7歳を過ぎたら「お手伝い」から「家事」へ
産業技術総合研究所(東京都千代田区)とミサワホームが行った調査を発表した「子どもの行動特性調査〈お手伝い〉」では、子どものお手伝いを年齢別に4段階に分けています。
- 1〜2歳 お手伝い開始期:安全・安心で簡単なものから覚え始める
- 3〜4歳 お手伝い色々チャレンジ期:遊びの一環としての楽しみながら増え始める
- 5〜6歳 お手伝い発達期:火や家電等の高度な道具を使い始める
- 7〜8歳 家事分担移行期:家族の一員としての役割を持ち始める
「お手伝い」とは、自分以外の誰かのやることに対してやってあげることです。つまり本来自分がやらなくてもいいことです。だからお手伝いには、なにか報酬が必要になることが多い。報酬はお小遣いかもしれないし、言葉で褒めることかもしれません。
でも、いつまでも「お小遣い」という報酬がないとやらない、というのでは困ります。
この「お手伝い」をだんだんと家族というチームの一員として「役割分担」に移行する必要があります。
それが、おおよそ7歳くらいから。イメージとしては就学したら、という感じでしょうか。
「お小遣い」に頼らず「習慣化」させよう!
報酬は短期的に見ればものすごく効果的です。50円とか100円で色々とやってくれたら「助かった」と親だって思うかもしれません。でも、それじゃ家族の一員としての役割じゃなく、業務委託です。ですから、小さなことからでいいので「習慣化」させるようにします。
家事の習慣化のコツは、時間やタイミングを決めてしまうこと。
子どもの家事の習慣化にオススメなのは「アクションにくっつける」です。
たとえば、
- 寝る前にテーブルの上を片付ける
- 帰ってきたらカバンを自分の部屋のカバン置き場にしまう
- 宿題が終わったら明日の準備と片付けをする
- トイレを使ったらトイレを掃除する
- 食器を使ったら必ずシンクに片付ける
まずは、こうした日々の生活の中で家事のマイナスを増やさない家事からスタートしましょう。最初はなかなかうまく習慣化できないし、きっといつの間にかやらなくなっちゃうこともあります。
ですが、カレンダーに記録するとか、シールを貼るというような工夫をしながらじっくりじっくり続けていきます。
わが家では子どもが自分で表をつくってチェックしています。
こうしたオリジナルの表作りも楽しいみたいで、色々と工夫しながらやっています。
親のガマンで子どもは成長する!
どんな家事にしても、最初はやり方がわからないので親が教えてあげることになります。でも、やるたびにずーっとダメ出しされるんじゃ、誰だってやりたくなくなってしまいます。
なので、料理にしても、トイレ掃除にしても、服のたたみ方にしても、ある程度できるようになったら、あとは極力口出ししない。
親のガマンが子どもを成長させるのです。
じーっと見てると色々言いたくなるので、終わるまでなるべく目を離すようにしています。
でも、それだけじゃ上手にはならないので、ちゃんとヒントとフィードバックは伝えます。
わが家はお休みの日の昼ご飯を子ども(9歳)がよく作ってくれます。きっかけは子どもが1人で見ながらできる料理本を買ってあげたこと。ひとりでできることが楽しくて、家族がよろこんでくれるのが嬉しくて自分から「作る」というようになりました。
親が、本から選んで「これ作って」とリクエストすることもあります。
作ってる姿はたどたどしいですが、それにいちいち目くじらを立ててたら自発的にやるようにはならなかったでしょう。
またYouTubeで一緒にトイレ掃除の方法を学んだり、そこに出てきた掃除グッズを一緒に買いに行ったり(でもそれが使いにくくて、今までのがよかったね、と笑い合ったり)。
親はどうしても自分の考えている通りにやってもらいたがります。でも、子どもたちは自分で創意工夫ができるほど、それを楽しみ、自発的にやるようになる。
あまり口出ししすぎないように気をつけるようにしましょう!