教えてくれたのは……マインドトレーナー 田中よしこさん
株式会社コレット代表取締役。心理学・脳科学、コーチングの知見を取り入れ、「自分を本当に知る」ことをメソッド化。個人セッションやセミナーなどを中心に、潜在意識を整え、本心と「未来の理想の思考」を引き出す方法を伝えている。『モヤモヤしない考え方』(ワニブックス)より新刊発売。
幸福度が高い人の暮らしにある「3つの余白」
朝起きてから寝るまで、不安や焦りに追われ、「あれもやらなきゃ」「これもやらなきゃ」という思考が常につきまとっていませんか? もしそのような状態が続いているなら、あなたの心はきっとパンパンになっているはず。「私、何のためにこんなに頑張ってるんだろう 」と、ふと虚しくなる瞬間もあるかもしれません。
実は、幸福度が高い人たちの暮らしには、意識的に「余白」を作っているのをご存知でしょうか?
「余白」と聞くと、贅沢な時間のように感じるかもしれませんが、実はそうではありません。忙しい毎日を送っているからこそ、日々の暮らしの中に少しだけ「隙間」を作ることで心にゆとりが生まれ、毎日が驚くほど楽しくなるのです。今回は、幸福度が高い人が実践している、暮らしの中の「余白」の作り方をご紹介します。
1.「何もしない時間」という心の余白
毎日、何かと予定を入れて、「有効に時間を使わなきゃ」と思っていませんか? 一方で、本当に幸せな人たちは、あえて「何もしない時間」を大切にしています。
例えば、
- 休日の午前中に目覚ましをかけずに好きなだけ寝る。
- 家事を全部終えなくても、ソファで好きな音楽を聴くという“予定”を入れる。
この「何もしない時間」は、あなたの心がホッと一息つける、大切な休息のひとときです。この余白があるからこそ、また次の行動への切り替えがスムーズになり、心にゆとりが生まれやすくなります。
2.「決めすぎない」という計画の余白
スケジュールがびっしり詰まっている、むしろ詰まっていないと不安……。まるでパズルのように隙間がない状態に安心感を持つ人も多いかもしれません。その反対に、幸福度が高い人は「決めすぎない」ことを意識しています。
例えば、
- 週末の予定は大まかに決めておき、残りはその日の気分で決める。
- 毎日の献立を完璧に決めず、冷蔵庫にあるもので「今日はこれ!」と気軽に決める。
- ToDoリストは優先順位が高いものだけに絞り、残りは「できたらラッキー」程度に考える。
「決めすぎない」余白は、私たちに柔軟性をもたらしてくれます。予定通りにいかなくてもイライラすることが減り、急な変化にも対応しやすくなります。心が「これでなきゃダメ」という固定観念から解放されることで、自由な発想も生まれやすくなるのです。
3.「手放す」というモノと心の余白
あなたの家の中に、「いつか使うかも」と思いながら、何年も眠ったままのモノはありませんか? そして、心の中にも、過去のモヤモヤや人への不満を抱え込んでいませんか? 幸福度が高い人たちは、そうしたモノや心の中の執着を「手放す」ことをとても大切にしています。
例えば、
- 使っていない服やモノを思い切って手放す。
- 完璧な家事を目指すのをやめ、「これくらいでいいや」と、こだわりを手放す。
- 過去の失敗や、人から言われた嫌な言葉への執着を手放す。
モノが少ない部屋は、それだけでスッキリして気持ちがいいですよね。同じように、心の中の不要なものを手放すことで、心が軽くなり、新しいスペースが生まれます。「余白」ができた心には、喜びや感謝といったポジティブな感情が入り込む余裕が広がるのです。
「余白」を作り、忙しい日々にゆとりを
この3つの「余白」は、忙しい毎日を過ごしている私たちだからこそ、意識して作りたいものです。ほんの少しの隙間が心にゆとりを与えるだけでなく、脳にも余白を作り出します。実践することで、想像以上にスッキリした感覚が得られるはずですよ!