医師に聞く【コロナ+インフルのダブル感染症対策】キーワードは「アボカド」!免疫UPの3つのポイント

心と体

2020.11.13

新型コロナウイルス感染症の収束が見えないまま、ついにインフルエンザ流行の季節が到来。

2つの感染症リスクに対してどう備えるべきか、多数のメディアに出演し、啓発する順天堂大学の小林弘幸教授に聞きました。

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順天堂大学医学部教授、小林弘幸先生に聞く! この冬の感染症リスクと対策の基本

 

この冬、かつてない感染症リスクが来襲!?


 冬はもともとインフルエンザや風邪が流行りやすい時期ですが、それに加えて私たちの体も感染症への防御力が弱くなると順天堂大学医学部の小林弘幸教授は話します。

 

「空気が乾燥すると気道の粘膜も乾燥し、ウイルスが付着・増殖しやすくなります。また、冬は室内外の気温差に苦しめられる時期。例えばコートを着て電車に乗って大汗をかき、そのまま外に出ると体が急激に冷えます。そういった気温の変化が体にストレスを与え、感染症にかかりやすくなります」
(以下、「」内は小林教授)

 2020-21年の冬ならではのリスクもあります。
「新型コロナウイルスの収束が見えないなか、私たちは大きなストレスを感じ続け、心身ともに疲れ切っています。ストレスは全身の細胞に炎症を起こし、免疫機能を低下させるため、この冬は例年以上に感染症にかかりやすい可能性があります」

この冬、感染症にかかりやすい理由
●冬は風邪やインフルエンザのウイルスが活性化
●乾燥により気道にウイルスが付着しやすい
●室内外の温度差により、肉体的ダメージが大きい
●収束が見えないコロナ対策により、ストレスが蓄積

感染症対策は、ハード&ソフト両面から
 インフルエンザと新型コロナウイルス感染症への予防策は共通していると小林教授。「感染症リスクを下げるには、『ハード』と『ソフト』両面からの対策が必要です。ハードとは、手洗い、マスク、三密を避けるなど、体の外側で行うもの。一方のソフトとは、自分の体に備わった免疫システムをフル活用することです」

【感染症対策の基本】

とるべき行動
①手洗い
②マスクの着用
③三密を避ける

そのほかに重要なこと
そして大切なのは「免疫システムを活用する」こと。それの鍵を握るのは腸内環境なんです。

 

感染症予防の最強の味方「免疫システム」を活用する3つの方法

 

(1)食事:発酵食品+食物繊維を意識して摂る


 免疫細胞の7割は腸に集中していることから、腸内環境をよくすることが免疫を良好に保つことにつながります。
「腸の健康に欠かせないのが発酵食品食物繊維です。発酵食品では、いつでも手軽に食べられるヨーグルトなどを摂る習慣をつけるとよいでしょう。食物繊維は野菜や果物、海藻などに含まれていますが、とくにおすすめしたいのは水溶性食物繊維と不溶性食物繊維が理想的なバランスで含まれるアボカドです。こうした食品を積極的に摂ると、腸内環境が改善され、免疫システムを正常に働かせることができます」

 

 免疫システムでは、さまざまな種類の免疫細胞が連携して働きます。その中で、小林教授がとくに注目している免疫細胞が「制御性T細胞」です。
「制御性T細胞には、免疫バランスを保つ働きがあります。例えば、新型コロナウイルス感染症の場合、制御性T細胞がきちんと働けば免疫暴走を抑えられ、重症化が防げると考えられています。この制御性T細胞は腸に多く存在しています。また、最近の研究によって、ある種の腸内細菌が制御性T細胞を誘導し、その数を増やすのに関わることが明らかになりました」
 腸内環境を整えることには、もう1つの重要な意味があります。
「腸内環境が悪くなると、セロトニンやオキシトシンといった“幸福ホルモン”の分泌が減ってストレスを感じやすくなります。それによって自律神経の働きが乱れ、免疫システムの働きが悪くなる可能性があります」

 

(2)運動:ウォーキングなど楽な運動を「続ける」


 免疫の働きを保つには、ハードなスポーツよりもウォーキングやジョギング程度の軽めの運動がおすすめ。ポイントは「継続する」ことです。
「私は毎朝4時半に起きて、1時間ほどかけて7000歩歩くのを習慣にしています。ウォーキングなら簡単にできますし、気分転換にもなります。また、ウォーキングは有酸素運動なので、肥満防止にもなります」
 肥満は新型コロナウイルス感染症の重症化リスクの1つ。在宅勤務などで時間に余裕のある今だからこそ、取り入れたい習慣です。

 

 

(3)睡眠:上手に眠り、疲れをとる


 質のよい睡眠は、自律神経の働きを整えて免疫システムを正常に保つために欠かせません。
「睡眠の質を上げるためのポイントは3つあります。

 

第1に、就寝3時間前までに食事をすませ、消化を終えておくこと。
第2に、就寝1時間前以降はスマホを見ないこと。スマホなどが発するブルーライトが覚醒中枢を刺激し、寝つきが悪くなるからです。
第3に、入浴時には湯船につかり、体の深部体温を上げることです。体温が徐々に下がるタイミングで最も心地よく眠りにつくことができます」

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