「ここにしまってね」と言うより効果的。片づけられない子どもが“自主的に片付けるようになるテクニック”

家族・人間関係

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2024.04.22

こんにちは! 家事シェア研究家の三木です。 今日は男の子の片付けについて。元気いっぱいで散らかしがちな男の子のお片付けに有効な方法はないのでしょうか。一緒に考えていきましょう!

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片付けとは「物を片付ける」のではなく「場所を管理する」こと

まずは「片付け」ってなんなのか? それを整理していきましょう。

子どもに片付けを教えるとき「このミニカーはここにしまって」「このカバンはここにしまって」と物のしまい方を教えてあげることが多いと思います。それももちろん大事なのですが、じつはもっと大事なことがあるんです。

それは「場所の管理方法」を教えてあげること。

収納出典:stock.adobe.com

大人でも子どもでも、片付けが苦手な人は「場所の管理」ができていないことが多いのです。問題なのは、物が多いことではなくて、収納できるスペースを上手く使えず、そこに収まらないほどの量を持ってしまっていることなのです。

子どもにとって「大切な物」「不要な物」を選ぶのは、かなり難しい。とくに学校の物は、いるかいらないかの判断ができなかったり、迷ったりしてしまうものです。

そこで、子どもに教えてあげるべきは「場所を管理すること」なのです。

「場所を管理する」って?

最初にしてあげるのは、子どもが自分の物をしまうだけの十分な収納の準備。たとえば学習机と本棚。おもちゃ箱やカラーボックスなど。その子のための収納をつくってあげます。

小学生以上であれば、洋服をしまうクローゼットなども含みます。

収納出典:stock.adobe.com

その子のための収納を決めたら、そこには親の持ち物は入れないようにしましょう。なんといっても「自分の場所」という特別感が大事。もし今から新しく買うのなら、ぜひ子どもと一緒に収納を選んでみてください。

場所を準備できたら、場所を管理するうえでのルールを決めます。わが家でも実践している、そしてモヨウ替えのお客様宅でも効果的なのが以下の3つのルール。

  • 自分の荷物は、この収納の中にしまう
  • 親が勝手に触ったり、片付けたりはしない(ただし、一緒にやるのはOK)
  • 家族の共有スペース(テーブルや床など)に出しっぱなしの物は捨てられても文句は言えない

イメージしやすいように、家ではなくて色んな人が集まる公共スペースで考えてみましょう。自分に与えられたロッカーや収納の中に、自分の荷物は必ずしまいますよね。また、そこにしまわずに出しっぱなしになっていたら盗まれたり、捨てられたりしても「片付けてない自分が悪い」となります。そして、個人のロッカーを勝手に誰かに触られたら「やめてよ!」ってなります。

ロッカー出典:stock.adobe.com

このプライバシーレベルを、家庭の中に取り入れます。つまり、自分の収納に「責任を持つ」ということです。

ちょっと厳しそうですが、これは子どもだけに課すルールではなく、家族で守っていきたいお片付けルールです。子どもに片付けを教える際、親もお片付けを一緒にやる意識を持つことは、最低限必要なことなのです。

概念的なことはこのくらいにして、ではどうしたら男の子が自分の収納に片付けるようになるのでしょうか。そのためのアイディアとして「ナッジ」をご紹介します!

収納にナッジを取り入れよう

ナッジとは噛み砕いて言えば「ついつい行動したくなっちゃう仕組みをつくること」
よく使われるのがラベリングです。

ナッジ

たとえば、順番に並べて欲しいファイルなどに「斜め線」を入れたり「キャラクターシール」を半分に切ってまたがって貼り付けたり。これは代表的なナッジで、こうするとつい絵柄をそろえたくなります。

他にも、玄関に靴のマークのシールを貼っておいたり、ランドセル置き場にランドセルマークのシールを貼っておいたりというのも効果的。こうした商品は色々と売っているので、ぜひ探してみて下さい。

ナッジ

ほかにも、カラーボックスの奥に好きなキャラクターとメッセージを貼っておくことで、それまで床に放り投げていたランドセルをしまうようになった方もいました。机の引き出しだったら、一区画一アイテムにして、そこにシールを貼ってしまう場所がはっきりわかるようにしてあげるのも効果的です。

ナッジも色々な方法があるので、お子さんの片付けにぜひ取り入れてみて下さい。

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著者

三木智有

三木智有

NPO法人tadaima!代表 日本唯一の家事シェア研究家/子育て家庭のためのモヨウ替えコンサルタント。著書に『家族全員自分で動く チーム家事』がある。

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