教えてくれたのは……小林青果株式会社さん
創業以来70年以上にわたり、北九州中央卸市場にて青果の生産者と小売店舗のバイヤーを結ぶ仲卸業を営む小林青果株式会社。九州各県だけでなく、全国各地から旬の食材や特性の強い商品を仕入れ、お客様へお届けしている。安全で安心できる食品の提供はもちろん、作り手の思いや熱量、消費者の期待、販売店の信頼を大切にしている。
「糖尿病」はどんな病気?
糖尿病は、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が多くなりすぎる病気です。
初期症状がほとんどないようですが、進行すると動脈硬化が進み、脳卒中や虚血性心疾患になりやすくなります。また3大合併症として、網膜症、腎症、神経障害があり、失明や透析につながる病気でもあります。
「糖尿病」の発症予防や血糖値の管理によい飲み物とは?
糖尿病予防のためにも、日常的に口にする飲み物にも注意が必要です。そこで、糖尿病の血糖値管理に有益な飲料と、選ぶ際の注意点を教えていただきます。
1.トマトジュース
トマトジュースは、100gあたり3.53g、1カップ(243g)あたり7.5gという低い炭水化物含有量を持っています。
また、トマトジュースのグリセミック指数(GI値)は31と低く、血糖値を急激に上昇させることはありません。
オーストラリアの研究者による最近の報告によると、2型糖尿病の人が毎日トマトジュースを摂取することで、血栓形成能力が低下する可能性があるとされています。
さらに、トマトにはリコピンという強力な抗酸化物質が含まれており、これが健康に多くの利点をもたらします。
ある研究では、2型糖尿病の男性14人と女性6人を対象に、3週間にわたり毎日250ミリリットルのトマトジュースを飲む実験が行われました。その結果、トマトジュースを飲んだグループでは、試験終了時に血小板の凝集が有意に低下していました。
研究結果の引用元:オーストラリア ニューカッスル大学 栄養および食餌療法学准教授Manohar L. Garg氏による研究
トマトジュースを選ぶ際の注意点
しかし、トマトジュースには塩分が含まれていることが多く、高ナトリウム摂取は高血圧に寄与する可能性があるため、選ぶ際には注意が必要です。
塩分を控えめにしたトマトジュースを選ぶことが推奨されます。
トマトジュースは、血糖値を管理する上で有益な飲料である可能性がありますが、個々の健康状態や食事全体のバランスを考慮して摂取することが大切です。
糖尿病予防や改善のために、トマトジュースの日常的な摂取を始める場合には、医師や栄養士と相談の上、適切な量を摂取することをおすすめします。
また、市販のトマトジュースを選ぶ際には、糖分や塩分の含有量を確認し、自然なトマトの風味を楽しむことができる無添加のものを選ぶと良いでしょう。トマトジュースは血糖管理に役立つ飲料と言えますが、全ての人に当てはまるわけではないため、個人の健康状態に合わせた選択が重要です。
トマトジュースを摂取する際は、糖分や塩分の摂取量に注意し、バランスの取れた食事と組み合わせることが推奨されます。
2.リンゴ酢
リンゴ酢は自然な甘みと酸味があり、食品の風味を高めるだけでなく、健康的な消化を促進する善玉菌も含んでいます。
リンゴ酢には、血圧を下げる効果があるとされ、これはリンゴ酢に含まれるカリウムが体内の塩分を排出する作用によるものです。
また、便秘予防や美肌効果、ダイエット効果も期待されており、酢は胃酸の分泌を促し腸を刺激することで腸の動きを活発にし、便通の改善につながるといわれています。
さらに、リンゴ酢は糖質の吸収を抑制し、血糖値を下げる効果があるとも報告されています。これはダイエット効果にもつながり、疲労の原因となる乳酸の代謝を促す作用もあります。足のニオイを改善する効果や、身体のPH値のバランスを保ち骨の健康に良い影響を与えるとも言われています。
リンゴ酢を飲む際の注意点
リンゴ酢を摂取する際の目安は、1日に大さじ1~2杯とされており、食事中や食後に摂るのが効果的です。
ただし、リンゴ酢は酢酸を含むため、飲み過ぎは胃や喉を傷める可能性があるため注意が必要です。
また、リンゴ酢を飲みやすくする方法として、「炭酸水」や「はちみつ」、「牛乳」などと組み合わせるのもオススメです。
リンゴ酢はそのまま飲むだけでなく、ドレッシングやマリネなどの料理にも活用できます。
リンゴ酢を取り入れることで、健康的な生活をサポートするとともに、食生活に新たな風味を加えることができるでしょう。
糖尿病の管理には食事だけでなく、適切な運動や医師の指導が不可欠です。健康状態を維持するため、この機会に日ごろ口にする飲み物を見直してみてはいかがでしょうか。
次回は、”糖尿病を予防し、発症後の健康管理に役立つ飲み物”を、さらに2種類ご紹介します。