流行を抑えるには、一人でも多くワクチン接種を
毎年冬に猛威を振るうインフルエンザ。
ワクチンを接種すると、体内でウイルスに対する抗体ができ、その抗体によって感染しにくくなります。また万一感染しても、重症化を防ぐことができます。
インフルエンザの感染により重症化するリスクが高いのが、小児と高齢者。
子どもでは、インフルエンザによる合併症として脳症や脳炎、あるいは気管支炎から肺炎を発症する恐れがあります。
また高齢者においても、ウイルスが気管を損傷して肺炎を発症することがあり、いずれも命に関わる深刻な状態です。
重症化のリスクが高い小児や高齢者のみならず、社会全体でインフルエンザの流行を抑えるためには、ワクチンを接種する人を一人でも増やしてインフルエンザに対する集団免疫を高めることです。流行の規模を抑えることができれば、社会全体でインフルエンザの感染に起因する脳症や脳炎、肺炎の発生頻度も抑えることができるのです。
今年は新型コロナウイルスの影響で多くの人の健康に対する意識が変わり、インフルエンザなどその他の感染予防に対する意識も高まっているようです。株式会社 明治が日本全国の18歳以下の子どもを持ち、同居する男女(20歳以上)1000人を対象に行った「パパとママのインフルエンザ予防接種実施意向」に関する調査をもとに予防接種への意識をのぞいてみましょう。
費用が高いのがネック?
インフルエンザワクチンを受けたくない理由として、じつに三人に一人が「費用が高いから」と回答。ワクチンの費用は医療機関により異なりますが、小児で3,000~5,000円、大人で1回につき3,000~4,000円程度。「一度ワクチンを打ったらおしまい」ではなく、毎年接種する必要があることを考えると、費用がネックになる方が多いのは当然です。現在、自治体によってはワクチン接種に対する助成制度を設けているところもあるので、まずは調べて、活用することをおすすめします。
新型コロナを恐れて予防接種も受けない?
また、予防接種を受けたくない理由として「予防接種に行くと新型コロナウイルスに感染しそうだから」と答えた人が全体で14.9%いたこともわかりました。新型コロナウイルスを怖がるあまり「病院に行くこと」そのものを敬遠している人が多いのかもしれません。しかし、病院側も感染予防対策をしていますし、ワクチンを接種しにいく私たち自身が手洗いやマスク、ディスタンスを取るといった個人でやるべき対策を徹底することが必要です。
万全の対策をしつつ、この冬の健康を守りたいですね。
昨年受けなかった人、今年は接種希望が4割増
昨年、予防接種を受けた人は全体の約5割に対し、今年、予防接種を受けたいと考えている人は約7割(「とても受けたいと思う」39.9%、「受けたいと思う」29.1%の合計)と大幅に希望者が増えていることがわかります。
そして、昨年受けていないが、今年は受けたいと回答した人は41.3%おり、その理由もとして「新型コロナウイルスとの同時流行に備えたいから」という回答が最も割合が高く、昨年から大きく状況が変わったことが浮き彫りになっています。
インフルエンザの予防接種を受けたい理由
Q あなたが今年、インフルエンザの予防接種を受けたいと思う理由を「1位」から「3位」までお答えください。(お答えはそれぞれ1つ)
【1位】「インフルエンザを発症したくないから」(33.3%)
【2位】「子どもにうつしたくないから」(27.7%)
【3位】「新型コロナウイルスとの同時流行に備えたいから」(13.9%)
まず当然として、自分がインフルエンザにかかりたくないという思いがありますが、それに次いで多かった回答が、「子どもにうつしたくないから」でした。そして、男性にとくに多かった回答として「配偶者/パートナーに強く言われているから」があり、男性が女性のパートナーから強く接種を促されている言われていることが推測できます。
今年はとくに予防意識がアップ!
例年と比較した、今年のインフルエンザに対する予防意識を聞いた調査では、予防意識が例年よりも高い人は、全体で59.1%(「例年よりとても高い」28.5%、「例年より高い」30.6%の合計)で、新型コロナウイルス流行の影響が感じられる結果となりました。
コロナのみならず、インフルエンザでも休むわけにはいかないという危機感の表れだと考えられます。インフルエンザに感染するリスクを少しでも減らすのに、ワクチン接種は最も有効な手段のひとつです。
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