連載記事

子どもの習い事で毎月6万7千円。夫婦で毎月54万円の収入、将来のお金は足りる…?【リアル家計相談】

働く・学ぶ

stock.adobe.com

2024.07.10

40代は、子どもの教育費、親の介護費、そして将来必要となる自分たちの老後資金と、経済的に不安を感じる方が多い世代です。今回は「自分たちの家計はこれで大丈夫なのか」「どうやって家計を見直したらよいのか」とお金で悩んでる40代の方からご質問をいただきました。家計をチェックしながら、ファイナンシャルプランナー視点で具体的な改善ポイントを解説していきます。

広告

ご相談「子どもの習い事はやめずに、将来のお金を確保したい」

悩む女性出典:stock.adobe.com

相談者情報

相談者:女性、43歳、パート・アルバイト
家族構成:夫(40歳)、娘10歳(小4)、娘7歳(小2)の4人家族
住まい:千葉県、持ち家(一戸建て)

相談内容

年俸制で、月割で貰っているのでボーナスはありません。 ボーナス支給のある場合と比べたら月収が高くなるからなのか、月の基本的な支出が多めになってしまいます。節約意識が欠けていたのももちろんです。

最近になってようやく家計管理を始め、保険の見直しや格安SIMへの変更など、出来るだけ固定費は見直したつもりです。

子どもの習い事に結構お金がかかっていますが、今のところやめる予定はありません。 来年からは上の子の入塾も検討しています。 これから子どもの教育費、自分たちの老後のことを考えると不安です。 今後の為にどう家計を見直したら良いのか、アドバイスお願いします。

家計収支状況

家計

それでは、お金のプロであるファイナンシャルプランナー視点で、問題点の洗い出しと改善方法を見ていきましょう。

家計の良い点

悩む女性出典:stock.adobe.com

ファイナンシャルプランナーの下中英恵です。

ご質問者の方は、これからまだ教育費がかかる小学生のお子さんが2人いるご家庭です。

家計へのアドバイスを行う前に、まずはご質問者の方の家計で、見習うべき良い点をチェックしていきましょう。

1.問題意識を持ち、家計管理や見直しを行っている

家計管理を始めて、保険の見直しをしたり、格安SIMへの変更をしたりと節約を行っていることは、大変素晴らしいですね。自分でできる家計の見直しに順次着手することは、パワーがいります。お金への意識が高いのは、見習うべきポイントです。

2.ゆずれない費用を明確化している

ご質問者の家庭では、子どもの習い事にかける費用はゆずれないと明確化しています。確かに、教育費・習い事費用の月67,000円は、毎月の支出の中で割合が高いですが、自分たちがお金を使いたいと思っているポイントを自覚し、優先させる意識は大切です。その他の部分で節約を心がけることができます。

3.資産運用を行っている

60万円分の投資を行い、お金を増やしていこうという意識があるのは、大変良いポイントです。普通預金ではお金は増えないので、常に貯蓄を投資に回していこうとする意識を持ちましょう。

家計を改善するアドバイス

ご質問者の場合、家計の見直しに取り組んでいますが、まだお金に対して漠然とした不安を抱えているようです。具体的に家計を改善するためのポイントを見ていきます。

1.将来必要になる金額を計算してみる

将来必要になる金額を計算してみる出典:stock.adobe.com

漠然としたお金の不安があるのは、今後どのくらいお金が必要になるのか、把握していないことが原因です。まずは、10年後、20年後、そして自分たちの老後と、これから必要となるお金を具体的に計算してみましょう。

例えば、日本では子どもが全て公立の学校に通った場合、幼稚園から高校を卒業するまでに約1,000万円が必要であると言われています。ご質問者の家庭で、これから必要となる学費や、習い事の費用の合計金額を計算してみましょう。

また、自分たちの老後資金についても、例えば夫婦2人で月30万円を使う場合、20年間でいくら必要になるか求めることができます。計算式は30万円×12ヶ月×20年間となり、夫婦で7,200万円ですね。実際は、退職金や年金などでこの費用を補うことになりますが、少なくても老後資金として貯蓄2,000万円くらいを準備しておくと安心です。

このように必要になる具体的な金額が分かると、漠然とした不安感を少なくすることができるでしょう。

2.毎月の貯蓄を2~3万円アップさせる

貯蓄を増やす出典:stock.adobe.com

ご質問者は家計の見直しに励んでいますが、できれば食費や電気、ガス水道費、通信費、家族のお小遣いなどの費目から少しずつ節約をして、毎月の貯蓄を2~3万円アップできないか検討してみましょう。節約が難しい場合は、相談者様のパートの時間を増やし、月2~3万円収入を上げるのも良いですね。

毎月の貯蓄を2~3万円アップさせることができれば、その分は資産運用に回し、さらにお金を増やすことが可能です。

3.引き続き資産運用を続ける

引き続き資産運用を続ける出典:stock.adobe.com

すでに資産運用を始めていますが、毎月の積立投資を行い、さらにお金を増やしていきましょう。

「2.毎月の貯蓄を2~3万円アップさせる」で、毎月の貯蓄が3万円増えたら、その分を資産運用にまわします。例えば、月3万円を年率5%で積立投資した場合、投資元本720万円が20年後には1,200万円くらいまで増えます。資産運用で得たお金は、子どもの教育費や夫婦の老後資金として、有効に使うことができるでしょう。

まとめ

定期的な家計の見直しを行うことで、自分たちの家計の良い点や、まだ改善できる点を探すことができます。今回ご紹介した内容を参考にしながら、自分たちの家計もぜひチェックしてみましょう。

広告

著者

下中英恵

下中英恵

東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています。

気になるタグをチェック!

saitaとは
広告

人気記事ランキング

ランキングをもっと見る