前編では、帯状疱疹になる前の違和感や症状、そして入院に至るまでの様子をご紹介しました。今回は、入院後の生活と退院して約2年弱経つ「今」について詳しく教えていただきます。
後編:<入院生活>あまりの痛さで記憶がない
――入院生活で1番忘れられないことは何ですか?
実は、あまりの痛みだったため、入院後10日くらいの記憶が全くありません。今まで他の病気をしたこともありましたが、それらと比較しても悲惨な痛みや痒みと戦っていました。
私の場合、顔に発疹ができて、髄膜炎も併発してしまったのですが、その後の検査で「目」にもウイルスが入ってしまっているとのことでした。
そのため、毎日ベッドで横になっているだけなのに、涙がずっと出続けていて、それもつらかったです。
発疹は2週間程でかさぶたになり取れました。
そして、入院から3週間くらい経ち、やっと退院日が決まり「やっとおうちに帰れる~。」と思っていた頃、免疫が下がって弱ってしまっていたからなのか、他の病気も併発してしまい、そのまま2か月入院生活を送ることになってしまったのです。
「健康第一」とよく言いますが、この言葉の重みを感じる日々でした。
免疫を下げないためにも、日々の食事管理はもちろん、ストレスをためないように生活していくことが、とても大切だ感じました。
<退院後>仕事も復帰し、元の生活に戻りつつある
――退院後は、どのような生活をされていますか?
退院後しばらくは、痛みの治療を行うペインクリニックに通いました。
見た目は元通りになりましたが、「帯状疱疹後神経痛」という後遺症により、痛みだけがずっと残っています。
残念ながら、退院して2年弱経つ今も、薬なしでは痛みを取ることができず、毎日頭や顔の痛みがあります。特に冬の寒い日は痛みに敏感になってしまい、自分の髪の毛が風になびいて顔に触れるだけで痛いのです。
もちろん入院していたころに比べれば痛みは軽くなっていますが……。
「この痛みは一生続くのか。もっと楽になるのか。」そんな不安を抱えながら生活をしています。
それでも、現在は、休職していた仕事も復帰し、徐々に元の生活に戻すことができました。
気分転換にお友だちと定期的に会って遊びに行くなどして、楽しむこともできています。
唯一、仕事中や楽しい時は、痛みのことを忘れられるのです。そんな「夢中になれること」や「楽しい」時間を増やしていけたらと思います。
いつも支えてくれる家族やお友だちには本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
※記事内の情報は、慶子さん自身の体験や個人の感想によるものです。
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以前の帯状疱疹の記事でも紹介しましたが、帯状疱疹は、免疫力が低下している時に注意が必要と言われています。また、異変があれば「とにかく早めの受診が肝心」とのこと。
ストレスをためすぎない、バランスの良い食事をするなど、免疫が下がらないように生活することはもちろん、いつもとは違う症状や違和感があった時は、我慢せず、早めに医師に相談することを心掛けたいですね。