苦くないピーマンの超簡単な選び方!
あなたは、どちらのピーマンが苦くないと思いますか?
正解は、左の小さなピーマン!
ピーマンの苦味のもとは、クエルシトリンという苦味成分と、ピラジンという青臭い成分で、この2つが合わさって、苦味を感じます。
ピラジンは、大きいピーマンの方が含有量が多いため、大きいピーマンの方がより青臭さを感じるのです。
また、ピラジンは、ピーマンが熟成するほど減少します。ですので、青ピーマンが完熟した赤ピーマンの方が、ピラジンは少なくなっています。
まずは下処理で苦味を抜く! 種とワタには10倍ものピラジンが!?
まず、ピーマンの表面を洗い、軽く拭きます。下処理の方法は、切り方によって変わりますが、ポイントは、種とワタをしっかり除くこと。というのも、種とワタには、身の部分に比べて、10倍くらいのピラジンが含まれていると言われているからです。苦味が苦手な人は、種とワタを除くことで、大幅にピラジンを除くことができるので、ぜひお試しください。
輪切りにする時の下処理
輪切りにする時は、菜切包丁を使い、ヘタを落として種とワタを取り除きます。
ヘタの部分は少しくぼんでいるので、少し深めのギリギリの部分に包丁を入れます。ギリギリの部分で切ることができたら、手でヘタだけを取り除くことができます。残った部分は食べることができます。
種とワタを除く時は、ペティナイフを使います。
ワタは、身の部分と3点でつながっているので、この3点を包丁で切り離します。
あとは、種とワタを手でねじって引っこ抜いてから、身をふって、反動で残った種を取り出せばOKです。
細切りにする時の下処理
細切りなどにする時は、ピーマンを縦半分に切り、ワタとヘタギリギリのところに包丁を入れ、取り除きます。手でむしり取るより、包丁で切った方が、きれいに取り除けます。
苦味が苦手ではない人で、栄養を多く摂取したい人は、もう少しワタを残してもOKです。
半分に切った状態で、ワタに包丁を入れるのが難しいと感じる場合は、縦4等分に切ってから、ワタを除くと、より簡単にできます。
苦味が好きな人のための耳より情報
ピラジンは、血液サラサラや美肌効果が期待できる栄養価の高い成分なので、苦味が苦手ではない人は、種とワタも一緒に食べた方が、栄養を多く摂取することができます。シシトウなどを、種とワタごと食べるのと同じ感じで食べればOKです。
どの切り方が正解!? 実際に切ってみよう!
ピーマンの繊維は縦に入っているので、繊維に沿って平行に切ることで、細胞が壊れにくく、苦味成分が外に出にくくなります。繊維に対して垂直に切ると、細胞を切ることになるので、苦味成分が外に出やすくなります。これを踏まえて、実際に切り方によってどのように苦味を感じるのか、試してみました!
太めの輪切り
輪切りにすると繊維を切ることになるので、苦味成分が外に出やすくなりますが、歯切れがよく、食べやすくなります。繊維を切っているので、切り口に、水分と一緒に苦味成分が出てきます。
繊維に沿って平行に、細切り
細切りは、苦味成分が外に出にくく、食感がよくなります。繊維に沿って平行に切っているので、切り口から、そこまで水分と苦味成分が外に出てきません。
ピーマンの表面はツルツルして切りにくいので、内側を上にすると切りやすいです。
色紙切り
色紙切りは、物理的に小さくなるので、苦味成分が抑えられます。
繊維に沿って平行に、薄切り
繊維に沿って平行に、薄切りにしていきます。
繊維に対して垂直に、薄切り
繊維に対して垂直に、薄切りにしていきます。
徹底して苦味を抜くために、熟成させ、繊維に対して垂直に薄く切り、水に浸ける
徹底して苦味を抜くには、まず縦半分に切って種とワタを除いた状態で、1時間以上熟成させ、ピラジンを減少させます。
次に、熟成させたピーマンを繊維に対して垂直に薄切りにし、水で洗います。クエルシトリンは水溶性なので、水で洗うことで、抜くことができます。
繊維に対して垂直に切っているので、細胞から苦味成分や色素が抜けて、水が緑色になります。
水が透明になるまで、2〜3回水を変えて洗います。水が透明になったら、そのまま10分間水につけます。
これが、ピラジンとクエルシトリンをギリギリまで抜いた状態になります。
ただし、水につけると、苦味成分とともに、水溶性の栄養素も抜けていくので、このあたりは天秤にかけましょう。
切り方で苦味の感じ方はどう違う? いよいよ食べ比べ!
太めの輪切り
繊維に対して垂直に切った太い輪切りは、断面からピーマン特有の香り成分と苦味成分が出ているので、ものすごく苦味を感じやすいです。また太く切っているので、ピーマン単体で食べると、とても苦いです。
繊維に沿って平行に、細切り
繊維に沿って平行に、細切りにしたものは、断面から苦味成分があまり出ていないので、垂直に切ったものに比べて、口に入れた瞬間に感じる苦味が抑えられています。でも、太く切っているので、噛んでいくと、中に閉じ込められた苦味成分が出てくるので、やはりとても苦いです。
繊維に対して垂直に、薄切り
繊維に対して垂直に薄切りにしたものは、断面から特有の香り成分と苦味成分が出ているのですが、薄切りにしているぶん、流れてしまっているので、ほとんど苦味を感じません。どちらかと言えば、甘みの方が強くなっています。
繊維に沿って平行に、薄切り
繊維に沿って平行に薄切りにしたものは、やはり噛むと中に閉じ込められた苦味成分が出てきて、苦味を感じます。噛んだ瞬間に、鼻から抜ける独特の香りを強く感じます。
薄切りにした場合は、繊維に対して垂直に切った方が、苦味は感じにくいです。
色紙切り
色紙切りは、物理的に小さくなっているので、苦味を感じにくいですが、繊維に対して垂直に、薄切りにしたものに比べると、苦味を感じやすいです。
ついでに、ワタも試食
ワタには香り成分であるピラジンが10倍くらい含まれているので、ピーマン特有の香りは感じますが、苦味はそこまで感じません。想像以上に食べやすいです。
熟成させ、繊維に対して垂直に薄切りにし、水につけたピーマン
香り成分も苦味成分もしっかり抜けているので、苦味はほとんど感じません。むしろ、甘みを感じます。
苦く感じる順位を発表!
1位 太い輪切り
2位 細切り
3位 繊維に沿って、平行の薄切り
4位 色紙切り
5位 繊維に対して垂直の薄切り
>>併せて読みたい:ピーマンの種やワタが飛び散らない!カンタンすぎる種の取り方3選
教えてくれたのは:岩野上幸生さん
YouTubeチャンネル登録者数23万人/料理人歴18年目/飲食店経営者
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