コロナ禍の1年、みんなの暮らしはどう変わった?
2020年から始まった新型コロナウイルスの世界的大流行から1年以上が経過しました。私たちの生活様式は日々変化し続け、新たな生活様式が定着しつつあります。
花王株式会社「生活者研究部」は、コロナ禍の1年を定点調査しました。その結果「現在の暮らしの様子」から、今後も続けたい生活様式など、皆さんの声が垣間見えてきたのでご紹介します。
「マスクを洗う」ことは新たな家事習慣へ
コロナ禍で提唱された「マスク・手洗い・3密回避」が生活習慣の一部として定着してきた結果、新しく増えた家事があります。それが「マスクを洗う」ということ。布やウレタンマスクの普及によって「マスクを洗って繰り返し使う」人が5割前後となっており、マスクの洗濯が新しい家事の一部となってきていることが分かります。
衛生面の観点からも、以前よりも積極的に衣類を洗濯をしている人も多いかもしれません。おうちで過ごす時間の増加もあわせ、水道光熱費が変化しそうですね。
コロナ禍で「暮らしが変化した」人は約6割
女性では、コロナ禍で暮らしが「とても変化した」と回答した人は32%、「変化した」と回答した人は33%となっていることから、約6割の女性がコロナ禍で暮らしが変化したと感じているようです。
一方で男性の回答を見ると、コロナ禍で暮らしが「とても変化した」と回答した人は23%、「変化した」と回答した人は29%と、約5割という結果に。
女性のほうが男性よりも「コロナ禍で暮らしが変化した」と感じる人が多く見られることから、仕事や家事、子育てなど、生活様式の変化による暮らしへの影響は女性の方が大きかったのかもしれません。
Afterコロナ後に見られる家計&お金の使い道の変化
同調査では、「ウイルス流行の終息後も続けたい・取り入れたいこと」として衛生対策や、備蓄、決済方法、働き方などがあげられています。
コロナ後も続けたい習慣1 衛生習慣 → 衛生用品への支出増!
新型コロナが終息した後も続けたい行動・習慣の第1位は「手洗いをする」。次いで、「手指用の除菌・消毒用製品を使う」「マスクをする」「人混みや密を避ける」「換気」と続いています。
コロナ禍で提唱された衛生対策が上位を占めていることから、これらの習慣は、今後も生活習慣として継続していきたいと考えている人が多いようです。
家計管理としては、習慣の変化から衛生用品などの支出が増加すると予測されますが、これらの衛生対策は新型コロナウイルス対策としてだけでなく、インフルエンザなど感染症全般の予防としても、今後の生活様式として定着していきそうですね。
コロナ後も続けたい習慣2 食料・日用品の備蓄/キャッシュレス決済 →ポイントやキャンペーンでお得に!
日常生活における変化では、女性の3割以上が「食料・日用品のストック/備蓄」「買い物に行く頻度を減らす」「キャッシュレス決済」を今後も続けたいと回答したそうです。
食料・日用品の備蓄についても、新型コロナウイルス対策としてだけでなく、地震や台風などの災害対策にもなることから、コロナ禍をきっかけにこのまま習慣にしたいと考える人が多いのかもしれません。
また、コロナ禍を機に衛生的な決済方法として定着しつつあるキャッシュレス決済についても、普及が進んだようです。キャッシュレス決済のシステムを導入したお店が拡大して利用しやすくなったり、ポイントやキャンペーンなどのお得感を実際に体験し、今後も利用したいと考えた人も多かったのではないでしょうか。
なお、家計管理アドバイザーの視点から考えても、キャッシュレス決済の利用はお得です。ただし、ポイントやキャンペーンなどのお得な情報に振り回されすぎてしまい、使いすぎてしまわないように気を付けましょう。上手に使えば、新型コロナウイルス対策としてだけでなく、不労所得を増やすことにつながります。
また、「買い物に行く頻度を減らす」ことは、無駄遣いを抑える効果も期待できそうです。
コロナ後も続けたい習慣3 新しい働き方 → テレワークが急速に浸透!子育て中でも働けるチャンス!?
「テレワーク」「リモートワーク」「時差出勤」など、新しい働き方もコロナ禍で急速に広がりました。同調査によれば、今年1月時点のフルタイム女性の在宅勤務率は37%、男性の在宅勤務率は47%となっています。
今後在宅勤務を望む人は女性では23%、男性では14%となっており、今後も在宅勤務を続けたいと考えている人が多いようです。
在宅勤務が増えたことで、夫婦間のトラブルが増えたりストレスを感じたりした人の声も聞かれる中、同調査では、通勤時間の削減、満員電車によるストレスの低減など、新しい働き方によって生活の質や健康に嬉しい影響があったと回答している人も見られたようです。
様々な働き方が当たり前になり、子育てや介護中でも働きやすくなった人もいるかもしれません。今まで「子どもが小さいから働けない」と思っていた人でも、働き方の多様化により、少しずつでも働くことができるようになれば、家計にも余裕が出てくると考えられます。
テレワークやキャッシュレスの普及が大きく拡大!ニューノーマルな生活様式
まだまだ新型コロナウイルスの終息がみえない日々が続きますが、みなさんの生活様式はどのように変化していますか? 今回の調査結果と同様に、以前から続けていた衛生週間をより強化したり、備蓄などを通じて新型コロナウイルスだけでなく災害の対策についても以前よりしっかりと準備をするようになった人も多いのではないでしょうか。
推奨はされていても新型コロナウイルス以前ではなかなか進まなかったテレワークやキャッシュレスの普及も大きく拡大しているようです。
家計管理の観点から今回の生活の変化をみると、在宅勤務が増えたことでおうち時間が増えたり、食品や日用品の備蓄を始めたり、うがい、消毒、マスクの洗濯などの衛生習慣が増加したりということから、「おうちで利用する支出の増加」が見られたのではないかと推測します。加えて、Afterコロナの楽しみ方として、「親しい人との3密を気にしない交流」が挙げられていることから、「交際」に関する支出は減少していると考えられます。
生活が変わると、家計の支出内容も変わるということにつながりますね。
新しい家計の支出内容を見直して、健全な家計管理を心がけましょう。
【調査概要】
「生活者の意識と行動に関するインターネット調査」
◎2020年5月9日~12日/首都圏在住者(20~60代既婚男女 各500人、20~30代未婚男女 各100人)
◎2020年7月29日~31日/首都圏在住者(20~60代既婚男女 各500人、20~30代未婚男女 各100人)
◎2020年9月11日~13日/首都圏在住者(20~60代既婚男女 各500人、20~30代未婚男女 各100人)
◎2020年11月27日~12月1日/首都圏在住者(20~60代既婚男女 各500人、20~30代未婚男女 各100人)
◎2021年1月15日~17日/首都圏在住者(20~60代既婚男女 各500人、20~30代未婚男女 各100人)
「この冬の感染症対策についてのアンケート」
◎2021年2月9日~3月8日/インターネット調査/『くらしの研究』読者/男女3,611人