「帯状疱疹」になりやすい人の特徴と注意すべきこと#医師解説

心と体

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 「帯状疱疹」になりやすい人の特徴と注意すべきこと#医師解説

2024.03.11

水痘の罹患経験がある人なら誰でもなる可能性のある「帯状疱疹」。どういう人がなりやすいのか、どう気をつければよいのかについて、気になっている方は多いのではないでしょうか? そこで今回は医師の草ヶ谷英樹先生に「帯状疱疹になりやすい人の特徴と、予防のために注意すべき点」について教えていただきました。

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教えてくれたのは……草ヶ谷英樹(くさがやひでき)先生

草ケ谷先生画像

医学博士、日本内科学会 内科認定医/総合内科専門医、日本呼吸器学会 呼吸器専門医・指導医。呼吸器・アレルギー科専門医として大学病院勤務中に、精巣腫瘍や原因不明の顎関節症などで長期入院を経験。自分が患者という立場になり、医療はもっと患者に寄りそうべきだ、自分らしい医療に取り組みたいという思いが生じ、2021年に祖父・父から続く「草ヶ谷医院」を継承し独立。

帯状疱疹になった「40代女性患者」の体験談

「帯状疱疹」は痛みを伴う水疱ができることが知られていますが、虫刺されや別の疾患と勘違いして受診が遅れてしまうと、重症化につながる恐れもあります。
では、帯状疱疹にはどのような初期症状があるのでしょうか?
実際に帯状疱疹を発症した40代の患者が「早い段階で治療を開始できた事例」について、医学博士であり、日本呼吸器学会 呼吸器専門医・指導医の草ヶ谷英樹先生に詳しくうかがいました。

症状に気づいたきっかけ

草ヶ谷先生 「当院は呼吸器内科クリニックのため、胸が痛いという患者さんが多くお見えになります。Aさんも、2日前から左側胸部(左乳房のやや外側)が、どうも痛い感じがするとのことで来院されました」

帯状疱疹画像出典:www.photo-ac.com

草ヶ谷先生 「皮膚は綺麗で、聴診でも問題ありません。深く呼吸しても痛みが悪化することはないですが、診察中もずっと「なんだかピリピリするような痛み」とお話されていました。心電図や胸部レントゲンでも異常はないため一旦様子をみる方針としました。

翌日夕方に、「痛みの部位にポツポツ発疹がでてきました」と再度受診されたときに、痛みの部位と一致して、肋骨にそうような帯状に広がる水疱ができ始めており、診断に至りました」

完治した期間

草ヶ谷先生 「痛みが先行して、その後発疹がでてくるのは帯状疱疹によくあるエピソードのため、予めその説明をしておいたところ速やかに再受診いただき、早期の抗ウイルス薬の内服治療が行えました。
1週間後には水疱はかさぶたになり、特に神経痛なども残らずに改善しました」

帯状疱疹になりやすい人の特徴と注意すべき点

帯状疱疹は早期に抗ウイルス薬での治療を開始するほど早く治りやすく、後遺症にもなりにくいことがわかりました。異変を感じたタイミングで、速やかに受診することが肝心なんですね。

では人によって”帯状疱疹になりやすさ”に違いはあるのでしょうか。
また、帯状疱疹にならないために注意すべき点を教えてください。

帯状疱疹になりやすい人の特徴はありますか?

草ヶ谷先生 「帯状疱疹は、免疫力が弱ったときに発症することがわかっています。体の免疫力は、加齢や疲労、ストレスなど、誰にでもみられる日常的なことによって低下します。

健康なときや若い人は免疫力が強いため、水痘・帯状疱疹ウイルスは潜んだままおとなしくしています。免疫力が低下してくると、ウイルスが再び活動しはじめ、増殖し、帯状疱疹になると考えられています。

帯状疱疹画像出典:stock.adobe.com

帯状疱疹の発症にはとくに加齢が関係しています。日本人では50代から帯状疱疹の発症率が高くなります。50代、60代、70代と発症率は増加していき、なんと80歳までに約3人に1人が帯状疱疹になるといわれています」

日常生活で注意する点

草ヶ谷先生 「日頃から十分な休息をとりながら、免疫力の維持を心がけましょう。免疫力を低下させる疲労やストレスのない規則正しい生活を送ることが大切です。

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一般に偏食や運動不足や睡眠不足は免疫力を低下させてしまうといわれています。

食事ではさまざまな栄養素をバランスよく摂り、暴飲暴食を避け、適切な体重管理を心がけましょう。運動は散歩やウォーキングなどの体温が少し上がる程度の強さのものがおすすめです。日光を浴びたり、ヨガでジットリと汗をかくのもよいでしょう。
激しい運動や長時間のトレーニングは披露によって逆に免疫力を下げてしまうことがありますので気をつけましょう」

次回は、「後遺症を残さずに帯状疱疹が早期完治した、40代女性の2つの事例」について、ご紹介します。

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著者

鈴木杏

鈴木杏

研究機関の秘書を経て、現在は子育てしながらライターをしています。夫の影響でアウトドア好きになり、今ではキャンプ歴も20年に!キャンプに関する情報や生活に役立つ情報をお届けしていきます。

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