意味があります。
- 自分が何にどのくらい時間を使っているのかを「明らかにする」
- 時間の枠内に入れる事柄を「諦める(取捨選択する)」
時間との付き合い方をもっと上手にしたい。そう思った際、ぼくがまず取り組んだのは「ログ」を取るということでした。
時間ログ:自分の時間を明らかにする
自分が何にどのくらい時間を使っているのかを知ることこそ、最初の一歩。
ぼくは17時に仕事を終えるために、まずは徹底的にログを取りました。
ちなみに、時間が不規則になったりうまく使えてないなと感じるようになると、いまでも1週間ほどログを取るようにしています。
ぼくは「TimeCrowd」(https://timecrowd.net/)というアプリを使ってログを取っていますが、これは何だって構いません。
手書きの手帳でもいいし、自分が使っているカレンダーアプリでも。
ポイントは、時間のカテゴライズ。
自分が明らかにしたい時間をカテゴリーとしてまとめるようにします。
・仕事
・打ち合わせ
・執筆
・家事育児
・トレーニング
・読書
・プライベート
ぼくはこのようにまとめています。人によっては「家事」「育児」を分けたり「料理」「洗濯」「掃除」とさらに細かくするのもあり。
これによって、自分が「料理に時間がすごくかかってるな」とか「掃除って意外とやり始めると短時間で終わってるな」など分かるように。
1〜2週間。寝ている時間以外はなるべくログを取るようにします。
そうするとおおよその自分の時間パターンが見えてきます。
これがめちゃくちゃ気づきが多い。「なんでこんなに毎日追われるような不安があるんだろう」と思っているような場合、その理由がかなりはっきりと分かることになる。
時間割を作る:事柄の取捨選択
時間ログと同時、またはログを取った後に時間割を作成します。
ログを取り始めると「この時間にこれをやってる」が可視化されます。なので、それを元に時間割を作っていきます。
時間割作りのステップ1:大枠を決める
「睡眠」「お迎え」「仕事」など大きな枠から決めていく。
ぼくは睡眠時間を削ると、翌日ずっと調子が悪い。そもそも40歳を過ぎたら睡眠時間や自分の健康を削って「がんばる!」があまりかっこいい事とは思えなくなってしまったのです。
だからまず、睡眠時間を確保。これは心身の健康のための保険引き落としみたいなイメージ。
「睡眠枠」22時30分〜6時:7.5時間
「朝家事枠」6時〜8時:2時間
「仕事枠」9時〜17時:8時間
「夜家事枠」17時〜19時:2時間
「読書枠」21時30分〜22時30分:1時間
他にも「お迎え」とか「学校の行事」などもアポイントメントのように時間を確保していきます。
時間割作りのステップ2:枠の中に事柄を入れていく
枠を決めたら、その枠内で何をするかを決めていきます。
ここでもうひとつの「諦める」が重要になります。
時間はもちろん、自分が作業できるスピードや、体力にも限界がある。
だから「1日で5本の原稿を仕上げるぞ!」と思っても、ぼくには無理なんです。
仕事に限らず、朝の2時間で朝食、お弁当作り、食器洗い、洗濯物を回して干す、子どもの身支度、連絡帳書き、ゴミ捨て、自分の身支度などなどなど。すべてを詰め込んで「時間がない!」「時短家事しなきゃ!」「時間通りに終わらないなんて、わたしはなんでできないんだろう」と考えるなんて無理ゲーです。
かといって「時間がないから朝4時に起きよう」が、無謀なチャレンジなのは前回お話したとおり。
だから「取捨選択」が必要なんです。
やらなくていいことはないか?
他の時間にずらせることはないか?
時間の枠の中で、確実にできることをしっかりとやるほうが、ずっと時間と仲良くなれます。
最後に最も大切なこと。
それは、決めた時間割をまずは徹底的に守ること。
時間割なんて、いくら決めても無視してしまえば全く無意味です。
時間内に終わらない場合も、切り上げて、続きをいつやるか再調整していくようにします。
そうすることで、どんどん自分の時間見積もりが正確になり、時間の枠の中にどのようにしてやるべきことを入れていけばいいかが分かるようになります。
時間割は一度作って終わりではなく、何度も書き換えることに意味がある。
忙しい毎日ですが、ぜひ時間と仲良くなっていきましょう。