「40代は“第3の思春期”」性格分類学®の第一人者が語る“これからの人生”との向き合い方

家族・人間関係

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2026.06.07

「私、このままでいいのかな?」。 40代になると、これまでとは違う不安や迷いを感じる人が増えてきます。子育て、夫婦関係、仕事、自分のこれから。頑張ってきたはずなのに、ふと立ち止まってしまう。 性格分類学®の第一人者・飯塚そね先生は、そんな40代を“第3の思春期”だと話します。最終回となる今回は、40代以降の女性がラクに生きるために必要な「メタ認知」と「自分を知ること」について伺いました。

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教えてくれたのは……飯塚そね先生

飯塚そね先生

性格分類学®の第一人者として、夫婦関係や親子関係、人間関係の悩みに向き合い続けてきた飯塚そね先生。エニアグラムをベースに、発達心理学や脳科学の視点を取り入れた独自メソッドで、多くの人の人生をサポートしています。

40代は、“成功”より“意味”を探し始める時期

窓を見る女性出典:stock.adobe.com

――性格分類学®を研究されて21年ということですが、お話を聞いて、もっと多くの人に知ってもらいたいなと感じました。

私、今年40歳になるんです。20代の頃から、40歳という節目をすごく楽しみにしていました。40代、50代は、“何を残していくか”という年齢になっていきます。なので、ここからは、性格分類学®をたくさんの方に知ってもらうためのフェーズに入っていくかなと考えています。

――楽しみにしていた40代になる今のお気持ちは?

やっと、憧れの40歳になれる! と思う反面、実際は、まだまだ未熟だなと感じている部分もたくさんあります(笑)。

――saitaの読者の多くは、40代以降です。40代という年齢に対していろいろ考えがあると思うのですが、性格分類学®の視点から、飯塚さんは40代をどのようにとらえていますか?

40代は、“第3の思春期”だと思っています。40歳までは、「成功したい」「何かをつかみ取りたい」「誰かより上に行きたい」という気持ちで頑張る人が多いんです。でも、40代になると、価値観が変わってきます。「私は何のためにここまで生きてきたんだろう」「これから何を残していくんだろう」と、“成功”よりも“意味”を求めはじめる時期になっていきます。

――40代で落ち込みやすくなる人が多い理由も、“第3の思春期”と聞くと納得できますね。

「私、このままでいいのかな」って立ち止まりやすい時期です。過去を振り返って、「私って何をしてきたんだろう」と感じたり、今の自分に自信が持てなくなったりする人も多いです。さらに、40代は、更年期とも重なるので、精神的にも揺らぎやすい時期でもあります。でも、それっておかしいことじゃないんです。「今は第3思春期なんだ」って理解できるだけで、気持ちはかなりラクになります。

中学生の子どもが不安定でも、「思春期だからね」って思えるじゃないですか。それと同じで、大人にも心が揺れる時期があるんです。

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40代に必要なのは、“自分を俯瞰して見る力”

飯塚そね先生

――そんな40代に必要なことって、何でしょうか?

私は、“自分を振り返ること”だと思っています。「自分のことは自分が一番わかっている」と思っている人は多いんですけど、本当にそうなのかを、一度俯瞰して見てみることが大事です。40代って、「私はどういう人なんだろう」「これからどう生きたいんだろう」って、自分の意味を探し始める年代でもあるので。

――“俯瞰して見る”というのは、具体的には?

心理学では、”メタ認知”という考え方があります。アメリカの発達心理学者 ジョン・H・フラベル(John H. Flavell)が提唱したもので、“自分を客観的に見る力”のことです。

実はこの力って、IQや記憶力よりも大事な知性だと言われているんでよ。でも、多くの人は自分の価値観や思い込みだけで世界を見てしまう。だからこそ、40代からは、この“メタ認知”を育てることがすごく大事になってくるんです。

――先ほど、40代以降は“何を残していくか”という年齢になるとお話されていましたが、それは、何か新しいことへの挑戦や学びであってもいいのでしょうか。

40代、50代って、これまでの経験や人生の積み重ねがありますよね。だからこそ、そこに新しい知識や視点が入った時の“気づき”がすごく早いんです。20代、30代よりも、「ああ、そういうことだったのか」って深く理解できるんです。だから私は、40代・50代は、“学びに最適な年代”だと思っています。ただ、何を学べばいいのかわからないまま、手探り状態になっているという方が多いのも多いです。

――学ぶべきものに出会えていないということですか?

そうです。日本の心理学って、研究としては発展しているのですが、カウンセリング文化や集団セッションみたいなものは、海外の方が進んでいます。特に日本人は、“自分を語る機会”が少ないんですよね。でも、自分のことを言葉にして話すことで、「私は、こう感じていたんだ」と気づけることってすごく多いんです。

――“話すこと”が、自分を知ることにつながるんですね。

人って、話しながら自分を客観視していくんです。「意外と私、強い言い方してたな」とか、「本当は寂しかったんだな」とか。コミュニケーションを取りながら、自分を俯瞰して見ることで、客観性が育っていくんです。

――女性ってすごく話すじゃないですか? でも、その多くは愚痴だったりもする。愚痴を言って終わりでは、メタ認知にはならないということですよね?

そうなんです。愚痴は、表面的な発散にはなりますが。本当の意味での解決にはなりません。お話してきたように、夫婦関係も親子関係もそうですが、人の行動には必ず“理由”があります。愚痴ばかり話してしまう場合は、まずその理由を知ることが大事です。

人は、生涯発達する

遠くを見つめる女性出典:stock.adobe.com

――今の40代の多くが抱えている問題点はなんだと思いますか?

やはり多いのは、“閉塞感”じゃないでしょうか。特に、今の日本は核家族化が進んでいて、昔みたいに近所同士で支え合う関係が少なくなりました。夫婦関係も、すごく閉鎖的になっています。そうなると、人はどうしても“自分基準”で物事を見てしまいます。そして、悲観的になりはじめると、どこまでも悲観的になってしまう。

――そこから抜け出すためには?

私は、発達心理学の観点から「人は生涯発達していくもの」だとお伝えしています。赤ちゃんの頃って、「今日は、何ができるようになった」と、細かく発達を見ますよね。でも、大人の発達についてはほとんど意識されない。けど、実は、人って大人になってからもずっと発達しているんです。その“発達の流れ”を知るだけで、「今の自分に必要なこと」が見えてきて、気持ちがラクになる方も多いです。

――やはり、“自分を知る”が全てにつながるんですね。

まずは、「40代という発達段階にいる」ということを知る。そして次に、自分がどういう性格で、どんな価値観を持っているのかを学問的に理解する。それだけで、40代以降の人生の質って大きく変わってくると思うんです。今はSNSなど情報が多すぎて、何が正しくて、何が本当に必要な知識なのか見極めるのも難しい時代です。だからこそ私は、ちゃんと裏付けのある“学び”を持ってほしいと思っています。

***
夫婦関係、親子関係、そして自分自身との向き合い方。5回にわたってお届けした飯塚そね先生の「性格分類学®」のお話は、“相手を変える”のではなく、“まず自分を知る”ことの大切さを教えてくれるものでした。

「どうしてわかってくれないの?」
そう感じたときこそ、自分と相手の“違い”を知ることが、人生をラクにする第一歩なのかもしれません。

40代は、まだまだこれから。
自分を知ることで、人間関係も、人生も、きっともっと優しく変わっていくはずです。

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著者

山田かほ

山田かほ

フリーライター・インタビュアー歴15年。読んだ人の心にふわっとした空気が流れるような記事や情報をお届けできるよう心がけています。

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