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【犬山紙子×川村真木子】娘にも伝えたい「自分の顔が大嫌い」から解放されよう

カルチャー

 川村真木子さんx犬山紙子さん対談

2021.02.27

自分の顔は好きですか? 自分の顔に自信を持って生きていますか? 見た目のコンプレックスに支配されて生きていくのは苦しいことです。コラムニストの犬山紙子さんとバリキャリ金融女子の川村真木子さん、ともに女の子の母親でもあるお二人が、これからを生きる娘世代、そして全ての年代の「美」にふりまわされる女性に伝えたいこととは。

外見のコンプレックスに悩む人が多い理由

川村真木子さん(以下川村):この先の人生を考えたときに、これからは体力的にも劣ってくるし、見た目も老化するじゃないですか。だから私は今、体を鍛えたり、美容面もかなりがんばっているんです。衰えていくのはしょうがないけれど、その年齢に合った外見で、清潔感は大事なので、そこはメンテしたいなと思っていて。

犬山紙子さん(以下犬山):そんな風に悩まれることもあるんですね、意外!

川村:そうですか? 20歳から40歳までは楽だったけど、ここから先はけっこうハードルが高いので、それは自分の中での課題ですね。そういうこと思いません?

犬山:私は見た目はかなりコンプレックス強いほうだったんですよ。思春期には、母親に「なんでこんな変な顔に産んだんだ」って言って泣きついたりするぐらい。それだけ悩んで、傷ついていたからこそ、自分の子どもには同じような思いをしてほしくないというのはすごくあります。

美意識が乏しくなってない?

川村:すごいわかる。日本は……ってすぐ「日本は~」っていうひとくくりの話になっちゃいますけど(笑)。日本はかわいい子が規格化しちゃっていて、ストライクゾーンがめちゃ狭いんですよ。年齢にしてもそうだし、身長、体重もちょうどいいところのゾーンがものすごく狭い。

でもアメリカって人種も体型も顔立ちもさまざまだから、誰が本当にカワイイのか判断しづらいくらい色んなタイプがいる。だから色んな人が自分のことかわいいと思っているんですね。太っていても「I’m healthy!」みたいな感じで堂々としているから、すごい生きやすいなって高校のときに思いました。

日本にいたときは自分のことを太めだと思っていたのに、アメリカに行ったら全然そんなことないって思えたし、そうだとして、だから何? と思えたし。ダイバーシティーが広いんですよね、文化に対しても、見た目に対しても。

でも日本はみんな同じような見た目だから比べやすい。ストライクゾーンが狭すぎて、かわいい子はクラスに1人か2人しかいない、みたいな。そういう意味で自己肯定感って日本にいると低くなります。

犬山:本当にそうですよね。日本で定義されるかわいい子って、顔が左右対称で目が大きくて、華奢で色白で……。でも美しさってそれ一種類のわけないじゃない! って思いますよね。

川村:外国人の友達がびっくりするんですけど、よく日本人って外国人をつかまえて「顔小さ~い!」「足長い!」とか言うじゃないですか。それって外国人には意味が良くわからない。誉め言葉だと伝わらないし、むしろ「私、なんか変なの?」って居心地の悪さを感じる。それぐらい日本人って比べているんですよね、日本人同士の中で。韓国人も同じく比べるから、その結果整形で同じような顔にもっていくんですよ。彼らも生きにくいんじゃないかな。

「美意識」というのは育てられるもの

美意識は育てられる

犬山:日本にいると「狭い美意識」になるのは抗わない限りそうなると思います。しっかり自分の美意識を鍛えるしかないですよね。「私の顔はかわいくない」と思うなら、それは自分の美意識がとぼしいのかも、という認識は持っておくといい。

美意識っていうのは私は育てるものだと思っていて、川村さんおっしゃったように多様な美があるところで育つと、多様な美を感受できる心が育つんですよね。その先に自分という個性を認めたり、自分の顔を美しいと思えるということにつながってくると思うんです。

だから、美意識についてはちゃんと自分の娘に伝えたいなと思っていますね。娘に伝えつつ自分にも言い聞かせる(笑)。私も日本のルッキズム(外見史上主義。見た目による差別をすること)から解脱できているとはとうていいえなくて、コンプレックスに苦しんでいる最中なので。子どもにはそのルッキズムの呪いをかけたくないです。

川村:美のダイバーシティーを認められるようになると、こういう形でこういう人がきれいって決まっていないので、今度は内面を見られるようになるんですね。ダイバーシティーがない日本だと、こういう顔じゃないとかわいくないっていうのがあるから、そこに皆向かっていっちゃって。

犬山:私も向かっていってた~(笑)。

川村:それってすごい無理ゲーをやっているということなんですけど。

犬山:そう! 超無理ゲーでしたね(笑)。でもルックスに対する好みはどうしてもあるし、自分はこんな感じでいたいなっていうのはあると思うんですよ。だから、いかにそこに沿うように努力するかというのもいいんですけど……
モテたいから、かわいいと言われたいから、だけでは不幸になってしまうかもしれません。自分が好きだから、と自信を持って言える方向ならいいと思います。

自分で自分のことを美しいと思えるように努力するっていうことも本当に素敵で大切なことだと思いつつ、例えば大好きな友だちには「今日はなんもできない! 風呂にも入れんわ、しんどっ!」みたいな日があることをお互いに認め合って、そのダメな姿すら愛おしいと思えるような間柄を構築できるといいなと思います。そうするとものすごい楽になるし、私の思春期のころのしんどさがちょっと浮かばれるのかなって。

川村:ヤバい自分をさらけ出せる人間関係の構築、大事ですよね。

犬山:そう思います。それと、さっきも言った美意識を育てること。日本の女の子にとって自分で自分のことを美しいと思うのはとてもハードルが高いので、まずは凝り固まったスタンダードだけじゃなくて多様な美をみるというのが第一歩ですよね。

それでもまだ、自分を美しいなんてとても思えないなら、やってみてほしいことがあります。これは私の独自の解決法というか、方法なんですけど、自分の中で顔や体型が超好みな女友達を思い浮かべて、心の中で賞賛しまくるんです(笑)。そうすると案外その人の顔や体型はどうでも良くて、その人がどういう表現をするかのほうが大事なポイントだったりするんですよ。例えばメイクの仕方でも「ここで黒じゃなくてグレーをのせるその感性好き!」とか、その人からにじみ出るものが好きだな、そういうところが美しいって思うんだなって、人に対してはすごく自然に思えるんです。そうやっているうちに、ちょっとずつ自分のことも認められるようになってくる。私も今まだその途中ですけどね。

犬山紙子さん、川村真木子さん プロフィール

犬山紙子さん

1981年大阪府生まれ。コラムニスト、イラストエッセイスト、コメンテーター。『負け美女 ルックスが仇になる』(マガジンハウス)でデビュー。著書に『アドバイスかと思ったら呪いだった。』(ポプラ文庫)、『女は笑顔で殴りあう マウンティング女子の実態』(瀧波ユカリとの共著 筑摩書房)、など多数。2017年に長女を出産。児童虐待をなくすための活動 #こどものいのちはこどものもの ボランティアチアームのメンバー。

川村 真木子さん

奈良県生まれ。一児の母。高校時代に渡米、UCバークレーを卒業する。卒業後、米投資銀行ゴールドマンサックスを経て米大手投資会社に転籍。4万人のフォロワーを抱える社会派インスタグラム@makikokawamura_が人気。

 

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saita編集部

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