「時間がない!」と苦しかった時期
まず最初に、ぼく自身が「時間がない!」となぜ苦しんでいたのかを少しお話します。
わが家は子どもが0歳の頃から保育園に預けて、共働きをしていました。
保育園のお迎えは18時まで。妻はお迎えまでに会社から1時間ほどかかります。一方、在宅で仕事をしていたぼくは、家から徒歩30秒でお迎えに行けます。だったら、ぼくがお迎えを担当する方が合理的だよね、ということに。
ところが、それまで20時、21時まで仕事するのが当たり前で、その後も寝るまでずっとパソコンをいじりながら仕事をしている生活だったぼくは「とてもじゃないけど18時までに終えられない」と絶望しました。
18時になればお迎えには行くものの、仕事は終わってない。
でも、その後は子どものお世話や夕飯の支度、寝かしつけ、夜泣きと、じっくり仕事をすることもできません。
それから1〜2年は、目まぐるしく「時間がない」と悩み続けていました。
それでも少しずつ工夫して、今では仕事は一日5時間ほど、睡眠は毎日7時間〜8時間を確保しつつ、大好きな本を読んだり、英語の勉強をしたり、趣味の仏像巡りも楽しんでます。もちろん、家事育児に、娘の学校行事も全参加。先日は学校行事の富士登山も一緒に行き、好きなことを語るプレゼン大会にも参加しました。
もう普段は「時間がない!」と悩むことは、ほとんどなくなりました。
子どもや家族が体調不良になったり、仕事が繁忙期になったりすれば「しんどい」となりますが、一過性の台風みたいなもの。その時期さえ乗り切ればまた普段どおりの時間が戻ってくると思えるので、がんばれます。
でもぼくは、残念ながらいわゆるハイパフォーマーでも、ショートスリーパーでも(7時間は絶対寝たい!)、集中力おばけでもありません。
1つだけ時間を使う上で有利かなと思うのは、フリーランスであるという点くらいでしょうか。
仕事の時間が自分の裁量で調整できるのは利点ですが、収入などに直結するので単純に「時短できていいね」というわけではありませんが。
と、言うことで。
ぼくが時間に困らなくなるまでには、いくつかの気付きと工夫がありました。
「時間の枠」を増やそうとすると失敗する
子どもがまだ小さかった頃。まず最初にやった時間術は「超早朝時間の活用」でした。
やったことがある人も多いかもしれません。朝の3時とか4時とかに起きて、そこから自分の時間を数時間過ごす方法。
子どもが小さかった頃は、19時過ぎには寝かしつけをするようにしていました。
なぜ寝かしつけ後に起きて自分の時間としなかったのか。それには理由があります。
それは寝かしつけ後に自分の時間を過ごそうと思うと、なかなか眠らない子どもへのイライラが高まると気づいたから。
「早く寝てくれないかな、この後仕事したいのに!」そう子どもを責めたくなってしまう。責めたって意味なんかないのに。
また、子どもと一緒にウトウトしかけているのに、その後起き上がるのがかなりシンドかったのです。
だから、一緒に寝てしまって朝早く起きてやろう。そう考えました。
それから朝4時起き生活がスタート。
最初の1年くらいは、この方法もうまく行っていました。
ただ、子どもの成長とともに就寝時間も後ろ倒しに。さらにまだ日も当たらない真っ暗な中起きるのが辛くなってしまいました。
そして、わが家は寝かしつけは夫婦で1日交代なのですが寝かしつけのない日は遅くまで起きてしまうので、だんだん睡眠のリズムがめちゃくちゃに。朝起きてもスッキリとしない日々に限界を感じ、辞めてしまいました。
同じように、早朝時間の活用で「うまくいかなかった!」って人も多いかもしれません。
このときに自分で確信したことがひとつあります。
この気付きが、その後のぼくの時間の使い方をガラリと変えるきっかけになりました。
それは。
「時間の枠」を増やそうとしない。
ということです。
「時間の枠」より、中に何を入れるか
時間は1日24時間。この枠は増やしようがありません。でも「時間がない」と焦りだすと、以下を削って時間を捻出しようとしてしまいます。
・睡眠時間
・自分のための時間
・家族で過ごす時間
・のんびりする時間
睡眠時間を1時間、自分のための時間を1時間削れば、空き時間が2時間生まれる。そうやって時間の枠を増やして、仕事をしようとしてしまう。
このように時間の枠を調整することで、時間管理しようとするとろくな事になりません。
睡眠不足、ストレス、消耗するような日々、充実感のない生活。
心身の健康のためには必要な時間を削ることで、毎日がつまらないというデメリットを受けてしまったのです。
大切なのは「時間の枠」を増やそうとするのではなく、決められた枠の中に、何を入れていくのか。
時間術は、自分の「やりたいこと」から時間を算出するのではなく。
確保した「時間の枠」の中に、「本当に大切な『やりたいこと』」を入れていく、取捨選択の技術だと思ったのです。
そのことに気がついてから、時間の使い方がどんどん変わっていきました。
さて「時間との関わり方」について、今回は序章となります。
次回は、これに気づいて、具体的にどんな工夫をしてきたのかについてお話したいと思います。