年齢とともに増える"ゴースト血管"。肌と髪を守る「巡りを整える食材」4つのポイント|医師解説

心と体

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2026.07.29

40代を過ぎた頃から、「スキンケアを頑張っていても肌が乾燥する」「髪のツヤがなくなってきた」「白髪が増えた」と感じる方も多いのではないでしょうか。もちろん加齢の影響もありますが、じつはその変化には、体の“巡り”の低下が関係していることも。今回は、イシハラクリニック副院長の石原 新菜先生に「巡りを整えて内側からサポートするために、毎日の食事で意識したい食材や生活習慣」について教えていただきました。

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教えてくれたのは……石原 新菜(いしはら にいな)先生

石原 新菜先生

イシハラクリニック副院長、ヒポクラティック・サナトリウム副施設長、健康ソムリエ理事。クリニックでの診察のほか、わかりやすい医学解説と、親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。

「巡りの力」が弱まると、肌や髪に栄養が届きにくくなる

40代以降になると、肌が乾燥しやすくなったり、白髪が増えたり、髪のツヤが落ちてきたりと、肌や髪の変化を感じやすくなります。こうした変化は栄養不足だけでなく、年齢とともに巡りが弱まり、必要な栄養が細胞まで届きにくくなることも関係しています。

髪の毛出典:stock.adobe.com

年齢を重ねると、血管の形はあるのに血液が通っていない状態の“ゴースト血管”が増えやすくなります。肌や髪の細胞は、細い毛細血管を通して酸素、水分、栄養を受け取っていますが、巡りが悪いとその先まで届かず、コンディションが落ちやすい状態に。さらに、運動不足、湯船につからない生活、睡眠不足、エアコンなどで冷えた環境で長時間過ごすことも、巡りを弱める原因になります。そのため、まずは血流を整え、栄養を届ける力を取り戻すことが大切です。

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年齢による変化をゆるやかに整えるために摂りたい食材「4つのポイント」

生活習慣の見直しに加えて、巡りを整えたり、髪や肌の細胞に栄養を届ける力をサポートしてくれる食材を取り入れたりすることも欠かせません。毎日の食事に上手にプラスして内側からコンディションを底上げし、年齢によるゆらぎに負けない“巡りのよい体”づくりを意識しましょう。

1.巡りをよくするもの

にんにく、長ネギ、ショウガ出典:stock.adobe.com

生姜、ニンニク、玉ねぎ、ネギなどの薬味、シナモンなどのスパイス類には、血管を広げて巡りを助ける働きがあります。 巡りが整うことで、髪や肌の細胞に必要な栄養が届きやすくなります。

2.毛細血管を補強するもの

ルイボスティー出典:stock.adobe.com

毛細血管は非常に細く、赤血球が形を変えながら通るほど繊細です。年齢とともに弱りやすい毛細血管を支えるのが、毛細血管の形を保つ働きを持つ「Tie2(タイツー)」 と呼ばれる、血管にあるタンパク質受容体です。

Tie2を活性化するとされる食材は、そば、ルイボスティー、シナモン、ヒハツ(長胡椒)などが挙げられます。そばに含まれるポリフェノールの一種のルチンは、毛細血管の補強に役立ちます。普段飲んでいるお茶をルイボスティーに変えたり、シナモンを飲み物に加えたりするなどを日常に取り入れると、無理なく習慣化しやすいですよ。

3.タンパク質、ビタミンC

魚のムニエル出典:stock.adobe.com

血管はコラーゲンでできているため、タンパク質源となるアミノ酸をしっかり摂ることが大切です。さらに、コラーゲンの産生にはビタミンCが欠かせないため、タンパク質とビタミンCを組み合わせて取り入れることで、髪や肌の土台づくりをより効果的にサポートできます。

4.抗酸化作用のあるもの

キャベツサラダ出典:stock.adobe.com

抗酸化作用のある食材は、髪や肌の老化の原因となる“活性酸素”を除去する働きがあります。アメリカ国立がん研究所がまとめた「デザイナーフーズピラミッド」では、抗酸化作用が特に強い食材として、ニンニク、生姜、にんじん、キャベツ、大豆などが上位に挙げられています。玉ねぎなども続くグループに分類されており、日々の食事に取り入れやすい食材ばかりです。

ブロッコリースプラウト出典:stock.adobe.com

また、鮭に含まれるアスタキサンチンや、ビタミンA、C、Eなども抗酸化力が高く、髪や肌のケアに役立ちます。ブロッコリースプラウトも抗酸化作用が強く、サラダに少しのせるだけで取り入れられる手軽さが魅力です。細胞の中の有効成分を引き出すためには、刻んだり、よく噛んだりして食べることがポイントです。

中医学の視点から見た「美髪のためにできること」

ひじきの煮物出典:stock.adobe.com

中医学や薬膳の考えでは、髪は「腎」と深く関わるとされています。年齢とともに腎の働きや足腰の力が弱まる“腎虚(じんきょ)”の状態になると、白髪や抜け毛が増えやすくなると考えられています。腎を補う食材として、黒ごま、ひじき、黒豆などの“黒い食材”や、根菜類がよいとされています。

また、髪は「血の余り(血余:けつよ)」とも言われ、十分な栄養があってこそ健康な髪が育ちます。食が細い、冷え性、ダイエットで栄養不足になりやすい女性は、血をつくる力が弱まりやすく、髪のハリ、コシ、ツヤにも影響が出やすくなります。必要な栄養をしっかり補うことも、髪のケアのための基本です。

「水分をたくさん摂れば潤う」は、じつは誤解

リラックスする女性出典:stock.adobe.com

「水分をたくさん飲めば肌や髪が潤う」と思っている方も多いですが、体の巡りが悪い状態では必要な場所まで届かず、効果を感じにくいことがあります。冷え切った体では血流が滞りやすいため、“水分補給+巡りを整える習慣”をセットで行うことが大切です。

また、ストレスや睡眠不足は活性酸素を増やし、肌や髪の老化を進める原因になります。睡眠中は成長ホルモンが分泌され、細胞の修復が行われるため、睡眠は美容、免疫、代謝すべての土台になります。食生活に加えて、質のよい睡眠やストレスケアもトータルで意識することで、巡りのよい体づくりがより進み、肌や髪のコンディションがゆるやかに整っていきますよ!

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