「飲み会が増えて不安…」「マスク外して本当に大丈夫?」注意したい“コロナ明け鬱”

心と体

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2023.05.15 更新

臨床心理士・公認心理師のyukoです。コロナの象徴ともいえるマスクの着用が個人に委ねられるようになって2か月。GW明けには感染症としての重篤度合いが引き下げられ、5類に分類されるようになりました。そんな中で注意したいのが「コロナ明け鬱」。今だからこそ、注意しておきたい気分の波について考えていきます。

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もくじ

マスクはずす?はずさない?
「コロナ禍」から「withコロナ」への変化
リモートワークから出社へ
旅行や飲み会に行く人が増加
「コロナ」の言い訳が使えない

マスクはずす?はずさない?

マスクの着用が個人の判断に委ねられるようになり、2か月が経過。5類に移項してからは電車でもはずしている人が増えてきましたね。
暑くなるにつれて、マスクを外す人がさらに増えてきそうです。

マスクをしない女性出典:stock.adobe.com

一方、医療機関で働く方や接客業の方、高齢者と近い距離で接する方はまだマスクをはずせない方も多いよう。
場所によって、日時によって対応を変えなければならないことや、職場と家庭と社会全体の空気が異なることにモヤモヤする人もいますよね。

一見小さく思える憂鬱も、積み重なると気分の不安定さや落ち込みに繋がることもあるのです。

「コロナ禍」から「withコロナ」への変化

リモートワークから出社へ

リモートワークに移行するときは抵抗があったかもしれませんが、在宅で仕事しやすいように工夫したり、やり方を見直すことで慣れてきた方は多いですよね。

しかし”リモートワークの生活もいいな”と感じてきた今になって、出社を命じられるようになった方も少なくないよう。

当初は「通勤の負担もなくなる」「育児に協力しやすくなる」などのメリットを掲げられ、推奨されていた一方、現在は「オフィスでのコミュニケーションが大切」「生産性をより高めるため」などと出社を勧める会社が増えているようです。

納得できない理由を押し付けられたり、組織の言い分に矛盾を感じていると、ストレスを感じやすくなるもの。

ストレスを感じる女性出典:stock.adobe.com

そんなときは、誰かと悩みや愚痴をシェアできると、少しすっきりしやすくなります。
職場の人だからこそ伝わる悩みか、友人や家族にこぼしたい愚痴か、専門家に話したい相談事か。
まずは抱えているモヤモヤを分類するのがおすすめです。

旅行や飲み会に行く人が増加

居酒屋のパーテーションはほとんど取られ、小さな店に大勢のお客さんがひしめきあっている光景もよく目にするようになりました。
今年のGWは旅行に行った方も多く、数年前のように渋滞や帰省ラッシュのニュースが連日放送されていましたよね。

飲み会出典:stock.adobe.com

一方、街がにぎやかになり、SNSで華やかなお出かけ投稿が増えると、寂しく感じるときもあるかもしれません。
外出自粛や飲み会の規制中は、「周りとの差が気にならない」良さもあったからです。
また、「パートナーの飲み会が減って嬉しい」と感じていた方も少なくないよう。

人との交流が解禁された今、寂しさやイライラを感じたときは……

  • 周りのどんな生活を羨ましく感じているのか、パートナーのどんな行動にイライラしているのかを整理する。
  • SNSや情報番組など、見たら消極的な気持ちになるものから距離を置く。

まずは自分が何にモヤモヤしているのかを自覚するのが大切です。
言葉にできそうであれば、相手に直接気持ちを伝えられるといいですよね。

また、周りの人がどんな生活を楽しんでいるのか、気になり始めると、余計にその情報を集めて落ち込む負のループに入る方も多いもの。
見たら微妙な気持ちになるものには蓋をして、距離を取るスキルも大切です。

「コロナ」の言い訳が使えない

コロナによって失った楽しみもあれば、コロナが便利にはたらいたときもあるのではないでしょうか。

例えば、

  • 苦手な義実家を訪ねる頻度を減らせた。
  • 職場の飲み会や接待が少なかった。
  • 同窓会に参加せずに済んだ。

一人で家でお酒を飲む女性出典:stock.adobe.com

苦手な人がいる場合は特にそうだと思いますが、人と集まる機会が苦手な人も多いですよね。
コロナで自由に1人時間やを気楽に過ごせていた中、「コロナが落ち着いたからもう大丈夫じゃない?」とイベントが増えるとストレスになるときも。

  • 義実家の場合‥パートナーが間に入って調整してもらう、お互いの気持ちに折り合いをつけながら予定を決める。
  • 職場の場合‥仕事に関わる、優先順位の髙い飲み会に出席する。土日の誘いや二次会以降は断る。
  • 同窓会や友人の場合‥家庭の事情をはっきりと伝える。今後関わる必要がないと感じたら距離を置く。気心の知れた少人数の集まりのみ参加する。

など、自身の気持ちと今後の関係性を踏まえた調整をしていけるとよいでしょう。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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