子どもがすぐAIに頼るのはどこまでOK?「考える力」の育て方“3つのポイント”

家族・人間関係

stock.adobe.com

2026.02.28

臨床心理士・公認心理師のyukoです。「すぐAIに聞こうとするんです」とは最近、保護者の方からよく聞く言葉です。子どものすぐそばに検索ツールやAIがある時代。親世代は自分で調べ、悩み、時間をかける経験をしてきただけに、ショートカットのように見える行動にモヤモヤするのは自然なことです。子どもの思考力はどう育てていけばよいのでしょうか。

広告

AIに頼らず、自分で考えてほしい

小学校5年生の娘。久しぶりに作文の課題が出たが、「何を書けばいいかわからない」と言いながら、タブレットを開く。「ちょっとChatGPTに聞いてみるだけ」とすぐに調べようとするので「まずは自分で考えなさい」と強めに言ってしまった。娘は「ヒントがほしいだけなのに」とつぶやき、画面を閉じる。その背中を見ながら、モヤモヤしてしまう。便利な時代だけど、それって本当に“考えた”ことになるの? 

スマホを見るこども出典:stock.adobe.com

小学校中学年以降くらいになると、「正解を出さなきゃ」「変なこと言いたくない」など人目を気にする気持ちがいっそう強くなります。
そのため、 AIは“答え”ではなく、“安心材料”として使っていることも多いのです。
「自分一人で考えたわけではない」という安心感を与える存在であり、サポーターとして機能しているんですね。

そのためAIの利用を禁止してしまうと思考停止してしまったり、どうしたらよいかわからなくなる子も多いんです。
ポイントは、「禁止」ではなく「使い方を一緒に設計する」こと。
子どもとAIをどのように関わらせていけばよいのでしょうか。

AI時代の「自分で考える力」の育て方

いきなり止めず、目的を聞く

✕「AIばっかり使わないで」
○「今、何を知りたくて使おうとしてるの?」

タブレットを見る親子出典:stock.adobe.com

いきなり禁止するのではなく、まずは意図・目的を確認します。
ヒントがほしいのか、丸ごと答えがほしいのか。
親の想像を超えて、上手にAIを利用しながら自分の思考を整理している子もいます。
一概に「AI=ズル」とするのではなく、まずは聞いてあげられるとよいでしょう。

 “自分の考え→AI”の順番をつくる

「まず3分、自分の案を出してみよう。そのあとAIに聞いて比べてみる?」

 AIを“答えをもらう道具”ではなく“比較する材料”に変える声かけがおすすめです。
AIの利用方法・可能性を広げていくことも、現代に必要な力です。
「教えて」だけではなく、「〇〇と思うんだけど、他にはどんな選択肢がある?」「この考えのメリットとデメリットは?」と聞いてみる。

使うのを禁止するのではなく、「どう使ったら、あなたの力になるかな?」と一緒に考えていけるとよいでしょう。

思考の途中を言葉にさせる

  • 「どこまで自分で考えた?」
  • 「AIの答えのどこがしっくりきた?」

など、思考した部分を整理する声かけがあるのもよいでしょう。

タブレットを見る親子出典:stock.adobe.com

理想は、横で作業しながらなんとなく話しかけるようなスタイル。
AIの使い方や宿題の取り組み方を監視・アドバイスするのではなく、「どんな感じ?」くらいライトに会話を交わせるといいですよね。

広告

「考える力」は、時代によって変化する

親世代は、先生に質問しに行ったり、図書館で本を読んだりしながら、時間をかけて考え、調べながら思考力を培ってきました。
だからこそ「自分で考えなさい」と言いたくなる気持ちはもっともですし、間違った言葉でもありません。

しかし、AIがある時代に必要なのは、「AIを利用しながら自分で考える力」を育てること。
AIを、「とりあえず聞く存在」から「自分の考えを磨く相手」に変えていくことが大切です。

「使わないで」ではなく「どう使ったら、あなたの力になるかな?」と横で問いかける。
今の子どもにとっては、そんな大人の存在が必要なのではないでしょうか。

広告

著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

この記事をシェアする

気になるタグをチェック!

saitaとは
広告

人気記事ランキング

ランキングをもっと見る