教えてくれたのは……石原 新菜(いしはら にいな)先生

イシハラクリニック副院長、ヒポクラティック・サナトリウム副施設長、健康ソムリエ理事。クリニックでの診察のほか、わかりやすい医学解説と、親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。
年齢を重ねて太りやすくなるのは、自然な変化
40代以降になると、若い頃と食べる量は変わらなくても太りやすくなったり、健康診断の数値が気になり始めたりと、体の変化を感じる方が増えます。
男性ホルモン・女性ホルモンは代謝にも関わるため、ホルモンバランスが変化する更年期に差しかかると、代謝が低下傾向になります。その結果、体重が増えやすくなる、コレステロール値が上がるといったケースも少なくありません。
「食べていないのに太る」と感じるのは、まさにこの変化の影響です。私の患者さまでも「なぜ痩せないのだろう」と首をかしげる方も多いほどです。
太りにくい体づくりに役立つ「4つの置き換え」
年齢を重ねると、若い頃のように「少し気をつければすぐ痩せる」というわけにはいかないことも多いです。とはいえ、食事を極端に減らす、運動量をいきなり増やすといった方法は現実的ではありません。極端なダイエットは継続しにくいうえに、栄養不足で筋肉が落ちて代謝がさらに低下してしまいます。
そこで大切なのが、無理なく続けられる“置き換え”です。 いつもの食材や調味料を少し変えるだけで、代謝を落とさずに太りにくい体づくりにつながりますよ!
1.ヨーグルトは「ビフィズス菌入り」を選ぶ
特定のビフィズス菌は、脂質代謝の改善が期待できることが最近の研究でもわかっています。
じつは、乳酸菌とビフィズス菌は別のものです。そのため、ヨーグルトを購入する際は、「ビフィズス菌入り」を選びましょう。ビフィズス菌入りのヨーグルトは、腸内環境全体のバランスを改善する効果も期待できます。
デザートにアイスクリームを食べるときは、アイスにビフィズス菌入りのヨーグルトを半分混ぜるのがおすすめです。半分をヨーグルトに置き換えることで、甘いものを食べたい気持ちを満たしつつ、カロリーや糖質を抑えられます。ゆるく置き換えて続けやすくするのがポイントです。
2.仕上げの油は「MCTオイル」にする
MCTオイルは、まずは1日小さじ半分程度の摂取を続けることで、体脂肪にアプローチしやすいオイルです。少量でも満腹感が続きやすく、ケトン体から効率よくエネルギーを供給してくれるため、ダイエット中にも取り入れやすいのが特徴です。
MCTオイルは発煙点が低く、加熱すると煙が上がる可能性があり危険です。料理や飲み物など、仕上げにひとかけする使い方が適しています。
3.お酢は「にごり酢」にする
お酢に含まれる酢酸は血糖値の上昇を抑え、コレステロールや血圧の改善にも役立つという研究があるため、日常に取り入れてほしい調味料です。せっかく使うなら、酢酸菌が残っている“にごり酢”を選ぶと、より効果的です。
にごり酢は、一般的なお酢に含まれる酢酸に加えて酢酸菌も含まれるため、体にうれしい働きが期待できます。
サラダにかけるドレッシングを、にごり酢を使った手作りのものに変えてみるのも手軽な方法です。また、MCTオイルと組み合わせれば、満腹感の持続と血糖値の安定化の両方を狙えます。さらにビフィズス菌入りヨーグルトに少量のお酢を加えたり、納豆にお酢をかけたりと、腸活によいとされる食材を組み合わせることで、一度に複数のメリットを得られる“ひと工夫”にもなりますよ。
4.牛乳の代わりに「豆乳」にする
女性の場合、大豆イソフラボンが摂れる豆乳を意識して取り入れるのもおすすめです。豆乳はタンパク質源にもなり、納豆や豆腐などの大豆製品も併せて摂ることで、動物性脂質の過剰摂取をおさえ、必要なタンパク質を補いながら女性ホルモンの働きをサポートできます。
年齢を重ねるとホルモンバランスの変化で代謝が落ちやすくなるため、大豆製品を日常的に取り入れることで、たんぱく質の動植物バランスがととのい、体調管理にも役立ちます。
今日から始めやすい「選び方」のひと工夫
いつもの食材を、より代謝や腸活に役立つものへ置き換えるだけでも、体の変化を感じられると思います。血糖値に左右されないエネルギー供給ができると、空腹のイライラが起こりにくく、メンタル面でも安定しやすくなるものです。「選び方」を少し変えて、無理なく続けられる体づくりを始めてみてくださいね!





