家計改善につながる源泉徴収票の利用の仕方
自由に使えるお金(手取り収入)がわかると、貯金や生活費の予算が立てやすくなります。
手取り収入の計算で必要になるのは、源泉徴収票に記載された支払金額、社会保険料の金額、源泉所得税額の他に住民税額。
住民税額は、源泉徴収票ではなく5~6月頃届く住民税課税決定通知書で確認できます。
手取り収入=支払金額-(社会保険料控除+源泉所得税額+住民税額)
また、所得税の負担が大きいと思ったら、ふるさと納税やiDeCoといった納税しているからこそ使えるお得な制度を利用するのもいいと思います。
ふるさと納税は、自治体に寄付をすれば税金の還付が受けられる上にその土地の特産品などの返礼品がもらえるお楽しみも。
iDeCoは節税しながら老後資金を効率よく貯められる制度です。
例えば、税率10%の人がiDeCoで年間12万円積み立てた場合、年末調整で申告すれば所得税は約12,000円少なくなります。
まだ利用していない場合は、ぜひ検討してみてください。
源泉徴収票をしっかり見た方が良いことはお分かりいただけたかと思いますが、どうやって見ればよいかわからない、そんな方のために見方をご説明します。
源泉徴収票、最初にどこを見ればいいの?
源泉徴収票には1年間の収入や税額が記載されています。
受け取ったら、まずは以下画像の赤枠(A)の金額から確認してみましょう。
(1)支払金額
1年間に支払われた給与・賞与の合計額
(2)給与所得控除後の金額
支払金額から給与所得控除額を引いた金額
給与所得控除額は、(1)の支払金額により決まっています。
(3)所得控除の額の合計額
扶養家族の人数や支払った保険代等、個人の事情により控除される金額の合計額
(B)・(C)枠の内容が反映されます。
参考:No.1100 所得控除のあらまし 国税庁
(4)源泉所得税額
その年の所得税額
所得税額は、給与所得控除後の金額(2)から所得控除の額の合計額(3)を引いた課税所得金額を下記の表にあてはめると求めることができます。
参考:No.2260 所得税の速算表 国税庁 より執筆者作成
課税所得金額が多いほど、税負担が大きくなる仕組みになっています。
例えば、年収6,000,000円(給与所得控除後の金額4,360,000円)、所得控除合計額2.269.086円の場合、課税所得金額は2.090.000円となり、所得税額は113,800円(復興特別所得税2,300円を含む)となります。
申告の誤りや漏れがないかをチェック
収入や所得税の金額が確認できたら、所得控除の額の合計額に反映される(B)(C)欄に誤りや漏れがないかチェックしてみましょう。
所得控除の額の合計額が多いほど、所得税額は少なくなります。所得控除の額の合計額は、年末に勤務先にご自身が提出した年末調整の申告書の内容が反映されています。
チェックポイントは、以下の通りです。
・自分の情報が正しいか
障害者、寡婦、ひとり親、勤労学生に該当しませんか?
・家族の情報が正しいか
家族の扶養人数などに誤りはありませんか?
障害者に該当しませんか?
配偶者特別控除の額は正しいですか?
・社会保険、生命保険、地震保険等の控除額に漏れはないか
例えば、子どもの国民年金保険料を支払った場合も控除の対象になります。
申告内容に誤りや漏れを確定申告で修正すれば、税金が戻ってくる場合があります。修正は、国税庁のe-TAXから又はお近くの税務署で手続きできます。
ぜひこれを機に、今年から源泉徴収票を確認してみてくださいね。
参考:ふるさと納税ポータルサイト 総務省
参考:iDeCo公式サイト