教えてくれたのは……管理栄養士 若山あみさん
愛知県にある「あさひの森 内科消化器クリニック」の管理栄養士。クリニックでは保険診療で野菜の栄養と体へのメリットについて栄養指導を行っている。
納豆に含まれる主要な栄養
以前の記事でご紹介したように、納豆にはさまざまな栄養素が豊富に含まれています。
- たんぱく質
- 食物繊維
- ビタミンK2
- ビタミンB2
- ビタミンB6
- 納豆菌
- ナットウキナーゼ
これらの栄養素は、体の調子をととのえたり、生活習慣病などを予防したりするなど、私たちの健康を維持するのに役立ちます。
納豆を食べないほうがよい人「3つのタイプ」
体にうれしいメリットがたくさんある納豆は、日々の食事に取り入れるのがおすすめです。
しかし、中には納豆を食べないほうがよいとされる人もいます。以下に当てはまる方は、納豆を食べることは控えましょう。
1.抗凝固薬(ワーファリン)を内服中の人
ワーファリンとは、血液を固まりにくくし、血栓ができるのを防ぐ作用のある薬です。血液凝固でつかわれるビタミンKの働きを阻害することにより、血液をサラサラにしています。
納豆にはビタミンKが豊富に含まれており、腸内でビタミンKを産生する納豆菌も多く含まれています。そのため、納豆を摂取することでビタミンKの働きが活発になり、ワーファリンの効果を著しく低下させてしまうのです。
ワーファリンを内服している方は、薬の正しい効果が得られずに血栓ができる可能性を高めてしまうため、納豆の摂取は控えましょう。
2.痛風や高尿酸血症の人
納豆にはプリン体が含まれており、過剰に摂取すると尿酸値が上昇し、痛風発作を引き起こすリスクを高める可能性があります。
食べてはいけないわけではなく、1日1パック程度であれば問題ありませんが、食べ過ぎにはご注意ください。
3.納豆アレルギーの人
大豆アレルギーを持つ方でも納豆なら食べられることがほとんどですが、「納豆アレルギー」という特殊なアレルギーが存在します。
通常、食物アレルギーは原因食物を食べてから数分〜2時間以内に発症しますが、納豆アレルギーの場合、納豆を摂取してから約半日後に症状が出現します。アレルギー症状には、蕁麻疹や呼吸困難、意識障害を伴うアナフィラキシーショックなどがあるので注意が必要です。
3つの特徴に当てはまる人以外にも、食べ過ぎることで体にデメリットが生じる場合もあります。1日1パック程度の納豆を適量として、上手に食生活に取り入れてくださいね。