“待てない子”が増えている?“粘って考える力”を育てるために家庭でできる3つのこと

家族・人間関係

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2026.05.31

臨床心理士・公認心理師のyukoです。今の社会では、動画はスキップや倍速、検索すればすぐ答えにたどり着く。待たなくてもいい環境に慣れ、「すぐに結果が出ないこと」に耐えにくくなっている子が増えています。粘り強く考えられる力を育てるにはどうしたらよいかを考えていきます。

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子どもが自分で考える時間が減っている気がする……

小学5年生の息子。算数の文章題は少し考えてわからないとすぐに答えを見ようとする、ゲームで行き詰まると解説動画を探し出す、YouTubeのショート動画は倍速で次々に再生。集中力がないのか、諦めやすいのか。粘り強く考えたり、時間をかけて答えを自分で見つけ出す達成感を積み重ねてほしいけどどうしたらよいのだろう。

悩む母出典:stock.adobe.com

今は、大人が思っている以上に「待たなくていい脳の使い方」が日常化している時代といえるでしょう。
一方で今は、粘り強く考え抜く力、AIに頼らず自分で最適解を見つける力が求められます。
どのように「待てる脳」を育てていけばよいのでしょうか。

時間をかけなくても快感が得られる環境

今の子どもたちは、とにかく「テンポの速い世界」を生きています。

答えは検索ですぐ出る、動画は倍速、退屈なら次へスワイプ。
‟時間をかけなくても快感が得られる環境”に囲まれているといえます。
すると脳は自然と、「すぐ反応が返ってくるもの」を好みやすくなり、数秒でも待たされるとイライラしやすくなっていきます。

一方で、勉強や人間関係はそうはいきません。

  • 文章題は、順序だてて道筋を考えないと解けない。
  • 気持ちのすれ違い、友達とのトラブルを解決するには時間がかかる。
  • 部活や習い事も、技術を伸ばすには時間がかかる。

悩む子ども出典:stock.adobe.com

待つ力を求められると、能力はあるのに途中でやめてしまう子が増えているのも、この社会環境が影響しているでしょう。
「できるはずなのに」「時間をかければ解決できたはずなのに」を減らすために、家庭でできる工夫を考えてみます。

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粘れる子になるために必要な「3つの環境調整」

「すぐ埋まる時間」を減らす

親世代も、空白の時間や余白が苦手な方がいます。
子どもがぐずる前に時間を埋めるためのアイテムを渡したり、数分の待ち時間でもスマホを見ていないと落ち着かなかったり。
まずは親子で‟暇な時間”に慣れるのも大切です。

たとえば、

  • 車移動中にすぐ動画を渡さないで、会話をしてみる。
  • 飲食店で待つ間は、ぼーっとしたり、周りを観察する時間にする。
  • 「あと5分待ってね」と言うとき、5分間の使い方を子ども自身で決めさせる。

子どもを退屈させてはいけないと焦る方も多いのですが、退屈な時間こそが脳を育てる重要な時間ともいえるんです。

外を見る子ども出典:stock.adobe.com

成果をすぐにフィードバックしない

子どもを丁寧に見ている親御さんこそ、「子どもの頑張りに対して即時フィードバックをしなければ!」と思いやすいもの。
しかし、「何点だった?」「すごいね! この調子でやっていこう!」など、途中経過や成果に対してすべてコメントする必要はありません。
なぜなら、‟反応が返ってこなくても頑張り続ける時間”も子どもにとっては大切だからです。

  • 漢字練習を数日続ける
  • 自分なりの練習プログラムを考えてサッカー練習に取り組む
  • 試行錯誤しながら動画編集を頑張ってみる

このような、続けている時間そのものを大切にする関わりがおすすめです。
結果ではなく、「結構長い期間続けてるね!」と取り組みそのものを認める声かけがあると、子どもも"努力の過程”を大切にしやすくなるでしょう。

「答えをすぐ渡さない会話」を増やす

SafariやGoogle検索、ChatGPTやGeminiなどのAI、YouTubeやTikTokなど。
わからないことを考える前に、検索する手が動いている方は多いのではないでしょうか。
大人がすぐにスマホで答えを手に入れる姿を見せていたら、子どもも自然と「わからない→答えを見る」癖がついていきます。

しかし本来、考える力は「わからない→考える→悩む→知る方法を模索する→答えを探索する」過程で育ちます。
なので子どもが「これどういう意味?」「わからない」と聞いたときは、

  • どのへんがわかりにくい?
  • なんでそこで行き詰ったんだろう。
  • スマホ以外のもので一緒に調べてみようか。

など、一度立ち止まって考えてみるのもよいでしょう。
すぐに正解に飛びつかない思考を育てるうえで、役立つステップになっていきます。

会話する親子出典:stock.adobe.com

“待たなくても成立する世界”においては、"待てる環境をどう作るか”が鍵になってきます。
少し退屈、少し不便。そんな暇な時間こそが、粘り強く考えられる力に繋がっていくことでしょう。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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