菌のふえる三要素は、「水分」「温度」「栄養」
梅雨に入って湿気の多い時期になると、気をつけたいのが食中毒。昨年の厚生労働省「食中毒統計調査」によると、食中毒の原因となる施設として3番目に多いのが「家庭」。全体の14.2%を占めています。家庭での食中毒リスクは、決して低いものではありません。
「梅雨時期から夏にかけては、菌が増殖しやすい気温です」と話すのは、花王株式会社の河野千絵さん。
「菌が繁殖する3要素は、温度・水分・栄養(汚れ)。この3つが揃った場所は、菌にとってまさに“パラダイス”なんです。いつもと同じ汚れ量でも、梅雨時は湿度も温度も高まるので、除菌お掃除が重要になってきます」
生活者一人ひとりのくらしを見つめた独自の生活者調査を行なっている花王生活者研究センターの調査結果の一つが、上のイラスト。ご覧の通り、キッチンのなかには、トイレの床と同レベル、もしくはそれを上回る数の菌がいるスポットが何箇所も! 衝撃の結果になっています。
衝撃! 1日使った台ふきんは、菌が1万倍になることも!
汚染度が高かったスポットのうちの1つが、台ふきんやキッチンの手拭き用タオルなどのリネン類。ダイニングテーブルや調理台を拭いたりして1日使っただけで、台ふきんの菌の数はなんと1万倍に増殖することも! 菌の種類も多く、なかには食中毒になりうる原因菌も検出されました。
なぜこのような結果になるのでしょうか。花王株式会社の河野さんは、「水に濡れている時間が長いのが原因のひとつ」と話します。
「台ふきんやキッチンの手拭き用タオルは、ほぼ常に水分を含んでいる状態ですよね。また、テーブルや調理台を拭くことで、汚れもついている。菌が増殖する原因である水分と汚れ(栄養)がセットになっている状態なんです」
そんな悪条件が重なる台ふきんや手拭き用タオルですが、こまめに取り替えていない実態も。台ふきんを取り換える頻度の調査では、6割もの家庭で2日以上同じふきんを使っていることもわかりました(花王調べ)。
「不衛生な台ふきんでの水ぶきは、テーブルや調理台をきれいにしているつもりでも、かえって菌を塗り広げることになってしまいます」(河野さん)
除菌グッズで、テーブルや調理台を手軽にすっきり!
では、テーブルや調理台を拭くときは、どうしたらよいのでしょうか?
「除菌表示のある製品を使うのが、賢い選択だと思います」と河野さん。おすすめは、『クイックルJoan(ジョアン)すまいの除菌スプレー』と『クイックルJoan(ジョアン)すまいの除菌シート』。“除菌に安心”から名付けられた同シリーズは、ノンアルコールで、抗菌成分には発酵乳酸を使用。キッチンはもちろん、家具や床、パソコンのキーボード、子ども用品やペット用品にも使用可能。シートタイプなら、子どもの手や口元を拭くときにも使えます。
「拭き方にもポイントがあります」と河野さん。
「指先だけで拭くと、拭き残しが多く発生します。ポイントは、“手のひら全体”を使うこと。シートタイプは広げて手のひらサイズに、スプレータイプなら清潔なペーパーや布を使って、手のひら全体で圧をかけて拭くと、ムラなくまんべんなく拭くことができます」
また、丸を描くようにせず、端から端までまっすぐ一直線に拭き、横・縦・横・縦と“直角拭き”するとさらに効果的。
「菌はとにかく水分と汚れが大好き。“使ったら拭く”を習慣づけるのがおすすめですよ」(河野さん)
手拭き用タオルは、こまめに取り替えて洗濯しよう!
「もし台ふきんを使うなら、まずは毎日取り替えを!」と河野さん。使ったあとは、その日のうちに塩素系漂白剤でつけ置きするのがおすすめだそう。
「台ふきんにはたくさん汚れや菌もついているので、洗濯機でそのまま衣類と一緒に洗うのではなく、塩素系漂白剤のつけ置き洗いで除菌しましょう。またキッチン衛生のためには、
台ふきんはできれば数枚用意し、乾いた清潔なものを使うのがおすすめです」(河野さん)
塩素系漂白剤の効果をしっかり引き出すために、まず目に見える汚れを手洗いで落としましょう。その後、塩素系漂白剤を規定量に薄めてつけ置きし、水洗いをしてしっかり乾燥させます。なお、色柄物には色落ちする可能性があるため、塩素系漂白剤は使えません。
「手拭き用タオルも、ぜひ毎日取り替えましょう。塩素系漂白剤で除菌するのがおすすめですが、毎日続けるのが大変というときは、抗菌効果のある洗剤や漂白剤を併用して洗濯機で洗濯を。
週末のまとめ洗いは、汚れと水分がついたまま放置することになり、菌が増殖しやすくなってしまいます。
手拭きタオルに限らず、梅雨時こそ、こまめな洗濯がおすすめですよ」(河野さん)
便利な除菌アイテムをうまく活用しながら、台ふきん・手拭きタオルはこまめな取り替えを、ぜひ新しい習慣に! すっきりさっぱりと1日を始められそうですね。
教えてくれたのは
花王株式会社
化粧品、スキンケア・ヘアケア、ヒューマンヘルスケア、ファブリック&ホームケアと、消費者向けに4つの事業分野で“きれい”を満たすものづくりを展開。創業以来、消費者の立場にたった“よきモノづくり”を通じて、人々の豊かな生活文化の実現に貢献することをめざす。
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