応援しただけなのに、正しいことを伝えただけなのに。
塾の宿題に取り組む息子。「この単元難しい」と呟いて手が止まっていたので、「大丈夫だよ、前もできたじゃん」「ほら、諦めないの」と励ました。手を動かさず、うじうじし始めたので、「今逃げたら次の試験でうまくいかないよ」「こんなことで参ってたら、受験を乗り越えられないよ」と付け足した。すると黙り込んでしまい、自室にこもってしまった。励ましただけなのに、間違ったことは言ってないのに、難しいなあ。
応援しよう、支えようと思い、かけた言葉が、子どもにとっては追い詰められたと感じてしまうことも。
小学校高学年は、「できない自分」や「うまくいっていないモヤモヤ」を強く自覚し始める時期。
そんなとき、子どもを想う親御さんほど熱心に励ましたり、鼓舞したりするのですが、圧やプレッシャーとなってしまいがちなんですね。
やりがちな失敗例から、勉強中の子どもへの声かけを考えてみましょう。
子どもを追いつめてしまっているかもしれない、NG声かけ4選
「前もできたでしょ?」と過去の成功を持ち出す
「前もできたんだから、できるはず」「あなたはできる力がある」というメッセージを込めた言葉。
勇気づけるために言ってしまいがちですが、子どもは「今できてない自分はだめ」「前より劣っている」と受け取ることも。
行き詰まっているときに必要なのは、励ましばかりではありません。
”できるはず”と親が感じているときは、「一旦時間を置いてみたら?」「ちょっと休憩しよう」と息抜きを促すと子どもが持つ力を発揮しやすくなります。
過去との比較はせず、親子ともに課題から距離を置くのがおすすめです。
「みんなここでつまずく」は、安心より孤独を生むことも
「この単元は、みんな難しいって言うよ」 「誰でも一回はつまずくところだから」は一見、悪くない声かけに思えますよね。
「あなただけじゃないから大丈夫」と伝えたいとき、言いがちなこの言葉。
事実の説明としては正しいのですが、気持ちの受け止めにはなっていないんですね。
子どもからすると、「自分のしんどさをわかってもらえていない」「私が困っていることを見てほしい」と思うことも。
一般論ではなく、「どこからつまずいてる?」「ここで迷ってるんだ」と、本人に焦点を当ててあげられるとよいでしょう。
「この先困るよ」と未来の話をする
「今これで悩んでたら、この先もっと大変だよ」 「今のうちに慣れとかなきゃ」
子どもの現状に不安を感じたとき、つい口に出てしまう言葉。
もっと頑張ってほしい、ここで立ち止まっててはいけないと思う気持ちはもっともですが、子どもは逃げ場を失った感覚になってしまいます。
「今のしんどさが軽く扱われた」「不安をあおられた」と感じてしまうんですね。
今、いっぱいいっぱいの子どもに、追い打ちをかけてもやる気が出てくるわけではありません。
「しんどいよね」「今の段階ではここが壁なんだね」など、気持ちを汲み取ってあげるのがよいでしょう。
すぐに解決策を提示する
子どもが行き詰まっているとき、「じゃあこうしたら?」「ここはこう考えればいい」とすぐに解決策を提示するのもNG。
もどかしさを感じていたり、楽にしてあげたいと思っているときに出る大人の優しさですが、子どもには「考える前に終わらせられた」感が残ることも。
特に真面目な子ほど、「もう自分で考えなくていいや」と心を閉じてしまいます。
大人が提示する近道よりも、子どもが時間をかけて自分自身で見つけた道の方が、実になりやすいもの。
口を出したくなる気持ちをぐっとこらえて、子どもの試行錯誤を見守るのも大切です。
正しさは、ときに逃げ道をふさいでしまう
追い詰められる瞬間は“怒られたとき”より、“理解されなかったと感じたとき”に起こりやすいもの。
うちは怒っていないから大丈夫なのではなく、真剣に正しさを説いているとき、子どもは息苦しさを感じているかもしれません。
わからなくてもいい、間違えてもいい、投げ出すときがあってもいい。
そのままでいていい時間を作ってあげるのも、親の大切な役目です。
回復して元気が出たときに、「もう1回頑張ってみよう」と思えるような声かけを積み重ねていけるといいですよね。



