帯状疱疹ができやすい部位。症状を見分ける「2つのポイント」とは#医師に聞く

心と体

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2023.10.26

テレビやインターネットなどで、頻繁に目にするようになった“帯状疱疹”。いざ自分や家族がかかったときに慌てないためにも、正しい知識を身につけておきたいですよね。そこで今回は、きくち総合診療クリニックの理事長である菊池大和先生に「帯状疱疹の好発部位と起こりうる合併症、症状を見分けるポイント」について教えていただきました。

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教えてくれたのは……菊池 大和先生

菊池大和先生

医療法人ONE きくち総合診療クリニック理事長 菊池 大和先生
日本救急学会救急科専門医、日本外科学会外科専門医、日本慢性期医療協会総合診療認定医。

平成29年4月11日に「きくち総合診療クリニック」を開院し、令和元年に医療法人ONEを設立。「病気を診て、人を診て、一人でも多くの命をやさしく包み込む医療を提供する」ことを診療基本理念としている。

帯状疱疹が増えている原因

近年「帯状疱疹が増えている」と、耳にすることが多くなったように感じます。その背景には、どのようなことが考えられるのでしょうか?

菊池先生「帯状疱疹は本当に増えています。コロナ禍以前は週に1人ほどでしたが、最近では毎日2~3人診察をしています。背景として考えられるのは、やはり新型コロナウイルスでしょう。

外に出ない方、運動不足の方、ストレスを感じている方が増えています。それに伴い、加齢、過労もあわさって体内の免疫細胞が力を失い(免疫力が低下)、体内に潜んでいた水痘ウイルスが活性化することで発症してしまいます。中高年の方は、親の介護をはじめ、ご自身の病気(糖尿病やがん)によって体力が落ち、免疫が低下しやすい時期です。」

帯状疱疹の好発部位と起こりうる合併症

菊池先生によると、「帯状疱疹は知覚神経がある部位にどこでも起こりうるため、体のどこに出てもおかしくない」とのこと。中でも、よく見られる部位は下記のとおりだそうです。

帯状疱疹の好発部位と起こりうる合併症出典:stock.adobe.com

<帯状疱疹の好発部位>

  • 背中

菊池先生「胸の前、横、背中は、肋骨に沿って出る特徴があります。また、顔の三叉神経領域の第1枝(おでこから目までの部位)も好発部位です。通常は片側に出ますが、まれに両側に出たり、離れた場所に2か所出たりすることがあります。

危険なレベルになると、顔の場合は、目の中だと角膜炎や視力障害、耳だと難聴や顔面神経麻痺、めまいが起きることもあります。
陰部やおしりにできた場合は排尿障害、腹部にできると腹筋の麻痺、肩にできると腕を動かしにくくなるなど、帯状疱疹はさまざまな症状が起こる可能性があるのです。」

「帯状疱疹」の症状を見分ける2つのポイント

早期発見・早期治療が重要とされる帯状疱疹。「帯状疱疹かもしれない」と自身で疑うことができる痛みの見分け方や、発疹が出る前の症状について教えていただきました。

ポイントは「痛みがあること」と「皮疹の変化」のようです。


「帯状疱疹」の症状を見分ける2つのポイント出典:www.photo-ac.com

菊池先生「まず、ほとんどの方がピリピリした痛みを感じます。痛みを感じず、かゆいという方もいます。虫刺されと勘違いする方が比較的多いです。
数日すると(翌日の場合や1週間後の場合もあります)皮疹が大きくなり、小さな水疱がわかることが多いです。小さな皮疹が集まり、痛みも強くなります。個人差が強いので、痛みが出たら、毎日家族に確認してもらうとよいでしょう。」

重症化や後遺症を防ぐためにも、おかしいと思ったら早めに医療機関を受診することが大切です。次回の記事では「帯状疱疹の初期症状の事例と予防法」について、ご紹介します。

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著者

shukana

shukana

小学生、幼稚園児の男の子のママ。出産前まで紳士服業界に携わり、TES(繊維製品品質管理士)の資格を取得。 暮らしをより楽しく、よりラクに過ごすための方法を日々模索中です。

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