正解の前に、ゴマから採れるゴマ油のおハナシ
今回の対決で取りあげた「ごま」に含まれる栄養素の「セサミン」は、抗酸化作用が強い成分のゴマリグナンの一種です。
セサミンは、カラダの錆の原因になる活性酸素の働きを抑え、若返り効果が期待できるといわれています。
日々の生活に取り入れる方法のひとつとしておすすめなのは、「ごま油」を使うこと。
ごま油には、若返り効果で有名なビタミンE、リノール酸やリノレン酸などカラダにいい成分が多く含まれています。
ごま油のような良質なオイルの摂取は、つややかな肌の源を作ることにつながります。ダイエットのためにオイルの摂取を避けすぎてしまうと実年齢よりも高い肌に見えてしまう恐れも……。
つやのある若々しい肌を手に入れるひとつの方法として、機能性の高い良質なオイルを上手に使えるようになるといいですね。
若々しさを引き出す良質なオイル
正解の前に、ごま油以外におすすめのオイルをご紹介します。
自分が摂るべき良質なオイルを選べるように、それぞれの特長を知ることから始めてみましょう!
【ココナッツオイル】
抗酸化作用のあるビタミンEが豊富。成分の約60%である中鎖脂肪酸は、植物油よりも早く分解されるため脂肪がつきにくいといわれています。熱にも強いため、炒め物レシピにもおすすめです。
→<期待できる働き>
活性酸素を除去し、肌の錆びつきを防止。
【えごま油】
不飽和脂肪酸であるα-リノレン酸が豊富。さまざまな効果が期待できるオールラウンダーな栄養成分。
火を通すと効果が失われてしまうので、加熱せずそのままドレッシングなどで使う方法がおすすめです。
→<期待できる働き>
美肌効果、認知症予防、老化防止、中性脂肪・血中コレステロールの軽減など。
【オリーブオイル】
身近で、手軽に取り入れやすいオイル。酸化しにくいオレイン酸、抗酸化作用が期待できるポリフェノールが含まれています。
→<期待できる働き>
血液をサラサラにし、コレステロールの減少。腸の動きをスムーズにして便秘予防に。
【亜麻仁(あまに)油】
強い抗酸化力をもつ亜麻の種(フラックスシード)からできるオイル。α-リノレン酸を豊富に含み、ポリフェノールの一種であるリグナン、食物繊維も含まれています。
→<期待できる働き>
免疫システムの促進。デトックス効果。
カラダにいいからといっても、摂りすぎないように“適量”を取り入れるようにしてくださいね。
さぁ、お待たせしました!正解は……
老けないカラダ作りための選択の正解は、「すりごま」です!
勝敗のカギは、“消化しやすいか”というところにあります。
強い抗酸化作用があるとされている栄養素「セサミン」。老けないカラダ作りに役立つセサミンは、「ごま」にも「すりごま」にも含まれているのですが、表皮がない「すりごま」のほうが消化がしやすく栄養を吸収しやすいのです。
セサミンのパワーを余さず摂取するなら、ひと手間かけて「すりごま」を使うことを選びましょう。
教えてくれたのは 新生暁子さん
管理栄養士、博士(スポーツ健康科学)、日本スポーツ協会 公認スポーツ栄養士。
マラソンの高橋尚子氏率いる「チームQ」に栄養・調理担当として加わり、日米合宿に帯同、食事全般をサポート。「チームQ」解散後はフリーとして活動。ラグビーやサッカーなどのアスリートへの栄養・食事のサポートや、スポーツ栄養の啓発に力を入れる傍ら、子どもや親御さんなど幅広い年代に、食と健康に関する情報を発信している。15年からは東京健康科学専門学校栄養士科の講師に着任。
参考文献:セブン&アイ出版 新生暁子『カラダにいいのはどっち?』