完璧主義もモヤモヤも…ふたり暮らし姉妹の赤裸々手帳習慣【書いてみるとちょっといい】

カルチャー

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2026.03.25

書くことが、毎日続かなくても。 何を書いたらいいかわからなくても。 それでも、お気に入りの手帳やノートを開いてみると、 さまざまな「役割」で走り続けている自分が、ひとつにもどる感覚を覚える。 書くことは、ココロのチューニング。 昨日のご飯、今日のお天気、明日の予定……毎日じゃなくても、書いてみるとちょっといいかも。

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始まりは新宿「手帳Night」

ともちゃん手帳

2025年5月、新宿で開催された手帳イベント。それがすべての始まり。

かつては日記を始めても「きれいに書けない」と挫折してきた、姉のあっちゃんと妹のともちゃん姉妹は、今や自他共に認める「手帳沼」の住人だ。

「誰に見せるものでもないから、ルールもないし間違ってもいい、自由に書いていいんだと聞いて世界が変わりました」 ともちゃんが手にしたのは、お気に入りのステッカーが貼られた1日2ページ手帳「hibino」。

お茶の時間出典:www.photo-ac.com

ふたり暮らしのテーブルで、お茶を飲みながらそれぞれの手帳を広げる。そんな「書いてみるとちょっといい」時間が、ふたりの毎日をゆるやかに、けれど確実に変えていった。

姉 あっちゃんの場合

あっちゃん

手帳は「外付けハードディスク」

編集者として多忙な日々を送るあっちゃんは、文庫本サイズの「ほぼ日手帳」をチョイス 。彼女にとって手帳は、アタマとココロのキャパシティを補う「外付けハードディスク」のような存在なのだとか。
「毎日の業務での疲れもあるし、自分のキャパはそんなに大きくない。だから、感情や記憶を一旦手帳という外部メモリに移して、自分の中から外に出してあげるんです。」 

HDD出典:www.photo-ac.com

最近、仕事に集中できず、モチベーションも低下し落ち込んでいたというあっちゃん。その状態を脱却するヒントが手帳に書き殴ることで発掘された。

あっちゃん

「書き出してみたら、結局『部屋が汚いこと』にイライラしている自分に気づいたんです(笑)もちろん他にも理由や原因はたくさんあって複合的に絡まっていたこともわかりました。ただ、部屋の汚さが大きな原因なのであれば、次に何をすべきかがわかったので、すっきりできました(笑)」 

ともちゃん

「書く」というアウトプットは、彼女にとって自分自身との対話のようだ。

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妹 ともちゃんの場合

ともちゃん

「自分を許す」ための白い余白

「私は謎の完璧主義者で(笑)字が気に入らないだけでノートごと嫌いになるタイプ(笑)」と笑うともちゃん 。そんな彼女が今愛用しているのは、あえて日付の入っていない「MDノート」

ともちゃん

「最初は日付がある方がいいと思っていたけれど、今は日付がないからこそ、旅行の思い出を3ページにわたって書く日もあれば、ひと言だけの日があってもいい。白紙の日だって、『ああ、最近は忙しかったしね』と自分を客観視できるようになりました」 

ともちゃん

以前は手帳のデコレーションにも興味があったともちゃん。しかし「やってみたけど、続かない」というジレンマを抱えていた。しかし今は、二重線で書き損じを消し、後から別色のペンで「あの時はこう思っていた」と追記するスタイルを楽しんでいる 。手帳はともちゃんにとって「作品」ではなく、感情を「消化」するための大切な場所になった。

カウンセリングやアプリよりも手帳

かつてはあっちゃんは占いに相談に行ったり、ともちゃんはカウンセリングや認知行動療法のアプリを使用したこともあった。もちろんそれらの効果も得られたのだが、最終的に行き着いたのは「紙に書く」こと。

手帳とアプリ出典:www.photo-ac.com

「アプリで感情を数値化するのは便利だけれど、そこから溢れた言葉にできない感情の行き場が必要でした」

手帳を書くようになってから、ネガティブな感情に引きずられる時間が明らかに短くなったとのこと。
「何もしなかったような気がする一日でも、手帳に残すことで『私たちの毎日って尊いんじゃないか』と思えるようになったよね。記憶の解像度が上がって、すでに充実していた自分に気づけたっていうか……」

「日記持ってく?」が合言葉

やがてふたりの暮らしに新たな習慣が生まれた。
今では外出する際、「日記持ってく?」「うん、 持ってこうかな」と、自然に言葉を交わす。

以前はスマホを眺めて終わっていた自宅でのお茶の時間や外出時のカフェタイム。今ではお互いの「ココロのチューニングタイム」へと変化した。姉が落ち込めば妹が励まし、妹が立ち直れずにいると姉が寄り添う。ふたりとも、手帳を「逃げ場所」ではなく「戻る場所」にしている。

バッグに手帳出典:www.photo-ac.com

そしてもう1つ、手帳に執着していないところが彼女たちのいいところ。

「過去を振り返ってカラーペンで感情を書き足すことはあっても、ずっと大切に保管しておきたいという感情は不思議と無いんですよ。手帳は、燃やしてもいいくらいの気持ちで書けばいい。そう思えたから、私たちは続けられているんだと思います」

たとえページをさかのぼっても過去の悩みやネガティブな感情に引っ張られることなく、「今はもうそこにはいないよ」と、ふたりは振り返らず確かな足取りで歩みを進めている。

手帳はココロのサードプレイス

サードプレイス出典:www.photo-ac.com

イベントから始まった、姉妹の「手帳のある暮らし」。

それは、誰かに見せるためのキラキラした記録ではなく、落ち込んだことも、些細な体調の変化も、すべてを受け止めてくれる心強い相棒との二人三脚だ。

もし「毎日がなんとなく過ぎていく」「謎の完璧主義」に心当たりがあるなら、一冊の手帳と、お気に入りのペンを手に取ってみてほしい。美しい文字でなくても、間違ってもいい。イラストも、シールも、なくていい。白紙のページもまた、多忙な日々のノンフィクション。

「書いてみると、ちょっといい」

隣にいる人とその気持ちを分け合えたら、きっと、もっといい。

★ふたりが愛用している手帳

ほぼ日手帳 公式サイト (あっちゃん愛用。1日1ページ)
https://www.1101.com/store/techo/

MDノート (ともちゃん愛用。「方眼・横罫・無地」など)
https://www.midori-store.net/SHOP/22409006.html

・hibino (ともちゃんの昨年の手帳)
https://www.midori-store.net/SHOP/207278/list.html

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著者

みやむらけいこ

みやむらけいこ

ライター・インタビュアー歴20年以上。媒体を問わず取材執筆を行う。現在では自身の主食「チョコレート」や時間やタスク管理だけではなくココロを整える「手帳」、軽やかに生きるための「自分と向き合う方法」、シゴデキ女子や店舗の「密着取材」などをライフワークとして行う。

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