「うるさいなぁ…ほっといて!」思春期の子どもが反発する3つの理由と対処法

家族・人間関係

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 「うるさいなぁ…ほっといて!」思春期の子どもが反発する3つの理由と対処法

2022.12.12

臨床心理士・公認心理師のyukoです。数年前まで「お母さん見て見て!」と駆け寄ってきて色んな話をしてくれていたのに。今は話しかけても無視してきたり、「あっそ」「別に」の返答ばかり。なぜ、思春期にさしかかるとコミュニケーションが難しくなるのでしょうか。ついやってしまいがちな失敗例を交えながら、子どもとの接し方を考えてみます。

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あんなにかわいかったのに……

「うるさい、ほっといて」「恥ずかしいから隣を歩かないで」
そんな風に言われるときもあれば、何か話しかけても「別に」「どっちでもいい」だけだったり。
小さい頃からかわいがってきた我が子が、どんどんわからない人間になっていくのは、寂しくて怖い気持ちにもなるものです。

悩む女性出典:stock.adobe.com

小学校中学年あたりから、親の指示には従わなくなったり、反発するようになる子が増えてきます。要求が通らないと「もういい」と話し合いを避け、日常会話まで減ってしまうときも。

なぜ思春期にさしかかると、コミュニケ―ションが難しくなってくるのでしょうか。

思春期の子とのコミュニケーションが難しくなる3つの理由

親には言いたくない悩みや秘密が増えるから

  • 部活の友人関係が上手くいっていないとき、「〇〇君のお母さんと会ったよ、〇〇君家ではね…」などと話題を振られる。
  • 勉強面で周りと比較して落ち込んでいるときに「ちゃんと勉強してるの?」と言われる。

年齢が上がってくると、親には言いたくない悩みや秘密があるのは当然。
悩みに触れられたり、先回りして指摘されると、敏感に反応して苛立ちやすいものです。

親に反抗する娘出典:stock.adobe.com

イライラしていたり悶々としている様子を見ると、心配して声をかけたくなりますが、余計に反発を生んでしまうときも。
また、「あんたまた先生に怒られたんだって?」「お母さんも友達関係悩んだことあったわ」など、外から聞いた情報や一部のキーワードから踏み込もうとするのも危険なんです。

「なんでも共有できる親子の関係」から、「1人の人としてプライバシーを守り合う関係」へのシフトが必要です。

友人や先輩など第三者の影響力が大きくなるから

小学校中学年~高学年になると、習い事や部活動で忙しくなり、平日は家でご飯を食べて寝るだけの子も増えてきます。休日も友人と遊びに行くと、少しずつ家族との距離が開いてきますよね。

加えて、家族よりも第三者の言葉の方が響くようになり、親と意見が衝突しやすくなるんです。

親の意向に沿わなくなり子どもに反抗されると、つい親側も「勝手にしろ」などと感情的になるときも。手を離れていく寂しさや、今までの子育てが合っていたかどうか、不安になって言ってしまう面もあるんだと思います。

”ああ、自分もこんな時期あったな”と振り返り、余裕をもって付き合っていけるといいですよね。

親が矛盾したメッセージを送りやすくなるから

手伝いや学校の準備をさぼっていたら、「もう高学年なんだからしっかりしなさい」と叱る。一方で、友達と遠くに遊びに行くと言われたら、「子どもだけで危ない」と止める。

子どもを𠮟る親出典:stock.adobe.com

子どもが変化する時期、親自身どんな風に扱えばよいか迷うときがあると思います。そんなとき、つい”やってほしいこと”に対しては「大人なんだから」と言い、”やめてほしいこと”に対しては「子どもなんだから」と言ってしまいがち。矛盾したメッセージを受け取ると、”親がコントロールしてくる””何もわかってないくせに”などと反抗しやすくなるんです。

親の中だけで大人と子どもの線引きを決めるのではなく、”本人が今できるかどうか”の視点で接するのが大切です。

鍵となるのは親の「余裕」と「根気」

スムーズにコミュニケーションが取れなかったり、何を言っても反発されると、いくら親であってもイライラするのは当然です。でも、子どもの反抗期は親に甘えられているからこそ生じるもので、社会にでていく準備でもあるんです。

少し離れて一息ついて、「余裕」を取り戻して、「根気」強く関わるのが大切です。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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