ご相談「子どもの習い事はやめずに、将来のお金を確保したい」
相談者情報
相談者:女性、43歳、パート・アルバイト
家族構成:夫(40歳)、娘10歳(小4)、娘7歳(小2)の4人家族
住まい:千葉県、持ち家(一戸建て)
相談内容
年俸制で、月割で貰っているのでボーナスはありません。 ボーナス支給のある場合と比べたら月収が高くなるからなのか、月の基本的な支出が多めになってしまいます。節約意識が欠けていたのももちろんです。
最近になってようやく家計管理を始め、保険の見直しや格安SIMへの変更など、出来るだけ固定費は見直したつもりです。
子どもの習い事に結構お金がかかっていますが、今のところやめる予定はありません。 来年からは上の子の入塾も検討しています。 これから子どもの教育費、自分たちの老後のことを考えると不安です。 今後の為にどう家計を見直したら良いのか、アドバイスお願いします。
家計収支状況
それでは、お金のプロであるファイナンシャルプランナー視点で、問題点の洗い出しと改善方法を見ていきましょう。
家計の良い点
ファイナンシャルプランナーの下中英恵です。
ご質問者の方は、これからまだ教育費がかかる小学生のお子さんが2人いるご家庭です。
家計へのアドバイスを行う前に、まずはご質問者の方の家計で、見習うべき良い点をチェックしていきましょう。
1.問題意識を持ち、家計管理や見直しを行っている
家計管理を始めて、保険の見直しをしたり、格安SIMへの変更をしたりと節約を行っていることは、大変素晴らしいですね。自分でできる家計の見直しに順次着手することは、パワーがいります。お金への意識が高いのは、見習うべきポイントです。
2.ゆずれない費用を明確化している
ご質問者の家庭では、子どもの習い事にかける費用はゆずれないと明確化しています。確かに、教育費・習い事費用の月67,000円は、毎月の支出の中で割合が高いですが、自分たちがお金を使いたいと思っているポイントを自覚し、優先させる意識は大切です。その他の部分で節約を心がけることができます。
3.資産運用を行っている
60万円分の投資を行い、お金を増やしていこうという意識があるのは、大変良いポイントです。普通預金ではお金は増えないので、常に貯蓄を投資に回していこうとする意識を持ちましょう。
家計を改善するアドバイス
ご質問者の場合、家計の見直しに取り組んでいますが、まだお金に対して漠然とした不安を抱えているようです。具体的に家計を改善するためのポイントを見ていきます。
1.将来必要になる金額を計算してみる
漠然としたお金の不安があるのは、今後どのくらいお金が必要になるのか、把握していないことが原因です。まずは、10年後、20年後、そして自分たちの老後と、これから必要となるお金を具体的に計算してみましょう。
例えば、日本では子どもが全て公立の学校に通った場合、幼稚園から高校を卒業するまでに約1,000万円が必要であると言われています。ご質問者の家庭で、これから必要となる学費や、習い事の費用の合計金額を計算してみましょう。
また、自分たちの老後資金についても、例えば夫婦2人で月30万円を使う場合、20年間でいくら必要になるか求めることができます。計算式は30万円×12ヶ月×20年間となり、夫婦で7,200万円ですね。実際は、退職金や年金などでこの費用を補うことになりますが、少なくても老後資金として貯蓄2,000万円くらいを準備しておくと安心です。
このように必要になる具体的な金額が分かると、漠然とした不安感を少なくすることができるでしょう。
2.毎月の貯蓄を2~3万円アップさせる
ご質問者は家計の見直しに励んでいますが、できれば食費や電気、ガス水道費、通信費、家族のお小遣いなどの費目から少しずつ節約をして、毎月の貯蓄を2~3万円アップできないか検討してみましょう。節約が難しい場合は、相談者様のパートの時間を増やし、月2~3万円収入を上げるのも良いですね。
毎月の貯蓄を2~3万円アップさせることができれば、その分は資産運用に回し、さらにお金を増やすことが可能です。
3.引き続き資産運用を続ける
すでに資産運用を始めていますが、毎月の積立投資を行い、さらにお金を増やしていきましょう。
「2.毎月の貯蓄を2~3万円アップさせる」で、毎月の貯蓄が3万円増えたら、その分を資産運用にまわします。例えば、月3万円を年率5%で積立投資した場合、投資元本720万円が20年後には1,200万円くらいまで増えます。資産運用で得たお金は、子どもの教育費や夫婦の老後資金として、有効に使うことができるでしょう。
まとめ
定期的な家計の見直しを行うことで、自分たちの家計の良い点や、まだ改善できる点を探すことができます。今回ご紹介した内容を参考にしながら、自分たちの家計もぜひチェックしてみましょう。