朝食を抜くのはNG!6月の「熱中症」リスクを高めるワケと“熱中症予防に役立つ”食べもの

心と体

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2024.06.21

これからの季節、「熱中症」の危険性に不安を感じている方は多いのではないでしょうか。特に今年は「ラニーニャ現象」の影響を受け記録的な猛暑が予想されており、例年以上の熱中症対策が求められています。そこで今回は医師の谷口英喜先生に、”意外に知られていない「熱中症の基礎知識」と「有効な熱中症対策」”を教えていただきます。

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教えてくれたのは……谷口 英喜(たにぐちひでき)先生

神奈川県済生会横浜市東部病院患者支援センター長兼栄養部部長 医学博士。現在、臨床業務、臨床研究、大学院教育、講演活動を継続し、臨床栄養の生涯教育サイト谷口ゼミを開設し、医療従事者の生涯教育に力を注いでいる。脱水症・熱中症・周術期管理の専門家としても活躍中。

「熱中症」ってどんな症状のこと?

熱中症女性画像出典:www.photo-ac.com

熱中症とは、暑さと蒸し暑さが原因で起こる体調不良のこと。
大汗をかいて脱水症状を起こし、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった高体温症状を起こした状態が「熱中症」です。
熱中症は、脳・消化器・筋肉に同時に異常が現れるのが特徴で、この3つの臓器は80~90%が水分でできているため、真っ先に水が足りないと警告を発するのです。
つぎのような体調不良が同時に出たら「熱中症」を疑ってください。

「熱中症」では、3つの臓器に同時に異常が現れる

◆脳……めまい、立ちくらみ、集中力・記憶力の低下、頭痛、意識消失、けいれん
消化器……食欲低下、悪心、嘔吐、下痢、便秘
筋肉……筋肉痛、しびれ、まひ、こむら返り

水分不足が「熱中症」リスクを高めるワケ

熱中症女性画像出典:www.photo-ac.com

通常、人の体は「汗による放熱」と「皮ふからの放熱」によって体温が上がりすぎないよう調節しています。高温環境時や運動時は発汗で、それ以外では体の中心の血流を皮ふに移動することで熱を逃がしています。
しかし体内の水分が十分でないと、汗もかけず、皮ふに血流を十分に送り込めず、体温が上がってしまいます。このため脱水の状態だと熱中症リスクが高まるのです。

日常生活の中でできる3つの「熱中症」予防法

【予防法1】暑い・蒸し暑いから逃げる

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最近の天気予報では、気温・湿度・輻射熱(赤外線)の3つの要素を計測した「暑さ指数(WBGT)」が示されます。朝、天気予報で確認し、その日の指数に応じて行動するようにしましょう。
3つの要素のなかでは湿度が熱中症の発症と最も密接に関係するため、湿度の高い日は特に注意が必要です。

【予防法2】コップ1杯を1日8回程度飲む

水を飲む女性画像出典:www.photo-ac.com

脱水症を防ぐため、ただやみくもに水分補給をすれば良いというものではありません。「体に入ってくる水分量」と「出ていく水分量」が同量でバランスが取れており、体内の水分量が常に一定なのが望ましい状態です。

体に入る水分のおよそ半分は飲み物からですが、一度に大量に飲んでも尿として体外に排出されてしまうだけ。コップ1杯の水を1日8回程度こまめに飲むのが、上手な水分補給法になります。

【予防法3】規則正しい食生活をする

朝食画像出典:www.photo-ac.com

通常、人は体に入る水分の約40%を食べものからとっています。
1日に摂取する食事に含まれる水分量は約1500mlで、単純計算すると1食あたり500ml。つまり食事を1食抜くとペットボトル1本分の水分が不足することに。
特に朝は寝汗で脱水状態になっているため、朝食を抜くと昼食時まで脱水状態が続くことになってしまいます。
脱水症や熱中症を予防するには1日3食規則正しく食事を摂ることが大切で、水分を豊富に含む夏野菜や果物を摂ることは熱中症対策に適しているといえます。

また、食事からとった水分は吸収に時間がかかるため、飲み物と違って体内に長い時間留まり、これも熱中症を防ぐポイントになります。

「熱中症」予防に適した食べものとは?

キウイフルーツ画像出典:stock.adobe.com

水分を豊富に含み、熱中症対策として摂りたい栄養素の代表格である「ビタミンC」を豊富に含んでいるおすすめの食べものが、キウイフルーツです。
暑さに慣れていないうちほど熱中症になる危険性が高いといわれていますが、ビタミンCを摂取することで体の暑さへの順応が早くなることが研究で示されています。[出典1]
そして、抗酸化作用をもつビタミンCは、暑さによって体内に増える有害な活性酸素を抑える働きを持ち、免疫力を高めてくれます。[出典2]

また、キウイフルーツは汗と共に失われるミネラルを補う食品としても最適で、さらに、不足すると疲労物質が蓄積して熱中症リスクを高めるビタミンB群[出典3]のうち、ビタミンB1、B2、ナイアシン、パントテン酸、葉酸の6種類を含んでいます。

こまめな水分摂取と正しい食生活で「熱中症」になりにくい体づくりを

「熱中症」は、暑くなってくるとよく耳にする言葉ですが、体温調節機能が働かなくなることで臓器にまで異常が起きてしまう危険な状態を指します。
水分さえ摂っていれば問題ないと思われがちですが、朝食を抜くだけで、栄養を含み体に留まりやすい約500mlもの水分を得られるチャンスを逃してしまうことに。
これからの高温多湿の季節に向け、こまめな水分補給に加えて、毎日規則正しい食生活を送ることで、熱中症になりにくい体づくりを心がけましょう。

【参考文献・出典】
[1] Walsh NP et al:Position statement. Part two: Maintaining immune health. Exerc Immunol Rev 2011;17:64-103.
[2] Jockers D: Enjoy Super Food Nutrition for the Summer. Natural News, 2010(Mar.30,2012). http://www.Naturalnews.com /028923_super-foods nutrition.Html
[3] 谷口英喜、田中明美. 熱中症予防のための食生活ー食事面からのアプローチによる予防策. Geriat. Med 52(5): 519-525, 2014

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著者

鈴木杏

鈴木杏

研究機関の秘書を経て、現在は子育てしながらライターをしています。夫の影響でアウトドア好きになり、今ではキャンプ歴も20年に!キャンプに関する情報や生活に役立つ情報をお届けしていきます。

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