親の「きちんと育てたい正解思考」が子どもに与える影響

家族・人間関係

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2026.06.26

子育てでは責任感の強い親御さんほど、「きちんと育てたい」意識が高くなるもの。しかし「きちんと」が強くなりすぎると、子どもは“評価される前提”で判断し、失敗を避ける、正解を探す、顔色を見るように。“きちんと”と“自由”のバランスをどう取っていくかを考えます。

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「どうしたいか」より「どう思われるか」を優先するわが子が心配。

今年で小5になる息子。ルールやマナーはきちんと教えて育ててきた。先生からもママ友からも「しっかりしてて良い子」と言われる。家でも聞き分けがよく手はあまりかからないが、最近少し気になることが。「どっちを選んだら正解?」「みんなはどっちの方がいいと思うかな。普通は?」など、‟正しさ”を気にしたり、『好きな方でいいよ』と伝えても「うーん」と決められない様子がある。“その子らしさ”、“自由さ”はどう育てていけばよい?

考える子ども出典:stock.adobe.com

人に迷惑をかけないように。周囲から浮かないように。不適切な言動をしないように。
子どもが困らないよう、きちんと育てたい気持ちは、多くの親が持つものだと思います。

しかし、“きちんと”が強すぎると、子どもは‟評価される前提”の行動が身についていきます。

  • どっちの選択が、周囲の手を煩わせないか。
  • どれを選んだら、親が喜ぶかな。
  • どんな発言をしたら、先生は褒めてくれるだろうか。

真面目な子ほど、自分の気持ちより、‟適切さ”を気にする癖が身についていくんですね。
「ちゃんとした子」になりすぎず、自由に自分の気持ちを表現できる子になっていくためには、どのような関わりが必要なのでしょうか。

「ちゃんとした子」を目指しすぎないために、親ができること

行動や選択に意味を求めない

最近は、家庭の中でも言語化やプレゼン力が重視されています。
しかし、すべての選択に「正当性」を求められると、型にはまった正しさの中でしか考えられなくなってしまいます。

最近の推しや、旅行先でのお土産選び、誕生日に欲しいものなどに対して、

  • なんか雰囲気が好き
  • なんとなく惹かれる
  • 理由はわからないけど、興味がある

このような、「説明できない感覚」も大切にしていくのがおすすめです。
説明を求められると、つい「正しく、合理的で、妥当な」理由を考えてしまうからです。

なんか、なんとなく、理由はないけど……の中に、その子らしさが隠れていることも多いんです。

タブレットを見る子ども出典:stock.adobe.com

‟改善会議”は本当に必要なときだけでよい

「次どうしていけばいい?」
「何が原因だった?」
「改善できそう?」

このような、改善のための振り返りは悪いことではありません。
しかし「失敗→改善→修正→改善」を繰り返すばかりだと、「正しさ」に向かうことしかできなくなります。

友達とのコミュニケーションがうまくいかなかった、サッカーのプレーが思うようにできなかった、スピーチを失敗してしまった。
毎回、改善会議をするのではなく、「そんな日もあるよね」「不調だったね」で済ませるのもおすすめです。
一緒にアイスを食べたり、くだらない番組を見たり、早く寝たり、‟意味を求めない回復の時間”も必要なんですね。

 「親の期待に合う反応」をしなくていい空気をつくる

親からのプレッシャーが強くなくても、親の期待に応えようとする反応が身についている子は多いです。
特に、親の何気ない反応に敏感だったり、感情の機微に気づきやすい子ほど、親が安心する選択をしやすいもの。

たとえば、

  • 「最近、本をよく読んでるね」と言われたあと、急に読書を頑張りだす。
  • 「その友達いい子そう」と言われると、その友達の話を増やす。
  • 「こういうの似合うね」と言われると、その反応に合わせて選ぶ。

親が無意識に発した言葉も、子どもは意味のある反応として受け取っているかもしれません。
そのため、子どもの個性を伸ばしたいとき、‟その子らしさ”に目を向けたいときは、「それいいね!」よりも、「今はどんなのが好き?」を増やすのがおすすめです。
「今はそんな気分なんだ」「ママ知らなかった、面白いね」など、少し肩の力が抜けた反応だと、子どもは自分の感覚を育てやすくなります。

会話する親子出典:stock.adobe.com

子どもをちゃんと育てたい。
その気持ちは、子どもを大切に思っている証拠。
しかし、“ちゃんと”が増えすぎると、子どもは少しずつ、「自分がどうしたいか」を見失ってしまいます。

「なんとなくで選んでいい」「ちゃんとしてなくても、自分でいていい」
そんな緩い空気の中で、少しずつ自分らしさを見つけていけたらいいですよね。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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