「勉強しなさい!」が逆効果なワケ。積極的に勉強する子に変わる“声かけのコツ”

家族・人間関係

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2021.08.05

「自分から意欲的に勉強してほしい」と親は願いますが、なかなかそううまくいかないものですよね。ダラダラとマンガやゲームをしている子どもに、「勉強しなさい!」と声を荒げてしまうこともあるかもしれません。ただ、その声かけに効果はあるのでしょか? 子どもの興味関心を高める「探究学習」に特化した学習塾を立ち上げ、初の著書『「勉強しなさい」より「一緒にゲームしない?」』(主婦と生活社)を刊行した岩田拓真さんに、子どものやる気の引き出し方について教えてもらいます。

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子どもに勉強してほしいとき、どんな「声かけ」をしていますか?

宿題出典:www.photo-ac.com

夏休みになり、家でお子さんと過ごす時間が増えている方も多いのではないでしょうか。せっかくの休みだから家でのびのび過ごしてほしいと思いつつ、夏休みの宿題の進み具合も気になりますよね。

子どもに勉強してほしいと思ったとき、あなたはお子さんにどんな声をかけていますか? 夏休みの宿題を例に考えてみましょう。
7月のうちは「夏休みの宿題って、何があるんだっけ?」「どんなふうに進めていく?」と質問していたのが、
8月に入ると「……ちょっと、宿題やってるの?」となり、
9月の足音が聞こえてくるころには、「どうしてやってないの?」「いい加減、勉強しなさい!」と命令するような言い方になってしまうかもしれません。

私も仕事で忙しくなると、気持ちに余裕がなくなって、子どもに「〜しなさい!」という言い方が増えてしまいます。でも、もし子どもに自主的に勉強してほしいと願うなら、この声かけは「逆効果」なのです。

「勉強しなさい!」はなぜ「逆効果」?

やる気ダウン出典:www.photo-ac.com

なぜ「〜しなさい!」という声かけは「逆効果」なのでしょうか。
答えはシンプル。その声かけでは、モチベーションが上がらないからです。
仕事に置き換えて考えてみましょう。上司に「やりなさい!」と指示されて、ワクワクと仕事に取り組めるでしょうか? きっとそうでない方が多いですよね。

子どもも同じです。「勉強しなさい!」と命令されても、やる気にはなりません。仮にその声かけで子どもが勉強したとしても、それは渋々従ったということ。こうした「外的」なモチベーションは、一時的には機能しますが、厳しく管理する人がいなくなった途端、うまく働かなくなります。保護者としても、子どもの勉強をずっと管理し続けるのは大変です。

では、どうしたら子どもが自主的に勉強に取り組むようになるのでしょうか。
その秘訣は、じつは「遊び」にあります

遊びをきっかけに「楽しい」「ワクワク」を育てよう!

勉強出典:stock.adobe.com

「勉強」と「遊び」は、よく反対の意味で使われます。保護者からすると、

  • 勉強 = 将来役に立つもの
  • 遊び = 将来役立たないもの

との線引きがあるかもしれません。でも、子どもにはその境界線はありません。判断基準は、「おもしろい!」「やりたい!」と感じるかどうか。ワクワクして夢中になれば、何も言わなくても自発的に取り組みます

だから、まずは保護者が「遊び」と「学び」を区別しないことが大切です。ゲームでも、動画でも、いま子どもがおもしろいと思っている遊びの世界から、興味の対象を少しずつ広げて、「勉強がおもしろい!」と思うきっかけを作っていきましょう。「楽しい」「ワクワク」という内的なモチベーションは、子どもの中に長く残ります。人生100年時代の今だからこそ、内的なモチベーションはとても大切なのです。

「学びのゲーム化」で自主性を育てよう!

「勉強」と「遊び」をつなぎ合わせるためにおすすめしているのが、「学びのゲーム化」です。今回は、著書『「勉強しなさい」より「一緒にゲームしない?」』の中から一部抜粋して、街歩きをしながら英語の力を育む親子ゲームを紹介します。

「推理翻訳」ゲームとは?

街中で見つけた英文を使って、日本語に対応する英語がどれかを探偵気分で推理するゲームです。

《ルール》

  • 町中にある案内板や、旅先で手にしたパンフレットなど、日本語と英文が併記されているものを使う
  • 日本語の一部分がどの英語に該当するかを推理・予想
  • 子どもが推理に悩んだら、選択肢やヒントを出したりしてもOK!

イラスト画像提供:『「勉強しなさい」より「一緒にゲームしない?」』(主婦と生活社)

「どうしてそう推理したの?」と子どもに聞いて、理由のある推理をするようにうながしてみましょう。英語に限らず、他の言語でもOK。子どもといっしょに推理を楽しむことがポイントです。親が答えをわからないときは、翻訳アプリなどを使って答え合わせを。親子で競争するのも楽しいですね。

このように、子どもが「夢中」になるには、「〜しなさい!」という命令よりも、「〜はどうかな?」といった質問・提案型のフラットな声かけが効果的です。子どもが自発的に勉強するための第一歩は、子どもを夢中にさせること。ぜひ親子で試してみてください!

教えてくれたのは:岩田拓真さん

株式会社エイスクール代表取締役兼クリエイティブ・ディレクター

成績アップや受験合格のためではなく、子どもの興味関心を広げて深める「探究学習」に特化した学習塾「a.school(エイスクール)」を2014年に開校(東京・本郷)。開発した探究学習プログラム「なりきりラボ」「おしごと算数」はグッドデザイン賞を受賞。これらのプログラムを、全国50以上のパートナー校に提供中。企業・行政とのコラボレーションも多数あり、新しい学びを作り出す次世代型教育企業として注目を浴びる。著書に『「勉強しなさい」より「一緒にゲームしない?」』がある。

 

もっと知りたい方は『「勉強しなさい」より「一緒にゲームしない?」』をチェック!

「勉強しなさい」より「一緒にゲームしない?」出典:www.amazon.co.jp

「勉強しなさい」より「一緒にゲームしない?」』(主婦と生活社)
著者:岩田拓真
定価:1650円(税込み)
「学び欲」を育てる親子ゲーム30個や、夏休みの自由研究に取り組むコツなどを収録。

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