教えてくれたのは……石原 新菜(いしはら にいな)先生

イシハラクリニック副院長、ヒポクラティック・サナトリウム副施設長、健康ソムリエ理事。クリニックでの診察のほか、わかりやすい医学解説と、親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。
むくみは「水分の巡りが滞っている」状態
病気(心臓・腎臓・甲状腺など)によるむくみを除外すると、多くの場合、水分を摂りすぎているだけでなく、水分の排泄がうまくいっていないことが原因です。そのため、“飲む量”だけでなく、“きちんと出ているか”を確認することも大切です。
現代の生活では特に、巡りが悪くなる条件が重なりやすく、むくみの原因になります。たとえば、パソコン作業で座りっぱなし・立ちっぱなしの仕事、エアコンによる体の冷え、睡眠不足といったことが要因です。こうした生活が続くと、血流が滞り、排泄も悪くなり、むくみやすくなります。冷え切っている状態で水分を無理に飲んでも、さらに体が冷えて排泄されない“水毒”のような状態になることもあります。
むくみ対策の基本は「巡りをよくすること」
巡りがよくなれば腎臓の血流も改善し、尿が作られやすくなるため、むくみの軽減につながります。
そのためには、
- 座りっぱなしが続くときは、1時間に1度は立ち上がって屈伸する
- 軽いストレッチを取り入れる
- お風呂はシャワーではなく、湯船につかる
など、血流を促す習慣が大切です。また、水分補給はとても大切ですが、水分を無理して飲みすぎている場合は水分摂取量を少し調整してみるのも、ひとつの方法です。
生活習慣の見直しに加えて役立つのが、水分の排泄を促してくれる食材です。日々の食事に上手に取り入れて、巡りをサポートしましょう。
1.カリウムを多く含むもの
きゅうりやスイカなどのウリ科の夏野菜は水分が多く、利尿作用があり、尿の出をよくしてくれます。夏の時期は、疲労回復や食欲アップに効果的なお酢と組み合わせ、きゅうりの酢の物などが手軽に作れておすすめです。
小豆もカリウムが豊富で、排泄を促す働きがあります。 煮小豆をお菓子代わりにしたり、サラダやカレーに少量加えたりすると、日常に取り入れやすくなります。
2.生姜紅茶
むくみ対策として日常に取り入れるとよいのが「生姜紅茶」です。生姜紅茶には、体を温めながら利尿作用を高め、余分な水分の排泄を促してくれる効果が期待できます。生姜に含まれるショウガオールが毛細血管を開かせて血流をよくし、巡りを整える助けになります。
紅茶に含まれるポリフェノールには、研究において抗ウイルス作用や、糖・脂肪の吸収を穏やかにする働きなどが報告されており、健康をサポートする成分として注目されています。さらに紅茶の香りにはリラックス効果もあり、気分転換にもぴったり。今、紅茶はとてもおすすめの飲み物です。
基本的にはいつ飲んでもOKですが、紅茶にはカフェインが含まれるため、眠る前などで気になる方はノンカフェイン紅茶を選ぶと安心ですよ。
作り方(1杯分)
200mlのお湯にティーバッグで紅茶を淹れ、すりおろした生姜を5g程度加えます。生姜の量は、お好みに合わせて調整してください。チューブのすりおろし生姜でもOKですが、添加物が気になる場合は、素材がシンプルな粉末タイプの生姜もおすすめです。粉末の場合は、ティースプーン5分の1程度を目安に加えてください。黒糖やはちみつを混ぜて、やさしい甘みをプラスするのもおすすめです。
1日分をまとめて作りたいときは、ポットや水筒に紅茶を淹れて生姜スライスを数枚入れるだけで自然と生姜の風味が広がります。時間が経つほど生姜の香りがしみ出し、手軽に生姜紅茶が完成します。
飲み方のポイント
外で過ごすときには、熱中症対策として冷たい飲み物や涼しい服装、冷却グッズが欠かせません。 一方で、室内はエアコンで体が冷えやすいため、室内では温かい生姜紅茶を選ぶと冷えにくく、体調が整いやすくなります。生姜は“ちょい足し”しやすい食材なので、普段の飲み物や料理にも気軽に使えます。
カリウムを含む食材と生姜紅茶を上手に取り入れることで、水分の巡りが整い、むくみの悩みの軽減につながります。むくみにお悩みの方は、できることから少しずつ取り入れてみてくださいね。







